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令和7年12月15日発行 第3580号 掲載

各社の対応:米価高で市場に活気/茨城県特集

 (株)関東甲信クボタの県内全体の実績は好調に推移している。主要3機種はトラクタが若干伸び悩んでいるものの、コンバインと田植機が販売台数を増やしている。
 茨城県内で農地の大規模化が進んでおり、トラクタは60PS以上が主体。今年は大型の135PSにも動きがあったそうだ。コンバインは5~6条、田植機は8条クラスが売れている。色彩選別機、乾燥機、籾すり機といった米関連機械の需要が旺盛。品薄状態が続いており、注文を受けてもすぐには納品できないことが多いという。
 須藤喜弘第3営業部長は「モノがない状況。今用意できるものを提案していくしかない。入荷待ちの商品はあらかじめ受注を取っておき、入荷したらスムーズにお届けできるようにしていかねば」と話す。
 昨秋からの米価高騰が大きく影響している。昨年の段階では、今年の見通しがわからなかったが、米の値段が上がったことで農家がこれまで我慢してきた分、一気に設備投資するようになっている。中古よりも新型に買い替えようとする傾向が強く、増設の依頼も増えているそうだ。
 スマート農機は直進アシスト、ドローンなどが人気。農業従事者の減少、人手不足などの課題に直面する中、農作業の省力化、人件費削減の観点からスマート農機への関心が日増しに高まっている。導入に抵抗がある人が減ってきており、ハードルが下がりつつある。
営農支援システムKSASの登録者数も増えており、作業日誌や圃場マップを簡単に作成、農作業の「見える化」が実現できると県内でも好評だ。
 展示会は3月と10月に下妻市の砂沼広域公園で開き、来場者数、実績ともに目標をクリアした。会場では主要3機種やスマート農機を前面にアピールし、作業機なども豊富に並べた。来年は2月14日に鉾田市内で展示会を開催し、野菜関連商品を中心に提案していく予定だ。須藤部長は「今年は米が注目された1年だった。主要3機種ばかりに目がいきがちだが、熱心な野菜農家も多い。米だけでなく、野菜もアピールしていきたい」とねらいを語った。
 ヤンマーアグリジャパン(株)関東甲信越支社は主要3機種を中心に順調に推移しており、ここ数年、台数を落としてきた中小型クラスの動きも良い。昨秋からの米価高騰の影響で、色彩選別機や乾燥機といった乾燥調製関連機器が予想以上に好調で、来年の時期に間に合わないほどの勢いになっている。
 点検や修理などサービス事業の依頼が大きく増えている。春の田植機から秋のコンバインまで、作業が追いつかないほど多くの依頼がきている。
 関東営業部(茨城ブロック)の濱崎誠之エリアマネージャーは「購買意欲が高まっている中、まだ我々がアプローチできていないお客様もいるので、基本である訪問活動を徹底して、しっかりと提案していきたい」と力強く話した。
 トラクタは直進アシスト仕様が標準になってきた。農地の集約化が進んでいる表れであり、特に50PSクラスで台数を増やしている。大型は130PS以上のジョンディアトラクタの引き合いが増えている。年度末に向けて、トラクタを重点機種として推進していく。
 米価高騰から米の増産の流れは確実で、ヤンマーが取り組んできた「密苗」の技術を組み込んだ仕様がほぼ標準になってきた。慣行栽培とほとんど変わらない栽培方法で、規模や地域、品種に関係なく導入できるメリットは大きい。
 除草機については例年、草刈り作業が本格化する夏場の話題だったが、最近は年間を通して提案できる商材になっている。スライドモアなど各社から出ているラインアップが豊富。特にラジコン草刈機は県内各地で実演を進めており、省力・軽労化の観点からも今後さらに普及させていく。
 スマート農機が急速に普及し、各地でRTK基地局の整備が進んできたが、ヤンマーではRTK基地局の整備が必要ない独自サービス「Y―POINT・(ワイポイント)」の導入を進めている。スマート農機の導入が当たり前になりつつある今、スマート農機と合わせて提案していきたいとした。
 11月に阿見町のアグリソリューションセンター関東で開催した「ヤンマーアグリフェア2025in茨城」でもスマート農機を前面にアピールした。会場では乾田直播の講演会や直播の機械化一貫体系への関心が高く、ドリルシーダーやスリップローラーシーダーといった関連機に注目が集まっていた。
 来年3月には恒例の水戸支店展示会を開催する。「来季を占う重要なイベントになるので、お客様の規模に合った適切な提案を行い、推進に弾みをつけたい」と濱崎エリアマネージャー。
 (株)ISEKI Japan関東甲信越カンパニー茨城事務所の全体の実績は好調だ。トラクタは50PS以上が主流。2023年6月にフルモデルチェンジしたBFトラクタ「BFREX(ビレックス)」を中心に販売台数を伸ばしている。
 BFトラクタは茨城県内でも人気商品。無段変速ミッションの使いやすさや、ドイツ製サスペンションシートの乗り心地の良さなどが支持されている。田植機はマイナーチェンジしたさなえRPQシリーズ、コンバインはHFR4条に動きがあり、乾燥機、草刈機の需要も増えているという。
 茨城営業部の今井哲朗部長は「米価高騰でお客様の設備投資への意欲が高まっている。米価はこのままの状況を維持してほしいが、来年以降どうなるか」と話す。
