各社の対応:米、イモ関連機が好調/鹿児島県特集

(株)南九州沖縄クボタ(冨田泰史社長/鹿児島県下22拠点・169人)の2024年の実績は前年比微減となった。これについて鳥越浩二営業本部長は、昨年に引き続き資材価格の高騰などの要因で、畜産関連の売上げが減少したことが主な要因だとした。また、飼料用米を生産する顧客が多いため、米価上昇に伴う売上げ増加は、さほどなかったという。
24年の主要機の動向は、トラクタは20~40馬力の中型が売上げの6割以上を占めた。60馬力以上の大型は減少。田植機は4条植えが主流。6~8条ではGS田植機の売上げが6割以上となった。コンバインは2、3条刈が主流。4~6条は実演を強化して伸長した。また、ラジコン草刈機は実演依頼が増加し、今後の販売につながる見込みが増えた。
25年は、1~3月に拠点別展示会や実演会を開催し、見込み客に対して田植機の個別実演を強化。また、担い手への提案にも力を入れ、それらが奏功し、田植機の実績は前年比150%を達成した。その後、価格改定の7月に向けて駆け込み需要に対応。9月までは前年比105%で推移した。今後の推進は、操作性や性能などが向上した新仕様「GS3」トラクタに、スライドモアやショートディスクといった作業機をセットし実演を行う。
また、セールススタッフに対する研修を行い、前年を上回る実績を上げているそうだ。研修の効果について同本部長は「製品の知識だけでなくアピールポイントや自社の優位性などが明確になるので、販売につながっているのでは」と説明した。
イベントの動向は、宮崎県と合同実演会を都城市で11月に開催予定。ダイコン、ニンジン、サツマイモの一貫体系の実演や、乾田直播技術の提案などが中心となる。
農機アフターサービスの動向は、顧客に対して繁忙期前にDMを発送し、整備点検を呼びかけている。田植機、コンバインなどの主要機だけでなく、野菜収穫機や畜産関連の作業機などにも範囲を広げ、整備受注増加をねらう。
今年はサービススタッフの熱中症対策として、屋根の遮熱塗装を行い、好評だったという。また、全スタッフに対して年休を10日間増やし、働きやすい環境作りにも取り組んでいる。
(株)ミズホ商会(田中丈尋社長/大隅エリア9拠点・35人)の24年度の実績は、前年比微減となった。田中社長によれば、子牛の価格下落が影響して畜産関連は低迷が続く。その一方で、米価上昇で稲作関連、またサツマイモは基腐病が少なくなり単価も向上し、それらの生産者のムードは良好だ。その他にも離農、規模拡大と、「お客様によって両極端な状況」だったという。
主要機の動向は、畜産関連や離農の影響でトラクタと作業機の売上げは減少した。
25年度は米価上昇に伴い田植機が伸長した。それまでは4条植えが主流だったが、6条が売上げを伸ばした。そして4条刈コンバイン、またサツマイモ収穫機なども好調。クボタ製品の7月の価格改定に向け、3、6月に拠点別展示会を実施して駆け込み需要に対応し、30~60馬力トラクタも伸長。前年比増の実績で前半戦を終えた。一方、子牛価格は上昇傾向だが、顧客の購買意欲は戻らず。同社長は「24年は畜産農家の経営が立ち行かなくなるほどの打撃だったので、様子見となるお客様の気持ちは理解できる」と思いを寄せた。
今年後半の推進機種はハスクバーナ・ゼノアのロボット芝刈機。既に多くの引き合いがあるという。また、GSトラクタの受注が少ないので、農閑期に向けて作業機をセットして実演を強化する。同社長は「小規模農家の減少は著しいので、訪問をしっかりと行い、製品を購入していただけるお客様との関係を大切にする」と今後の方針を語った。
農機アフターサービスの動向は、技術料の見直しを実施し、実績は前年比増となった。
ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)南九州営業部・鹿児島エリアの24年度の実績は、前年並みで推移した。中附(なかつけ)広幸エリアマネージャーによれば、23年の子牛価格の下落の影響で、顧客の購買意欲は戻らず。一方、水稲は米価上昇により顧客のムードが良く、また、サツマイモなど野菜の価格が堅調だったことも追い風に、顧客への訪問を強化し、地域別、作物別の個別実演に注力した。
主要機の動向は、トラクタは直進アシスト仕様を含め50~80馬力が中心。田植機は6条植えが主流。コンバインは3~6条刈の高馬力が主流。作業機は、ディスクティラー「DTM」シリーズや、ディスクロータリー「YDP」シリーズなどが伸長した。草刈機関連ではスライドモアが堅調で、ラジコン草刈機も引き合いが増加した。
