農研機構がセミナー/農林水産省・アグリビジネス創出フェア開催

農林水産省主催の「アグリビジネス創出フェア2025」が11月26~28の3日間、都内有明の東京ビッグサイトで開かれた。26日の同展示会のセミナー会場にて農研機構の研究員ら計5人が「アグリビジネスは、もっと自由で、もっと持続的で、もっと面白い」をテーマにそれぞれ講演した。
はじめに農研機構の久間和生理事長が挨拶に立ち、「食のビジネスチャンスが拡大しており、農業・食品分野は伸びしろの大きな成長産業だ。このセミナーをアグリビジネスの可能性を考える場とし、課題解決や新たな技術導入の契機としてほしい」と呼びかけた。
この後、スマート農業施設供用推進プロジェクト室の根角厚司室長が「スマート農業の普及加速に向けて」と題して講演。日本の基幹的農業従事者の平均年齢は70歳で、60歳以上が80%を占める。食料生産力を維持・強化するためには1人当たりの生産量(生産面積)を増加させることが必要であり、高齢化や人口減少などにより、基幹的農業従事者がますます減少していくことが予想される中、スマート農業技術の普及やスマ農人材の育成が急務と指摘。
そこで農研機構ではスマート農業施設供用推進プロジェクト室「SAPPO(サッポ)」、スマート農業イノベーション推進会議「IPCSA(イプサ)」を設置している。▽営農アプリ▽自動走行トラクタ▽自動運転田植機▽自動水管理▽ドローンによる生育状況把握―といった先端技術を取り入れることで、生産性向上や持続的農業の実現を目指し、食料・食品の安定供給や食料安全保障につなげている。
また、育成プログラム「ファーミングシミュレータ」が普及している。ゲーミングは農業人材育成に役立ち、農業に対する理解を深めて技術を習得するためのツールとして期待が高まっていると述べた。
次に、NARO開発戦略センター成長産業化戦略グループの西村和志上級研究員が「あなたの輪作体系をデザインしよう」と題して発表。農業従事者数が減少し、担い手への農地集積がより一層進むことが予想される。担い手当たりの耕地面積の増大に対応しうる効率的な耕作方式や技術が必要。スマート農業技術、乾田直播、畑作品目の導入などが有効だ。
畑輪作と乾田直播の組み合わせの有効性について。畑作物は連作によって病害虫が発生しやすく、適切な輪作体系の構築が求められる。輪作は地力維持を目的に、異なる種類の作物を同一耕地に一定の順序で繰り返し栽培する農法。土壌環境を改善し、後作への影響を制御。持続可能な農業の原点だ。
乾田直播は水田を畑地化しやすく、畑作物を含む輪作との相性が良い。北海道の先進地域では、乾田直播と畑作物を組み合わせた乾田直播輪作体系が展開されており、生産の効率化、生産性・収益性の改善に寄与。輪作導入の意思決定を支援する「輪作経営シミュレータ」もあるなどと説明した。
この他、総括執行役兼NARO開発戦略センターの渡邊一正副センター長が「オルタナフード麹伝統と最先端がつくる新しい食の未来」、西田智子理事が「世界トップ研究機関との連携で日本農業を強く!」、NARO開発戦略センター研究管理役兼食料安全保障・環境負荷低減戦略グループの桑畠健也グループ長が「GHG削減・吸収技術をビジネスに」と題してそれぞれ講演した。









