冷凍ブロッコリー国産化を/農研機構と野菜流通カット協議会がシンポジウム

農研機構野菜花き研究部門(東出忠桐所長)は10月24日、都内千代田区の日比谷図書文化館において、令和7年度オープンイノベーション研究・実用化推進事業シンポジウム「冷凍ブロッコリー国産化にむけた現状と課題」を開催した。野菜流通カット協議会との共催。同事業は、ほとんどが輸入品で占められている冷凍ブロッコリーについて、国産品の国内市場シェア奪還を目的に、6年度から5年間の計画で原料ブロッコリー生産コストの低減と、流通・加工技術の改良による高品質化に取り組んでいるもの。今回のシンポジウムでは、国外での冷凍ブロッコリー生産の現状や国内で求められる品質、国内産地化に向けた取り組み等について関係者から話題提供され、今後の研究や技術開発の推進方向を議論した。
開会挨拶した東出所長は、この数十年で国内のブロッコリーの生産・消費が増え、2026年度から指定野菜に追加される重要な野菜になったと述べた。一方で冷凍ブロッコリーは輸入がほとんどであるためシェア奪還が急務であるとし、本日集まった関係者が連携してブロッコリー増産を行うことが重要と語った。
その後、基調講演として▽加工・業務用野菜をめぐる情勢―国産野菜のシェア奪還に向けた取組―(農林水産省農産局園芸作物課・大西健介氏)▽エクアドルにおける加工・業務用ブロッコリーの大規模栽培体系について(エア・ウォーター(株)・是井亮二氏)▽冷凍食品に求められるブロッコリー品質の現状と課題について((株)ニッスイ・竹村裕二氏)―の3講演、及び同事業の研究報告として▽冷凍ブロッコリー国産化に向けた研究事業の概要(農研機構野菜花き研究部門・高橋徳氏)▽過熱水蒸気焼成機(JESTOS)による冷凍野菜加工について(澁谷工業(株)・大橋陸氏)―などの4講演が行われた。
そのうち是井氏は冷凍ブロッコリーで中国に次いで輸入量が伸びているエクアドルにおける大規模栽培体系を紹介。同社は同国にて標高2800メートル以上の高地という地理的優位性を活かした高品質なブロッコリーの周年栽培(同じ圃場で年間3・2作)を行っており、約355ヘクタールの自社農場を持ち、近郊の加工施設で冷凍し日本・北米・欧州へ輸出している。冷涼な気候で年間平均気温が比較的一定、日照時間が長いことから、害虫が少ない、花蕾の変形果が少ないなどのメリットがあり、年間平均単収は10アール当たり約2100キロを誇る。機械による定植をしてから収穫まで約90日となり、収穫は、各花蕾の生育状況によって適期が異なるため、目視と手作業が必須とした。毎週、圃場単位のモニタリングをしており、害虫発生や昆虫クレームは低頻度。スケジュールされた防除体系とモニタリング結果による防除などにより品質を保ち、季節偏差も小さくなっているなどと語った。









