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令和7年11月3日発行 第3574号 掲載

各社の動き:下期も伸び見込む/山口県特集

 (株)中四国クボタ(江草徹社長)の山口営業部は、2025年1~9月の販売状況について、前年同時期と比べ、トラクタおよび田植機は増、コンバインは減で推移した(台数ベース)。トラクタは20馬力前後(NB17~23、SL280)のクラスが活発な荷動きをみせており、大規模農家では60~70馬力(MR600H~700H)の導入が進んでいる。
 田植機は4条植えが主流だが、今年は5条植えクラスの販売が多かった。山口営業部長の玉井啓介氏は「コンバインは9月まで減だったものの、10月以降から盛り返すとみる。特に『ER448N Limited(4条刈)』がその性能と価格の両面において非常に好評を博している」と話す。
 本機(トラ、コン、田)以外では草刈り関連製品が堅調な売れ行きをみせ、籾すり機のほか、色彩選別機が売れに売れて、現在はモノがない状況という。
 同社管内でも乾田直播を試みる生産者が出ている。山口第2ブロック長の中谷和博氏は「作業機メーカーさんが生産者に2~3年かけて実演し、やっと乾田直播を実現した事例がある。しかし全ての米づくりに乾田直播は現時点で難しいでしょう」と話す。
 点検・修理のアフターサービス面については、萩市による「がんばろう萩!農業省エネ対策事業」を江崎、萩の営業所管内にある顧客に提案。農機の点検、修理、部品交換などの経費を少しでも減らす動きをしている。農機業界では的確かつ迅速な農機整備の要望が年々高まっており、経費のかかる整備工賃を多少でも負担する萩市の同事業は注目に値する。
 イベント面では、11~12月にかけてブロック単位でスマート農機を前面に出したイベントを開催する。11月13~14の両日に鹿野ふれあい広場(周南市鹿野)にて開催する「アグリアシストフェスタin鹿野」では、本機のおすすめラインアップを同社のHPにて公開しており、詳細を動画とともに確認できる。同フェスタを今期の山場と位置づけ、クボタ製品を拡販する構えだ。
 ヤンマーアグリジャパン(株)中四国支社(上原茂樹支社長)山口ブロックの管内では、2025年産米の概算金の高まりもあり、全体的な農家層で農機投資への機運が上がりつつある。一方、中・小規模農家にとっては「やっと生産経費に見合う米の価格に近づいてきた」というのが正直な感覚のようだ。
 そんな中、2025年4~9月のトラクタ、田植機、コンバインの販売状況は、前年同時期に比べて順調に推移し、特に田植機、コンバインが良かった(台数ベース)。金額ベースでも3機種ともに伸ばした。
 トラクタは25馬力を中心に大型は70馬力など、幅広い馬力帯での荷動きがある。なかでも新製品「YT225A.L(25馬力)」が県のボリュームゾーンと高級感のあるデザイン性が相まって「おかげさまで非常に好評です」と県を統括する阿部薫マネージャーは話す。
 田植機は「YR4J」など4条植えが中心で、大規模農家では6条植え、そして最近は枕地を1行程で仕上げる8条植えの田植機も活発な荷動きがあるという。
 大規模農家が使うコンバインは6条刈が主流になっており、「YH6135」の売れ行きが好調である。田植機でいうと密苗仕様のほか、管内では乾田直播による米の生産も実験的に進んでいる。
 防府支店の弘中幸孝支店長は「防府市内の瀬戸内海沿いの干拓地で2軒、飼料米の乾田直播を実施している。これは雑草との戦いで、管理機・ブームスプレヤーなどによる適切な除草管理が肝となる。現在も実証中だが、なかなか難しい」と苦笑する。
 今期の見通しについては「私の肌感覚ですが、例年に比べて下期の引き合いは好調だと思う。従って販売状況は上向くと予測する。今しっかり汗を流せば、下期、そして来期につながる、そんな想いで上期を終え、ワクワク感で下期を迎える感じだ」とし、「省力、省エネ、軽労化、収益向上につながる農業機械、スマート農機の提案はもちろん、お客様の資金計画に沿ったファイナンスプランも充実させている。営農についてどんどんご相談頂きたい」と力を込める。
