日本芝草学会の近況:熊本で秋季大会開催/芝管理・緑化資機材特集

日本芝草学会(赤嶺光会長・琉球大学教授)は、10月24日の現地見学会を皮切りに、熊本県上益城郡益城町の東海大学阿蘇くまもと臨空キャンパスを主会場に3日間の日程で2025年度秋季大会を開催した。今回の熊本秋季大会は、春季大会が7月軽井沢で開かれた「ITRC2025(国際芝草研究会議)」によって行われなかったことから、ゴルフ場、校庭緑化の部会をはじめ、シンポジウムの他、口頭発表を実施した。
初日の現地見学会は、芝生地とゴルフ場の2つのコースを用意。芝生地現地見学会は、芝草の生産現場をはじめ、スポーツ施設と旧東海大学阿蘇校舎(現:熊本震災ミュージアムKIOKU)を視察。現地での芝生の利活用のあり方を共有した。
ゴルフ場の現地見学会は、熊本空港カントリークラブを会場に開催した。同クラブは、1986年に日本アマ、1989年に三菱ギャラントーナメント、そして1996年より女子プロトーナメントを開催しているチャンピオンコースとして知られる。
当日は、グリーンキーパーの島田裕司氏の話題提供「コース管理の状況説明」を受けて質疑応答し、技術的なテーマ、取り組みを掘り下げた。
また、2日目は、午前中のゴルフ場、校庭緑化の両部会の開催に続いて、午後はITRC2025報告と「これからの芝草研究を考えるVol.2―芝草研究と芝草産業の連携―」をテーマにシンポジウム。終日、資材展示と資材実演も行われた。
そして3日目が口頭発表、資材展示・資材実演、ランチョンセミナーを実施、これからの芝草研究のあり方や今後の方向性などを共有した。
シンポジウムでは、「Zoysia matrellaの標準和名変更について」をはじめ、「Zoysia属種の利用と現状~ITRC2025~について」、「高麗グリーン(Z.matrella)の可能性について」、「熊本市電『市電緑のじゅうたん』の取り組みについて」の話題が提供された。
また、同学会の活動で今年度注目されるのは、学会の検討組織として設置した「公園等芝生管理ガイドライン作成委員会」(外木秀明委員長)が2024年6月の発足以来、協議してきた内容を報告という形でとりまとめて、示したことだ。
同ガイドラインの作成委員長を務めた外木秀明氏((株)ハイポネックスジャパン・ITRC2025実行委員長)によると、あらゆる分野の国内芝生地を俯瞰し、現状の調査を進めた結果、とりわけ公園芝生地の芝生地管理は不十分で、特に芝刈り回数、施肥、薬剤散布など、現代の芝草管理にそぐわないことが分かったという。
そこで、2023年5月から国土交通省公園緑地・景観課担当者などと意見交換や公園芝生管理の実態調査を兼ねた現地ヒアリングを開始。合計4回の国土交通省担当者との面談を重ねた結果、学会として、指針あるいはガイドラインを作成することが有効と考えて、専門委員会を立ち上げ、このほど協議結果をとりまとめたもの。
活動の具体的な目標として(1)公園の芝生管理に必要な情報提供を行うこと(2)利用者が最大限有意義に芝生地を利用できることを掲げて、公園芝生地の管理水準のグループ分け、管理機械の使用基準などをとりまとめ、示している。
基本管理項目としては、重点事項はすべての管理レベルに共通、とした上で、芝刈りは規定回数は必ず行うことと、裸地を作らないこと、出来たら直ちに補修することを要請。別表の通り、▽管理レベル▽刈込回数▽刈かすの集草・搬出▽施肥▽雑草処理▽散水▽殺菌剤・殺虫剤散布について示している。









