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令和7年12月1日発行 第3578号 掲載

GAPをツールに経営革新を実現/日本GAP協会がシンポジウム

 一般財団法人日本GAP協会は11月14日、都内江東区の有明セントラルタワーで、シンポジウム「GAP Japan2025 GAPと農業の未来を語ろう」を開催した(Web同時配信)。
 近年、JGAPおよびASIAGAPの食品安全・環境保全・労働安全・人権尊重の視点は、持続可能な農業の実現における重要なツールとして広く認識されるようになっており、食品事業者によるGAP認証農産物の調達拡大および生産者の認証取得増加につながっている。一方で、農家の減少や気候変動など、日本農業を取り巻く課題は少なくないことから、GAPがこれからの農業に果たすべき役割を考える機会として、同シンポジウムが企画された。
 開会に当たり、日本GAP協会代表理事専務の荻野宏氏は「食品安全、残留農薬、SDGs、地球温暖化への対策など、高度化、複雑化した課題が農家に突き付けられている。こんな時代にこそ、GAPは役に立つ。その基準作りにおいては、作る人、売る人、食べる人が、ともに社会ニーズを議論。農業の定義を時代に合わせて最適化し、農家が現場で実行可能なレベルに落とし込んでいる。今後も、GAP基準は新たな議論のもとで最適化され、農家が使える道具として輝き続ける」と挨拶し、GAPのさらなる普及拡大に期待を寄せた。
 シンポジウムは、基調講演、GAPと農業の未来に向けた新たな取り組みの紹介、パネルトーク「生産者と語る、GAPと農業の未来」、GAP Japanアワード2025の表彰式など、多彩なプログラムで進行した。
 このうち、基調講演では「日本農業のグランドデザインとGAP―新たな食料・農業・農村基本計画が描く未来―」と題し、女子栄養大学教授で農林水産省食料・農業・農村政策審議会の会長を務めた中嶋康博氏が登壇。先の基本計画を策定する立場にあった中嶋氏は、検討のポイントをあげながら策定の経緯を追った。
 食料安全保障の確保を図るうえで最大の課題は農業者の急速な減少であるとし、そのような状況下でも食料供給力を向上させるために、▽合理的な価格形成や水田政策の見直しによる生産インセンティブ▽スマート農業化や農地の集積化による生産性向上▽生産基盤の保全▽環境との調和―によって農業構造の転換を推し進めることを打ち出したと説明。
 また、基本計画を通して基本理念の関係性を考えると、「農業の持続的な発展」「環境と調和のとれた食料システムの確立」「多面的機能の発揮」が合わさり、「食料安全保障の確保」を強化し支えていくという新たな構造が見えてくるとの私見も示した。
 続いて、個々の農業経営の革新にふれ、その実現にはGAPの生産工程管理を活用することが有効であり、▽生産体系の再定義と投資▽バリューチェーンの構築▽環境対応▽気候変動適応策―がポイントになるとした。さらに、持続的な食料供給を実現するためには、食料システム全体のイノベーションが重要であると指摘。そのための取り組みとして、▽広義のフードチェーンにおけるあらゆるセクターで生産性の向上を推進▽技術を実装するためのセクター内の投資とマーチャンダイジングの推進▽イノベーションエコシステムの実現▽食料システムにおけるガバナンスの構築▽国民理解の醸成に資するため科学に支えられた食育の実現―をあげた。

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