かごしま農業女子・若松由美恵さんに聞く:農業ツーリズム推進/農業女子特集

鹿児島県南九州市知覧町で茶やサツマイモ、寒干し大根などを生産する(株)まるわかファームの若松由美恵さんは、「かごしま農業女子プロジェクト」の一員として農業体験を主体としたツーリズムに取り組んでいる。茶畑や大根やぐらなど、南九州ならではの景観を未来に残したいとの思いから、新しい販路や観光資源の開拓を進めている。
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若松さんが運営しているまるわかファームでは、茶園6ヘクタール、サツマイモ7ヘクタール、大麦若葉4ヘクタール、ダイコン1ヘクタール、ニンジン0・5ヘクタールに及ぶ。煎茶やほうじ茶、水出し緑茶などの知覧茶に加え、紅茶の加工品も手掛けている。
鹿児島に移り住んだのは19年前。出身地の神奈川県でプログラマーとして働いていたが、長男の就学を機に夫の実家である同農園にやって来た。農業は初めてだったが、茶畑の風景に心を奪われたという。「初めて茶畑を見たとき、とても感動しました。海に続く道に茶畑が広がり、開聞岳が美しくそびえていました。寒干しダイコンを作る大根やぐらの景色も印象的でした。今では集落で大根やぐらを作るのはうちだけです。この景色を守りたいと思ったことが、ツーリズムにつながりました」と語る。
若松さんが提供している体験は、茶畑の散策とランチや、大根やぐらの下での沢庵作りなど。また、畜産農家やニンニク農家と連携し、牧場見学と焼肉のタレ作りを組み合わせたグループツーリズムも展開している。「神奈川ではイチゴ狩りやナシ狩りが一般的な娯楽でしたが、南九州にはそうした文化がありませんでした。例えば畜産農場なら牛のブラッシングを体験するだけでも立派なツーリズムです」と話す。さらに宿泊施設の不足を補うため、友人がオーナーとして市から賃貸している武家屋敷(※知覧町には武家屋敷群の保存地区がある)の一軒をゲストハウスとし、国内外からの来訪者を受け入れている。
農業女子プロジェクトに参加したきっかけは、農林水産省補助事業の女性農業次世代リーダー育成塾だった。農園を継いだ際、義理の両親から渡されたのは通帳1冊。それで運営費や税金、生活費などを賄っている現実に直面し、経営を学ぶ必要性を痛感したという。育成塾で基礎を習得し、また農業女子PJに参加して全国に仲間を得た。その後、かごしま農業女子PJを立ち上げ、経営セミナーなども開催している。「若い世代には、やりたいことがあるならまず経営を学びなさいと伝えています。経営を学び実践すれば、お金と時間のやりくりができるようになります」と強調する。
今年は異業種の仲間と共に、鹿児島の魅力を海外に発信するNPO法人「YOSENABE」を設立し、代表理事を務めた。さらに、(株)さくら知覧園の運営にも携わり、知覧茶の魅力発信にも力を注いでいる。地域の景観と味を未来へつなぐ挑戦が続いている。









