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令和7年12月15日発行 第3580号 掲載

農林水産省・農業リーダーズサミット:農業組織に女性登用を/農業女子特集

 農林水産省は11月27日、都内文京区の文京シビックホール小ホールにて、「農業リーダーズサミット2025」を初開催した(既報、事業実施主体:(株)マイファーム)。同省が進めている農業分野における女性登用推進の取り組みの一環で実施したもので、「変革の時代を生き抜く地域農業の在り方・女性登用の意義」をテーマに開催。これには全国の農業委員、農協役員、土地改良区理事など約300名が参集した。詳細をみる。
 冒頭挨拶した農林水産副大臣の根本幸典氏は、我が国農業において女性は基幹的農業従事者の約4割を占める重要な担い手であるものの、女性の地域農業組織役員への登用割合は依然として低い水準に留まっており、女性の力が地域農業の意志決定に十分活かされていないのが現状だと指摘。農業者が急減する中で女性が経営の主役となる農業経営体を増やすことや、地域農業の重要な組織の意志決定に女性が参画することが日本農業の持続的発展や食料の安定供給に極めて重要であると述べ、農林水産省では女性農業者の登用促進活動のサポートに取り組んでおり、今般女性登用の意義や地域農業のあり方について考える場として本サミットを初めて開催するなどと趣旨を語った。
 次いで、片山善博氏(元鳥取県知事・大正大学公共政策学科教授兼地域構想研究所所長)による基調講演「地域における女性登用の意義と組織トップの役割」および、一般社団法人全国農業会議所、JA全中、全国土地改良事業団体連合会による農業分野の女性登用に向けた意気込み・取り組み方針表明が行われた。
 片山氏は、県知事時代に実施した鳥取県庁の女性活躍・登用推進における取り組みを紹介。県知事就任当初、県庁では女性の課長はおらず管理職は男性ばかりだった。その背景として、男女のキャリア履歴の差があり、2~3年ごとに様々な課に配属される配属先で、男性は主要な職務を担うのに対し、女性は内部の下支えの庶務係しかさせていない実態があったという。そこで片山氏は平等に人事を行うようにし、性別によらず能力や意欲によって管理職登用を実施。その取り組みは現在も続いており、鳥取県の課長職以上の女性割合は3割弱となっている。
 片山氏は県庁内に「難しい仕事は男性、補助的な仕事は女性」という牢固な固定的役割観念があったと振り返り、まず中枢部を変えることが重要と述べ、鳥取県で取り組んだことの意義として(1)公正(2)組織や仕事のズレを矯正(3)人口減少社会下における限られた人員の能力発現―を提示。人口が減っても社会機能を維持するには、若者・女性に選ばれる、能力を発揮できる地域・組織づくりが重要と語り、そのためにも組織トップのリーダーシップやミッションの設定・共有などが必要になるなどと語った。
 また、取り組み方針の表明では、全国農業会議所専務理事・稲垣照哉氏が、令和8年度は農業委員統一改選期であり、農業委員会全体の約7割が改選を迎えることから、来年度は女性委員の登用30%の目標達成に向け絶好の機会だと言及。女性登用の取り組みでは、都道府県及び全国の農業委員会の女性組織と連携して女性委員の登用促進・資質向上に向けた活動に取り組んでいるとし、男女共同参画のために(1)家族経営協定(2)農業者年金制度の加入推進(3)女性委員の登用―の3政策を進めていくなどと語った。
 一方、JA全中常務理事・福園昭宏氏は「JAグループの女性参画に向けた取組みについて」紹介。JAは生産者を中心とした組合員が相互扶助の精神をもとに、よりよい地域社会を築くことを目的に組織された協同組合であり、自主性に基づき男女の別を問わず誰にでも開かれていると説明。JAグループの女性参画の取り組みは女性部が中心になっているとし、平成12年に初めて女性参画目標を掲げ、(1)正組合員30%以上(2)総代15%以上(3)理事等15%以上を提示。目標値達成JA数は年々増加し、今年7月末時点で150JAが(3)を達成しており、前年比4・1%増となった。また、現在は総合農協で女性組合長2名が活躍しているとし、彼女らの取り組みを紹介。その他、JA組合員大学・JA女性大学等の開催支援や、女性のJA役職員と組織メンバーの対話活動など、女性参画の取り組みをアピールした。

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