25年度は4月の価格改定を前に、引き続き顧客訪問に注力した。子牛価格は上昇したものの畜産関連では苦戦が続く一方、それ以外の個別実演を中心に販促を続け、9月まで順調に推移した。年度後半は直進アシストトラクタに作業機をセットし個別実演を強化。米価上昇を受け、コンバインや田植機、自動操舵システムなどの販促にも力を入れる。また、各拠点でそれぞれの地域に最適な機種を選び、推進する活動も平行して行っている。
農機のアフターサービスの動向は、整備料金の改定を実施。後半は稲刈り後のコンバインの点検整備を推進。技術社員に対しては、定期的なOJT研修や事故防止のための事例共有などに取り組んでいる。
(株)ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷清社長)南部営業部・鹿児島事務所(21拠点・114人)の24年度の実績は、前年比微増となった。石田伊宣副部長によれば、同年度4月の価格改定に向け、展示会「初春感謝市in九州」を2月、グランメッセ熊本で開催した。九州カンパニー全体の展示会としては約20年ぶりとなり、最新のスマート農機や巨大な作業機などを展示。多くの顧客が訪れ、駆け込み需要に対応した。また、自動操舵システム「CHCNAV」シリーズを購入した顧客に対し、27年3月まで、位置情報補正データサービスの無料提供を開始した。後半は、これらの施策や米価上昇を追い風に、稲作関連機を推進した。
その結果、主要機の動向はコンバインが牽引。3条刈「HFC」、4条「HFR」、5条「FM」、6条「HJ」など幅広い機種が伸長。一方で、トラクタと田植機は減少した。周辺機は、乾燥機や保冷庫など、こちらも稲作関連機が伸長した。
25年度、展示会「初春感謝市in九州」を、2月にグランメッセ熊本で再び開催した。井関農機創立100周年を記念し、昨年と今年の2回連続で行われ、今回も多くの顧客で賑わった。4~6月にかけ、7月の価格改定に向けて拠点別商談会を開催。駆け込み需要を取り込み、上期の実績は前年比大幅増となった。米価の上昇は続き、顧客の良好なムードも継続しているといい、価格改定後も稲作機械中心に実績は堅調。後半の推進は、主要機のトラクタ、コンバイン、田植機やレベリングシステム「CHCNAV IC100」にスターやタカキタのリヤグレーダー組み合わせた均平実演の強化。
また、乾田直播の提案にも力を入れている。九州カンパニーでは14拠点で実証を行い、成功した地域のデータを分析しノウハウを蓄積、営業活動に活かしているという。 今後のイベントの動向は、11月に「秋の感謝祭」と銘打った合同展示会を実施する予定。
農機のアフターサービスの動向は、オイルや爪の交換キャンペーンを呼び水に、事前点検を推進している。スタッフへの熱中症対策として、スポットクーラーの導入や空調服の補助を実施。また、各拠点のスタッフ増員にも取り組んでいる。
三菱農機販売(株)九州支社(松尾秀二支社長)鹿児島支店の24年度の実績は、前年比微減で推移。農業資機材の価格高騰などが主な要因だとした。また、畜産関連で子牛価格は上昇傾向にあるものの、近年の動向から、顧客は慎重だったという。 主要機の動向は、トラクタは前年比横ばい。同年度発売の18~25馬力「X(クロス)S」シリーズや50馬力以上の「GA」「GV」シリーズが伸長した。田植機も前年比横ばい。4、5条植えが主流で、新製品「XPS6/8」が伸長した。コンバインは前年比微減で、3、4条刈が主流だった。その他、ディスクハロー「KUSANAGI/MDH1820」は前年比横ばいの台数を維持した。
25年度4月から、業務の効率化を目的とし、南九州支店(宮崎県・鹿児島県・沖縄県)として組織改正を実施した。
今年度の推進機種は、60~105馬力トラクタ対応の新製品ディスクハロー「KUSANAGI Plus MDH2022」。実演を強化して販路拡大を図る。また、農業用倉庫「ガルックスガレージ」(旧・ダイヤハウス)は、オーダーメイドを強みに販促する。 その他、紙マルチ田植機「LKE60AD」は、24年度の実演が好評で、今春の導入につながった。これについて南九州支店を担当する高崎伸二支店長は、「有機農業の振興に取り組む行政機関は多く、今後は実証圃場などの依頼にも対応していきたい」と期待を寄せた。
農機サービスの動向は、「安心点検ダイヤパック・ミニパック」を顧客に浸透させ、計画的な点検作業を推進。繁忙期の故障を防ぐ顧客サポートとして力を入れている。また、サービススタッフの育成にも取り組み、各個人のレベルに合った階層別研修を実施している。









