10月から全10回のスマート農業オンライン研修を実施/北海道大学スマート農業教育拠点

北海道大学スマート農業教育拠点は10月から来年1月まで、全10回のスマート農業オンライン研修を実施している。農林水産省令和7年度スマート農業教育推進委託事業で開催しているもの。10月28日には、第2回目として、農研機構本部みどり戦略・スマート農業推進室の豊島真吾氏による講演が行われた。豊島氏は「みどりの食料システム戦略に貢献できるスマート農業技術」をテーマに、同室が取り組んでいるみどり戦略におけるスマート農業のこれまでの成果や、収集したデータから読み取れる現場での有用性等を説明した。
今回は主に令和元年から6年度まで実施していた「スマート農業実証プロジェクト」について言及。5年にわたり募集した各テーマごとのプロジェクトの成果について紹介した。
豊島氏は、総括的に、スマート農業導入のメリットはやはり労働時間が削減できることや、精神的・肉体的負荷の低減、女性や若者の参加に寄与するといった点が主にあげられると話した。
その上で、具体的な事例も紹介。(1)自動運転トラクタ(自動操舵装置付き)の場合では、平均32%作業時間が短縮された。またそれに付随して身体的・精神的負担の軽減、経験の浅い農業従事者の参加しやすさが増す等のメリットがあると結論付けた。
(2)自動水管理システムでは、田植えの水管理が作業時間を実に80%軽減。センサーの設置だけでも40%の軽減につながるとのこと。圧倒的な効率化をもたらすとした。(3)ドローン農薬散布は13%とほかのものと比べると若干ではあるが、確かに作業時間短縮に寄与するとも。
また、トラクタについてさらに言及し、自動操舵付き直進アシスト装置は効果としてまっすぐで等間隔な畝立てや播種が未熟練者でも簡単に行える。これは「後付けできるGPS」を使う安価なトラクタの自動操舵装置でも十分有効と指摘。
導入の留意点としては、それほどの誤差はないものの、天候の条件により走行精度が変わる可能性があり、販売価格も初期費用40万円ほどだが、値段が日々変動しており、検討時にはより適正な値を想定する必要があると語った。
さらに豊島氏は、環境負荷低減が期待できそうなスマート農業技術に関してもふれた。みどり戦略のKPIごとの主な戦略として、温室効果削減では、中干し期間の延長、乾田直播、自動運転田植機、トラクタ、草刈機などに負荷低減効果が見込める。化学農薬削減については、病害虫診断アプリなどの技術を紹介。化学肥料削減については、AI土壌水、見える化アプリ、精密施肥、局所施肥等もあげている。有機農業関係では、高能率除草機などに言及した。
最後にまとめとして、「スマート農業実証事業は、環境負荷低減を目的とした事業ではないが、環境負荷低減効果を評価されたものも複数あった。可変施肥やドローンなどで農薬削減、燃料費削減、CO2削減なども可能になることが示せた」と締めくくった。









