道内農作物の作況:稲作、豆、ビートが良/北海道特集

農林水産省が発表した9月25日現在における、全国の令和7年産水稲の作付面積と予想収穫量によると、令和7年産主食用米収穫量は、56万トンの増加(ふるい目1・70ミリベース)という当初予想を上回り、前年に比べ63万4000トンの増加(生産者が使用しているふるい目幅ベース1・85ミリ、1・90ミリベース)。予想収穫量は平成29年以来最高の見込みとなった。作付面積は前年比109%増の136万7000ヘクタールで10万8000ヘクタール増。10アール当たり予想収穫量は101%の524キロ、主食用予想収穫量は715万3000トンで、前年比110%で63万4000トン増の見込みだ。
北海道では、作付面積が9万400ヘクタールで、前年比108%の6700ヘクタール増。10アール当たりの予想収量は6月上旬までの日照不足により全もみ数がやや少なかったことなどから、前年比98%の550キロ(前年に比べ12キロ減)と見込まれた。
また、主食用米の1等米比率は9月末時点で全国平均77・0%に対して、北海道は91・3%と全国を牽引する高水準の予想だった。平均収量はやや落ちたものの、1等米比率は高く、また、主食用米の作付け拡大により、全体収量は増加している。
ホクレンが示している2025年産米の概算金(1等60キロ)は、「ななつぼし」2万9000円(前年比1万2500円増)、「ゆめぴりか」3万円(1万2500円増)、「きらら397」2万8500円(1万2500円増)と昨年から上昇。そのため、道内の水稲農家は総じて昨年よりもさらに収入が増えたとみられ、機械投資も旺盛と思われる。そのため、今回の取材の中でも、現地販社などからは稲作農家からの機械の更新や増車、整備の増加が多く聞かれた。
畑作において、まず小麦は、農林水産省の発表(8月31日現在)の速報値で、春まき小麦で1等比率60・2%、2等比率31・7%。秋まき小麦で94・5%と0・8%。合計で1等比率92・3%と2等比率2・6%となった。北海道農政局の発表によると、生育は気温が高く日照時間が多かったため、平年より早く進み、収穫作業も平年より平均で5日ほど早く終了した。地域によって多少のばらつきはあるものの、平年並みかやや上回る収量が期待されている。
現地の声としては「地域によるが、高温や干ばつの影響で実が入っていない」、「収量は平年並みだが、品質があまり良くない」、「小麦はまあまあだった」などの声が聞かれた。やはり地域差や品種で多少明暗が分かれた感はあったものの、それほど悪くはなかったような印象である。令和6年の北海道における小麦の収量は平年並みだったが、今年も平年並みといったところだろう。
次に、バレイショは春時期の長雨で播種の遅れから始まり、7月の高温や干ばつ、さらには8月の大雨などで、生育不良でイモが小玉傾向になったり、変形が出たりと歩留まりが悪かった。収穫時期に台風や長雨で作業が遅延した地域もあった。北海道農政局の発表では、収穫作業は平年並みに終了しているものの、見通しとしては最も厳しいのではないかと感じられた。
豆類については、道立総合研究機構発表の各農業試験場圃場の生育調査ではあるが、大豆は中央、上川、十勝、北見でいずれも良。小豆は中央でやや良、十勝と北見で不良、北見で良で、平均ではやや不良となった。干ばつや高温の影響はあったものの、大豆は総じて豊作の様相。小豆は、生育状況としては8月下旬~9月上旬の高温少雨の影響で成熟は平年より早かったが、着莢数や一莢内粒数が平年を下回ったものと見られる。北海道農政局の生育状況によれば、収穫作業は大豆で7日、小豆で6日早く、降雨の影響で作業が遅れた地域もみられた。
ビートは、道農政局の10月15日時点での生育状況では、移植、直播ともに平年並みに進み、収穫作業は移植で平年並み、直播で平年よりやや早く進んでいる。現地の声としては、やや小ぶり傾向の地域もあるようだが、10月下旬に気温が下がって糖度が乗り、収穫後半の品質は申し分ないよう。昨年に引き続いて、比較的に良いできであったようだ。
畜産・酪農については、2025年7月までに全国の酪農業の倒産が10件と年間最多だった昨年を抜いており、厳しい状況が続いているが、北海道に関しては倒産件数は0件。生産資材の価格高騰などを受け、乳価は上昇傾向が続いているものの、生産コストが経営を圧迫し、収益確保は容易ではない。また、温暖化の影響で、暑さに弱い乳牛は、飼料摂取量の低下や乳量減少、繁殖機能の低下などの問題が出てきている。そのため、牛舎内の送風設備投資などの高温対策も必要不可欠なものとなってきている。
実際に2025年7月の北海道の月平均気温は平年より4・8度Cも高くなり、1946年の統計開始以来最も暑くなった。今夏の猛暑日も計12日にのぼり、昨年の5日から倍増。北見市や帯広市では40度Cに迫る暑さを記録した。酪農・畜産のみならず、北海道においても高温対策からは逃れらない状況となってきている。









