MENU
令和7年12月1日発行 第3578号 掲載

「GROUNDBREAKERS AWARD」の予選審査会/クボタが初開催

 (株)クボタ(北尾裕一社長)は11月25日、都内千代田区の大手町プレイスホール&カンファレンスにおいて、「GROUNDBREAKERS AWARD」予選審査会を開催した(NewsPicks Brand Designとの共催)。これは「農業に、起業家精神を。」をテーマに掲げ、起業家精神を発揮して持続可能な農業に取り組む農業生産者をビジネスの視点から表彰する取り組み。次なるビジネス機会創出に貢献するとともに、農業を成長産業へ導くロールモデルとして世の中へ発信する目的で実施したもので、予選審査会では全国から寄せられた100件以上の応募の中から書類審査を通過した農業生産者10名がプレゼンテーションを実施。各地で展開している起業家精神あふれる持続可能な農業の取り組みを自身の言葉で力強く発信した。審査員は、同社取締役・渡邉大氏をはじめ、農業や経済など幅広い専門分野を持つ有識者が務め、厳正な審査を実施。1月16日に都内及びWebで開催されるGROUNDBREAKERS AWARD最終審査会に出場する5名を選出した。結果発表ならびに懇親会では、10名の農業生産者による取り組みやプレゼンを称賛し、農業の明るい未来に期待した。
 予選審査会の冒頭、あいさつしたクボタエグゼクティブオフィサー農機国内本部長の鶴田慎哉氏は、同アワードについて初めての開催であるにもかかわらず100件を超えるエントリーがあったと謝意を表明(要旨別掲)。起業家精神こそが農業の持続可能性を高める原動力ではないかと述べ、起業家精神を持つ農業経営者を応援し、その挑戦をビジネスの視点からも広く社会に届けることで、日本農業はさらに前進できると本企画を立ち上げた旨を説明した。
 続いて、オープニングセッションが行われ、斎藤潤一(一般社団法人ローカル・スタートアップ協会代表理事、AGRIST(株)代表取締役)、成田修造(連続起業家、エンジェル投資家)、山田敏詩(農業生産法人こと京都(株)代表取締役)の3氏が登壇。「農業に、起業家精神を根付かせるには?開拓者たちに聞くファーストステップ」をテーマに掲げ、農業従事者に向けて、起業家精神とは何か、農業界で起業家精神を発揮するうえでの「議題と解決策」などを議論。起業家精神の定義については「天候を相手にする農業においては、想定外のことでも柔軟に対応するレジリエンス」「自分で何かしたい、納得できるものを売り出したいという思い」「これだと思う旗を立ててありとあらゆるものを巻き込んでいく力」などが示された。
 また、明日からできる、行動が変わるファーストステップとして「こうなったらいいなと思う未来の実現方法をAIに聞き、1つ1つやる」「朝さんぽ」「できる方法・差別化を考える癖」などを提示した。
 続いて、書類審査を通過した農業生産者10名による予選プレゼンテーションが行われた。
 本表彰制度の応募資格は「起業家精神があり、持続可能な農業の実現に取り組んでいる農業生産者」。選考基準は起業家精神・新規性・経営力・社会・地域貢献・持続可能性の5項目となっている。今年9~10月に募集が行われ、100件を超す応募の中から、書類審査を見事に勝ち抜いた10名の農業生産者が予選審査会に進んだ。プレゼンテーションを実施した10名の農業生産者は次の通り(敬称略)。
 (1)嵐俊博((有)嵐農産・石川)(2)村形虹太朗((株)アグロエコロジー取締役(牛部門)・栃木)(3)山本将志郎((株)うめひかり代表・和歌山)(4)小林郁子(柴崎農園代表・群馬)(5)黒澤信彦((株)黒澤ファーム代表取締役・山形)(6)ナカヤチ美昭(野良仕事師集団(株)ちーの(農地所有適格法人)代表取締役・福島)(7)吉川幸一(イシハラフーズ(株)・農産部統括・宮崎)(8)岩崎元気(フランス国家公認醸造士・栃木)(9)木村颯((株)西濃パイロット代表取締役社長・岐阜)(10)三上智暉((有)瑞宝専務取締役、中里町自然農法研究会代表・青森)
 審査員にはオープニングセッションに登壇した斎藤氏、山田氏をはじめ、渡邉大氏(クボタ取締役)、表谷拓郎氏(農林水産省大臣官房環境バイオマス政策課課長補佐(先進的環境企画班担当))、鈴村源太郎氏(東京農業大学国際食料情報学部アグリビジネス学科教授)など7名が務め、それぞれのプレゼンテーション後に質疑やコメントをかわし、熱心に審査した。
 また、隣接するサブホールでは参加者同士が交流・コミュニケーションを行うほか、PR・展示を行うエリアとなっており、今回プレゼンテーションを実施した農業生産者らが自身の取り組みや製販している加工食品などを展示。クボタグループは熊本県産の玄米を100%使用した玄米ペーストパンをアピールし、来場者に配布していた。
 その後、クロージングセッションで田中進氏(農業法人・(株)サラダボウル代表取締役)、加藤百合子氏((株)エムスクエア・ラボ代表取締役)、太田直樹氏((株)New Stories代表)が「農家は本当に儲からないのか?産業構造から考える、農業ビジネスの打開策」をテーマにトークセッションを実施したのち、予選審査会の結果発表が行われた。
 予選に出場した10名の中から、明年1月16日に開催される最終審査会に進むファイナル通過者5名を選出。ファイナル通過者には、村形虹太朗、山本将志郎、吉川幸一、木村颯、三上智暉の5氏が選ばれた。審査員講評では、「審査は非常に悩んだ。紙一重の差で素晴らしい内容」「これだけ多様な人が多様なチャレンジをされていて、農業業界全体が明るく元気になると思えた1日だった」などのコメントが出された。審査員としてコメントしたクボタ取締役の渡邉大氏は「どのプレゼンも甲乙つけがたいものだった。クボタのスローガンとして農業を支える人を支えるがあり、引き続き皆さんの活動を応援していきたい」などと語った。
 その後、懇親会が行われ、山田敏詩氏が乾杯の音頭を行い、プレゼンテーションを行った農業生産者をはじめ、クボタ関係者や来場者などが活発に懇談。予選に出場した農業生産者同士でのネットワークも育まれ、しきりに情報交換が行われていた。
 中締めの挨拶をした渡邉氏は「本日のイベントを通じて、日本の農業がさらに元気になるということを皆さんと一緒になし遂げていきたい」と述べた(要旨別掲)。今後の日本農業を支えるということで参加者全員で掛け声を唱和し、心を1つに合わせた。

カテゴリー別最新ニュース