飼料用米、WCSの安定生産を/水田政策の課題

飼料用米など国産自給飼料の作付面積が急減し、畜産農家に深刻な影響を及ぼしている。令和7年産の飼料用米作付面積は4・6万ヘクタールとなり、令和6年産の9・9万ヘクタールから5・3万ヘクタール減少。収穫量も52・3万トンから24・8万トンに減少する見込みだ。米価の値上がりから転作作物から主食用米に作付転換する動きが加速化し、飼料用米等の生産が減少しており、日本の米育ちなどを謳いブランド化している豚や鶏卵などの品質低下も懸念されている。輸入飼料が高騰する中、飼料用米や自給飼料の増産は喫緊の課題となっている。鈴木憲和農林水産大臣は会見で、飼料用米、稲ホールクロップサイレージ(WCS)について「安定生産をもう一度確保していくことが水田政策の大切な柱である」と述べ、対策に意欲を示した。
飼料用米の作付面積は、令和3年産11・6万トン、4年産14・2万トン、5年産13・4万トンと10万トンを上回る水準で推移してきたが、6年産に9・9万トン、さらに7年産は4・9万トンと急激に減少した。WCS用稲については、3年産4・4万トン、4年産4・8万トン、5年産5・3万トン、6年産5・6万トンと増加傾向で推移してきたものの、7年産は5・0万トンに減少している。
飼料用米については、食料・農業・農村政策審議会食糧部会でも発言があり「飼料用米が今回大分主食用米の方に切り替わったと聞いている。畜産事業者にどういう影響があるのか把握していただきたい」「水田というインフラをどういうふうに残して活用していくのかということは検討すべきで、輸出ということもあると思うが、飼料用米も水田の維持という観点から改めて考えてみる必要もあるのではないか」と、水田活用の意義が指摘された。
農林水産省は、令和9年度からの水田政策の見直しを進めているが、8年度予算概算要求では、水田活用の直接支払交付金等に2960億円を要求し、麦、大豆、米粉用米等の戦略作物の本作化とともに、地域の特色を活かした魅力的な産地づくり、産地と実需者との連携に基づいた生産性向上等の取り組み、畑地化による高収益作物等の定着等を支援する。このうち飼料用米、米粉用米は収量に応じ、10アール当たり5・5万円から10・5万円(飼料用米の一般品種について、令和8年度は標準単価6・5万円とする)、WCS用稲は10アール当たり8万円の戦略作物助成金が交付される。
産地交付金では、「水田収益力強化ビジョン」に基づく、地域の特色を活かした魅力的な産地づくりを支援。都道府県連携型助成は、都道府県が転換作物を生産する農業者を独自に支援する場合に、農業者ごとの前年度からの転換拡大面積に応じて、都道府県の支援単価と同額(上限:0・5万円)で国が追加的に支援する仕組み。
鈴木農相は、先の定例会見で、飼料用米に言及。「令和7年産の飼料用米の作付面積が、主食用米の価格高騰の影響により、前年産から5・3万ヘクタール減少した。大変大きいもので、飼料用米を利用してブランド化等に取り組んできた畜産農家からは、正直これは安定性がないというような不安の声を、私のところにもたくさん直接いただいている」と現状認識を述べた上で「令和8年度予算において、飼料用米を含めて、各品目を安心して生産いただけるよう、水田活用の直接支払交付金と関連予算について、その推進に必要な額を要求している。また、産地交付金等を活用して支援を上乗せしている地域もあるというふうに承知をしている。農林水産省としては、十分な予算を確保するとともに産地交付金の活用も促しながら、戦略作物の安定生産を支援していきたい」とし、「飼料用米もそうだが、酪農家にとってみれば稲WCSの取り組みも行ってきたわけだが、この1年間の米価の高騰によって、やっぱり主食の方がいいじゃないかということで戻ってしまって、様々な課題が生じているというのは十分認識をしている。そういった皆さんに安定性(生産)をもう一度確保していくということ。それが水田政策の大切な柱であると考えている」と、飼料用米などの立て直しを図りたい考えを示した。









