「にいがた夢農業2025」受注増で熱気あふれる/新潟クボタ

(株)新潟クボタ(吉田丈夫社長・新潟県新潟市中央区鳥屋野331)は、12、13の2日間、新潟市産業振興センターで「にいがた夢農業2025」を開催した。来場目標を1400名に設定し、初日だけで900名を数え、朝から熱気に包まれた。会期中の実績目標を11月単月の70%に定めたが、これも達成の勢い。受注の増加と物不足から予定していた実演を取りやめるほどの盛況ぶりで、今後の反動や、何もせずとも売れてしまう現状に危機感を抱きながらも、各担当者は現場対応に追われた。
今回の展示会では「増産に向けた転換期の今こそ考える!~安定した農業経営について~」をコンセプトに掲げ、アグリロボや自動操舵をはじめとしたスマート農業関連製品コーナーや、近年徐々に広がりをみせる直播栽培体系技術のコーナーなどとともに、様々な省力化機械をはじめニーズの高い製品を中心に展示した。今回の直播栽培コーナーは、トラクタと作業機を組み合わせ、色の違うカーペットごとに作業体系を分けて展示し、カーペットの上を歩いてもらうことで各体系が見られるように工夫した。また、傾斜地や凹凸のある路面でも荷台を水平に保ったまま走行できる全地形型プラットフォーム車両「KATR(キャトル)」を参考出品。これは不整地でも荷台を傾けることなく最大240キロの積載物を運搬できる製品。これまでになかった中山間地向け製品で、市場投入が待たれるところだ。
講演も充実させ、山形県の(株)おしの農場・押野日菜子氏、寧々氏による「スマート農業とともに切り拓く!~地域の持続可能な農業~」や、新潟県農林水産部農産園芸部の瀧澤明洋参事による「気候変動リスクに対応した新潟米の安定生産~極早生新品種『新潟135号』~」、佐々木公認会計士事務所の税理士公認会計士である佐々木泰隆氏による「設備投資とあわせて考える特別償却のポイントと減価償却の基礎」、(株)クボタ機械統括本部の別所智博顧問による「水田農業をめぐる農政の動き(振り返りと改革の論点)」、同社担い手戦略室の渡辺広治技術顧問による「水稲乾田直播栽培(乾直)に挑戦!~現場に学ぶ安定化へのポイント~」、同社同室の牛腸眞吾技術顧問、同西川明里氏による「気候変動に強い土づくり・米づくり」の6講演を行った。
12日に行われた新潟135号の講演と併せて試食会も実施した。新潟135号は暑さに強く食味も良い、8月中に収穫できる新潟の新しい極早生品種。7月の記録的猛暑にも耐える高温耐性を持つ。見た目は大粒、味は「こしいぶき」のようだといわれ、県内農家が期待する新品種である。試食会は、コーポレート本部事業統括部の権瓶ひろ子部長が、今年の春の新品種の報道を目にした段階で、今回の展示会を見据えて企画したもの。新潟県との連携協定に基づき、県産米新品種をいち早くPRする形となった。11月下旬に新品種のブランド名が決定され、令和8年から県内で栽培が開始される予定だ。
新潟135号を試食した加茂市で稲作15ヘクタールを営農する70代男性と30代女性の親子は「新之助みたいな感じで美味しい」と感想を述べた。また、今年の米のでき具合を尋ねると「平年並み。値段が良いからお金はいっぱい入った。フォークリフトを買った。更新は一通り済んでいるので、しばらく購入予定はない」と述べた。
長岡市で20ヘクタールを栽培する稲作専業の50代農家は「昨年の米価の高騰で今年の春にトラクタを更新した。収量は昨年より若干振るわなかったが、ほぼ一等米。米価がさらに上がったので収入は増えた。これ以上の規模拡大はしない予定だが、省力化のため昨年から湛水直播を取り入れている。育苗の手間がないのは楽。昨年今年とできが悪くなかったので、今後も続けていく」と話した。
(有)八子機械店の八子建悟社長は「こんなに売れて物がないのは初めてだ。大小にかかわらず需要が多く、今年は特にすごい。やる気のある農家は1000万、2000万でも買ってくれる」と今年の状況に驚きつつ、喜びをみせた。
取材に応じた吉田社長は「物が不足していて受注が多く、今回の実演を取りやめた。9月末時点で昨年1年間の売上げをほぼ達成し、現時点で過去最高を更新している。あらゆる物が売れているような状況。今後、どれだけ受注を作って来年につなげられるかが課題。一方で、これまで成果の出ない中でも、コツコツとスマート農機などの実演を重ねてきた結果、米価上昇という好条件がたまたま重なって、これだけ爆発しているということを社員の皆さんにはわかっていてほしいと思っている」などと述べた。









