各社の対応③農機ショーで新型主要機、スマート農業提案/秋田県農機ショー特集

(株)ISEKI Japan東北カンパニーにおける県内の昨年の農機流通実績について、秋田営業部長・今野弘樹氏は「前年比増となった」と振り返った。昨年上期は3月の価格改定後にやや落ち込んだものの、下期は米価の値上がりに伴い、特に秋田県農業機械化ショー以降は実績が上振れたという。機種としては、播種機やトラクタ作業機、草刈機、米の調製関連機器などの引き合いが多く、価格帯としては100~200万円前後のものが多く出たと述べた。主要機であるトラクタ・田植機・コンバインの実績も前年比増だった。
その好調の流れは今年に入っても続いており、トラクタやコンバインは、人気が集中して在庫が品薄の状況。特に好評のBFトラクタは、秋田で主力の40~60馬力帯が昨年後半からずっと売れ続けているという。今春は天候不順が続き、圃場が柔らかかったため、セミクローラ仕様の需要が多かったと語った。
また、7月には価格改定があったことから、価格改定前の駆け込み需要が5~6月に殺到。直前に実施した6月の展示会も盛況を博した。今年は特に暑い気候が続いた影響もあり、草刈機の伸びが非常に著しかったと語った。主要機についても、トラクタは主力馬力帯のほか、今年は20~30馬力の小型クラスも順調。田植機もここ数年台数が落ちていたのに対して、今年は数年ぶりに回復。コンバインも快調となり、まんべんなく動いた。今年の事業計画は前年並みとしているが、年前半に多くを稼げたという。
こうした需要増の背景について「これまで我慢してきた農業者が、ようやく安心して更新できる環境になった形では」と今野部長。農業者が米の増産に前向きになっており、一部では多収品種に切り替えている動きも出ていることから、増産体制を賄うための機械需要が伸びているとみられる。今年は実演機も売れるほどニーズが集まり、品薄になったことから、こうした状況がもうしばらく続くのであれば、今後は顧客のニーズに合わせて供給体制を増強できればと希望を語った。
今年下期については、秋田県農業機械化ショーを軸に据える。同ショーで事業計画を完結させるのに加えて、プラスアルファとして、来年に向けた見込みを立て、各営業所単位で材料を仕込んでいく。秋田県農業機械化ショーでは、主力のトラクタBFシリーズはもちろん、ICT関連商品として、スマート農機のCHCNAV自動操舵やレベリングシステム、NTTeドローン、アイガモロボ2を推奨していく。CHCNAVは使用中のトラクタ・田植機等に取り付けることで作業の効率化を図ることができる低価格帯自動操舵システム。抑草ロボットのアイガモロボ2は今年大好評で完売となった商品。さらに今年10月末に電動化補助金事業の対象となる予定。来年分の予約を受け付け中としている。
また、今年下期からの新商品として、EGOの電動商品もプッシュ。欧米で好評を博しているEGO商品で、中でも電動乗用モアZT4200は電動化補助金の対象になる。人気のBFトラクタ、CHCNAV、アイガモロボ2などとともにEGO商品を展示会で提案していきたいと語った。
三菱農機販売(株)東北支社の岩館光博支社長は、昨年の秋田県における農機流通実績について、「9月までは低調だったが、10月頃から米価の高騰に伴い農業者の購買意欲が上がり、回復した」と振り返った。機種としては、トラクタ・田植機・コンバインの主要3機種は平年並みであったものの、色彩選別機や乾燥機など、米の品質向上に役立つ関連機器の引き合いが多かったという。昨年の時点ではまだ米価に対する見通しが不明だったこともあり、大きな買い物は多くなかったと指摘。とはいえ、昨年の秋田県農業機械化ショーでは新型コンパクトトラクタXSシリーズや新型田植機XPS、4条刈コンバイン、ディスクハロー作業機「KUSANAGI」などを展示し、好評を得たという。昨年12月頃からは農業者サイドの節税対策の一環も踏まえて、特に小物が多く出たと述べた。
その流れを踏まえて、今年については、米価がはっきりしてきた中で増産の流れができたことから、農業者の購買意欲がさらに増進。3月から田植機の受注が増えたという。新型田植機XPSが販売2年目に入って評価が浸透したことが背景にあったとした。県内では水稲作業体系に関する補助的な直進機能のニーズが高まっていたことから、同機が県内農家の需要にマッチしたとみている。また、トラクタについても新型XSシリーズが「想定以上の受注が入った」と評価。「東北管内でもあまり見通しを立てていなかったものの、かなりの受注が得られた」とした。また、25PS以上の中大型トラクタについても前年以上の売れ行きをみせ、幅広い需要があったという。
岩館氏はこうした需要の伸びの背景について、「米価高騰による農家の所得アップ」ならびに「節税対策」があるのでは、と示した。大規模担い手はもちろん、これまで赤字が続いた個人農家も所得が増えたことから、更新意欲が高まり、小型農機を含めた幅広い機器に動きが出たとみている。コンバインについては、在庫不足が相まって平年並みに留まった。
また、米以外については、草刈り関連は全国的に好調を博し、秋田県も例外ではなかった。野菜作についても、米依存脱却を図る動きでネギやタマネギなどの取り組みが増えていることから、関連機器の導入で支援していきたいとした。
今年の重点機種としては、8月に満を持して登場した高速作業機、三菱ディスクハローの第2弾である「KUSANAGI Plus」をあげた。これはトラクタ馬力60~105PSに対応したディスクハローで従来ロータリー耕に比べ4分の1の時間で耕うんが可能。第1弾のKUSANAGIが45~60馬力向けだった故に、秋田県の60馬力以上のトラクタ所有者には断らざるを得ず、ヒサルラー製品を推奨していたが、やはりKUSANAGIのニーズが高かったという。「秋田を含めた東北で実演を進めたいと考えている」と語る。8月に開催された岩手県全国農業機械実演展示会では同機の発表実演を行い、非常に好評だったとした。これからは秋田でも実演を進めていくととともに、秋田県農業機械化ショーにおいても大きくアピールする。
秋田県農業機械化ショーでは、この「KUSANAGI Plus」の展示・実演を行う予定。さらに昨年発売の乗用田植機XPSシリーズや、今春発売した中型コンバインXCシリーズ、シンプル田植機LD6、LD8などもアピールする等と述べた。









