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令和7年12月1日発行 第3578号 掲載

初冬直播き栽培研修を実施/農林総研

 既報の通り、地方独立行政法人青森県産業技術センター農林総合研究所(野沢智裕所長)は10月28日、青森県黒石市の同研究所研修室で「水稲初冬直播き栽培研修会」を開催。会場・オンライン合わせて約100人が参加した。
 農林総研作物部の木村利行研究管理員が「青森県の直播栽培の現状と初冬直播き栽培の概要」と題して講演。同部の及川聡子研究員が「青森県に適した初冬直播き栽培技術」についてスライドを示しながら発表した。この他、(株)ミウラファーム津軽(弘前市)の導入事例を紹介。三浦裕行代表取締役らが登壇して参加者からの質問に答えた。 概要は次の通り。
 青森県内では直播栽培面積が年々増加傾向にあり、特に乾田直播栽培の伸びが大きい。農林水産省の調べによると、2023年の青森県の直播栽培の面積は1917・5ヘクタール。そのうち乾田直播栽培は1468ヘクタール。2019年の乾田直播面積は885・4ヘクタールだったので、大幅に増えている。
 乾田直播は畑の状態で播種し、一定期間後に水を張る栽培技術。代かき作業と育苗作業の省力化が図れるほか、通水時期以前に圃場準備ができ、導入機械は土地利用型作物にも活用が可能だ。通水時期が遅い地域や土地利用型作物の導入を検討している経営体などは導入効果が高い。
 初冬直播き栽培は、雪が降る前の初冬期に播種作業を行う乾田直播栽培だ。春に集中する農作業を分散させることで、経営規模の拡大や生産者の作業負担を軽減させる効果が期待できる。
 また、今年のように春の雪解けの遅れや降雨が多いことによって、春作業を行うトラクタが水田に入ることができないような場面にも対応可能。
 初冬直播栽培のポイントは(1)播種した種子を越冬させ、越冬種子の生存率を高める(2)越冬種子を出芽させること。
 (1)越冬種子の生存率に関わる要因には、▽種籾の状態▽播種時期▽病原菌の影響―などがある。種籾は、当年産または前年産種子を使い、前年産種子の場合は冷蔵管理が望ましい。播種時期が早すぎると越冬前に出芽してしまう。遅すぎると播種後の低温で発芽率が低下する。融雪後の春の昇温・湿潤条件による罹病・腐敗防止のためには種子コーティング剤の利用が有効。
 (2)生存した越冬種子の出芽に関わる要因には、▽播種精度▽土壌水分の保持▽鳥害―などがあり、播種精度は土中1~2センチに播種される種子の割合を高める。深い場所に播種された種子は出芽できず枯死してしまう。
 土壌水分については乾燥による出芽不良・遅延を回避する。鳥害は、播種後、苗立ちまでの期間が長くなる。特に土壌表面に播種された種子で鳥害のリスクが高い。
 また、肥料は春の乾直よりも肥効の遅いものを選択するのがベスト。リニア型よりもシグモイド型の成績が良好。除草管理はラウンドアップマックスロードなどの非選択性茎葉処理剤の散布時期に注意。
 初冬直播き栽培に取り組むためには、乾田直播栽培の基本技術を習得している必要がある。

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