 スマート農機は直進アシスト、自動操舵、ドローンがそれぞれ好調だ。今年3月から発売開始した水田に浮かべる自動抑草ロボット「アイガモロボ2」は来年以降の注文を受け付けており、依頼が増えている。従来機と比べて安価で軽量になり、農家にとって導入しやすく、メーカーとしても提案しやすい製品になっている。
 今年の展示会は、2月に全社合同のアグリJapanフェスタ、6月に価格改定前展示会、10月に秋の大展示即売会の計3回を阿見町で開催。多くの来場者で盛況となり、例年以上の結果で終えることができた。各展示会場には主要3機種をはじめ、スマート農機、国内作業機、輸入作業機など多種多様なラインアップをずらりと並べ、試乗体験や実演で各機種の性能をアピールした。秋の大展示即売会ではオークション会場も大いに賑わい、米価高騰で活気づく様子を見て取れた。
 今後は、人材確保・育成が課題の1つだ。様々な新製品が続々と市場に出回る中で、常に最適な提案ができるように、情報収集を欠かさず行い、製品知識の研修を強化しながらレベルアップを図っていく方針だ。
 来年以降はヰセキ製品はもちろん、関連製品などを幅広く提案。きめ細かいアフターサービスとメンテナンス、お客様への訪問強化を徹底する。
 今年はISEKI Japanとしてのスタートの1年だった。今井部長は「これまでよりも情報共有・交換が円滑に行えるようになった」と振り返り、少しずつ変化を感じているようだ。
 三菱農機販売(株)関東甲信越支社の4~9月の実績は計画比、前年比をクリアした。茨城支店の若槻誠也支店長は「昨秋からの米価高騰の影響で、今年7月以降、特に引き合いが増えた。ただ品物が少なく、供給が追いついていないのが現状。在庫が確保できていればもっと売れただろう」と振り返る。
 米価高騰の追い風を受け、主要3機種はそれぞれ好調。トラクタは40PS以上が主流だが、昨年11月に発売した新型コンパクトトラクタXSシリーズ(18・2~25PS)にも動きがある。コンバインは4条以上、田植機は6~8条が普及している。色彩選別機や乾燥機、籾すり機も販売台数を伸ばしている。
 主力商品の高速ディスクハローKUSANAGIは前年並み。HPからの実演依頼が増えているそうだ。今年8月には新型のクサナギプラス「MDH2022」を発売。県内各地での実演を通して普及を進めている。従来機の設計をベースに、作業幅の拡大に合わせてディスクの枚数を増やし、前後のディスクピッチを150ミリ拡大するなどの変更を加えた。土のかたまりを適度な大きさに剪断し、空気、土、残渣を混ぜ合わせて分解することで、従来よりも早く、強く、効率的な粗耕起作業が可能になった。
 また、有機栽培に取り組む農家には環境に優しい農業としてペースト施肥や紙マルチ田植機を勧めている。
 「米価が高い状態が続いてほしいが、米余りが出てきているところもあり、在庫がはけるかどうか心配だ」と若槻支店長。農家の中には、米価が下がったときを想定し、今ある資金で機械に投資したいと考える人も多いという。
 修理・メンテナンスは案件がどんどん入ってきており、パンク状態。人材の確保が急務だ。よりきめ細かいサービスを提供するためにもリクルートを強化して、若い人材を業界に引き込みたいとし、今後は中古事業にも力を入れ、事業の柱にしたいと考えている。
 展示会は来年1月に那珂市のダイヤプラザ那珂で開催予定。在庫が品薄の状況の中で、何をどうアピールしていくか模索している最中だ。
 クボタ製品の販売を手掛ける(株)カマリは今年創業100周年を迎えた。11月21、22の2日間、水戸市の本社で展示会を開催。会場にはトラクタや草刈機、中古機械を並べ、多くの来場者の注目を集めた。売れ筋は乾燥機や自走式モア、バッテリーツールなどで、来場者には100周年記念品を配布。小島寛之社長は「展示会は地域の皆様に感謝の気持ちを伝えることを目的に開催した」と振り返った。
 1~9月の実績は前年を超えた。草刈機や中古トラクタなどを中心に販売台数を伸ばした。草刈機は乗用、自走、牽引式など多種多様なラインアップを用意。夏場の草刈り作業の省力化の観点から需要が増えており、稲刈り後に伸びる稲穂を刈るために活用している人も。コンバインは前年並みだが、高額の機種に動きがあり、田植機は稲刈り後の受注が多いのだという。米価高騰の後押しを受け、兼業農家が耕うん爪、クローラ、オイルなどを積極的に購入するようになった。機械を費用を投じて直そうという人が増え、修理・メンテナンスが好調だ。
 茨城県は熱心な農家が多い。米はコシヒカリが主要銘柄だが、コシヒカリは夏の高温に弱く、農地が大規模化すると倒伏しやすくなり、収量を確保するのが難しくなりがちだ。高温や倒伏に強い栽培方法や品種について研究したり、乾田直播栽培に取り組むなど日々、最善の方法を探している。販売店としても最適な提案ができるようにするための情報収集が欠かせない。
 会社としての課題は人材確保・育成だ。現在の従業員は10人、そのうち整備士は5人。若い人たちに農業や農業機械に興味を持ってもらい、入社してもらえるようにリクルートを強化していく。
 販売店の仕事は農家の経営を支えること。地域の販売店として、一人ひとりの顧客に寄り添いながら、きめ細かい提案ができることが魅力の1つ。小島社長は「お客様からの需要がある限り、この事業を長く続けていきたい」と力強く語った。
 今年は、展示会の開催やスマート農機の販売、酪農機械の取り扱いなど様々なことに挑戦した年だった。これまで取り組んできた内容をビルドアップし、来年は足固めの1年にしていく。

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