 (株)ISEKI Japan 中四国カンパニー(曽我部智社長)は、今年7月の製品価格の改定を睨み、6月までに改定前の営業活動に邁進した。これにより6月は台数・金額ベースともに伸ばした。山口営業部の河内一昭部長は「管内の状況をみると、5年前と比べて農家戸数は約3割減った。一方、耕作面積はさほど減らず、大規模農家が増えつつある状況です」と話す。
 そんな中、2025年1~9月の販売状況は前年同時期に比べて、トラクタは増、田植機およびコンバインは横ばいだった(台数ベース)。トラクタは「RESPA5シリーズ」のうち、RTS255(25馬力)の売れ行きが好調だった。同社管内では35馬力以下がボリュームゾーンで、大規模農家は50~60馬力の使用が多い。
 田植機は「RPQ5シリーズ」のRPQ45(4条植え)、RPQ55(5条植え)の荷動きが活発だった。コンバインは小型3条刈より下のクラスが主流で、同社では「HVZシリーズ」の2~3条刈に人気がある。
 トラ・コン・田以外では草刈り関連製品の荷動きもよかった。特にフレールモアのほか、ISEKIアグリの歩行型モアや、EGОのバッテリー商品のひとつである刈払機「BCX4500」などが好評を博している。
 河内部長は「数年前からバッテリー式の草刈機の需要は高まっている。今夏からイベントなどで前述の刈払機の展示を始めたところ、非常に注目を集めた。YоuTubeでも紹介されています。昨今の酷暑のなか、早朝や深夜での作業時にもエンジン式に比べて作業音は静かで、ご年配の方や女性でも使いやすい」と同品の手応えを話す。
 企画しているイベントは、11月13~15日にアクトビレッジおの(山口県宇部市)にて「ISEKI100周年 感謝祭」を開催し、3日間で約1300人の来場を見込む。下期の見通しについて河内部長は「トラクタは伸びると考える。これは離農しても畑の管理のためにトラクタを導入する方もいるため。このようなお客様も見込む。田植機とコンバインの売上げは昨年並みかと予測する」とした。
 三菱農機販売(株)西日本支社(長島史治支社長)の山口県管内では離農や高齢化が著しく進んでいる状況である。
 米価の高止まりといっても一部の大規模農家が多少の恩恵を受け、小・中規模農家は農機の更新が引き続き難しい状況にある。「米価が高くなったと喜ぶ声もある。しかし我々にとってはようやくまともな米価になったという感覚」と話す小・中規模農家も多いようだ。
 西中国支店の都田力也支店長は「本機(トラ、コン、田)の更新の動きはやや鈍いが、小・中規模農家の方々は小物商材を例年以上に買われている。この動きをみると確かに米価の影響も少なからずあると思う」と話す。
 そんな中、2025年4~9月の同社の販売状況は前年同時期に比べてトラクタは横ばい、田植機およびコンバインは微減だった(台数ベース、系統除く)。
 トラクタは20~25馬力または30~40馬力、田植機は4、6条植え、コンバインは3、4条刈がボリュームゾーンとなっている。現在、長門市が有機農業に力を入れており、この流れで紙マルチ田植機の荷動きが増えつつあるという。都田支店長は「中国地方のなかでも山口県は紙マルチ田植機の実演依頼が多い。これからも紙マルチ田植機の荷動きは活発化しそうだ」と話す。
 営業面では今後ますます本機の点検・整備に力点を置く。玖珂(岩国市)および大津(長門市)営業所管内では2025年10月1日~2026年2月20日まで「ダイヤパックキャンペーン」を実施している。都田支店長は「今後はKUSANAGIや紙マルチ田植機の実演、そしてトラクタ『XSシリーズ』の拡販にも注力していく」と力を込める。

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