秋田農業の概要:全国3位の米どころ/秋田県農機ショー特集

「あきたこまち」「サキホコレ」をはじめとしたブランド米の産地として名高い秋田県。秋田農業は、今年も8月及び9月に大雨に見舞われ、河川の増水・氾濫も発生し、県北地域を中心に農地や農作物に大きな打撃を受けた。一方で、大雨被害を被った地域以外の米の生育は概ね良好であり、東北農政局によると、9月25日現在における秋田県の10アール当たり予想収量(生産者が使用しているふるい目幅ベース)で、前年比7キロ増の559キロと見込まれている。「米どころ秋田」の農業は現在どのような状況にあるのだろうか。昨今の県農業の概要についてみる。
秋田県の総面積は約116万ヘクタールで、そのうち7割は森林であり、13%が耕地として利用されている。雄物川や米代川の水系は秋田米の一大産地を形成。河川流域の盆地や海岸平野に広大で肥沃な耕地が拓け、農業に適した条件となっている。
県農業の概要をみると、2023年度における農業産出額は1779億円で全国19位。内訳は米が938億円で全体の52・7%と過半数を占め、次いで畜産が411億円で同23・1%、野菜が298億円で16・8%、果実が81億円で4・6%などとなっている。面積においても、秋田県の耕地面積14万5600ヘクタールのうち、水田は12万7700ヘクタールで87・7%を占める。耕地面積は全国6位、水田面積は3位となっており、広大な水田で作付けされているのは主力品種の「あきたこまち」。「あきたこまち」が作付面積の7割を占め、デビューから4年目を迎えた新品種「サキホコレ」の面積も増えてきている。
秋田の米作りの強みは、▽米の産出額全国第3位のシェア▽生産費(60キロ当たり)の低さ全国第3位▽高い単収と高い価格競争力▽生産基盤の整備が全国トップクラス▽「あきたこまち」を中心としたブランド力―など。県はこうした強みを活かし、米をめぐる情勢変化と課題等を踏まえて「様々なニーズに的確に対応できる産地」「高品質・低コストで競争力の高い米づくりの展開」を進めるべく、デビュー4年目を迎えた旗艦品種「サキホコレ」を頂点に、「あきたこまち」を中心とした多彩なラインアップで実需の多様なニーズに対応する「お米のオールラウンダー」を目指している。そのうち「サキホコレ」は全国トップブランドの地位を確立するため、高品質な米の安定供給に向けた生産対策、訴求力のあるブランドイメージと販売チャネルの構築を目指す流通・販売対策、ファン獲得に向けた戦略的な情報発信などを総合的に実施。県内や首都圏等でのテレビCM放映や、県外量販店等での販売促進キャンペーン実施なども展開している。
今年の秋田米作況については、8~9月の度重なる大雨により、県北地域を中心に収穫直前の水稲等で農作物被害が発生した。河川の増水・氾濫による農地・農業用施設の被害も大きく、9月16日現在における県内の農林水産被害額は合計75・7億円となっている。
一方で、9月25日現在における秋田県の10アール当たり予想収量(生産者が使用しているふるい目幅ベース)は前年比7キロ増の559キロとなり、予想収穫量(主食用)は45万3900トンで、同5万5400トン増と見込まれた。これは主食用米の作付面積が8万1200ヘクタールと同9000ヘクタール増が見込まれることに加え、大雨の地域を除き総じて天候に恵まれ、全もみ数や収量が前年並みと見込まれたため。作況単収指数は103となり、概ね豊作となったようだ。
他県に比べて水稲作の割合が高いものの、近年はエダマメやネギなどの野菜作、畜産なども拡大。大豆(全国8位)やエダマメ(同6位)、ネギ(同8位)、生シイタケ(同4位)、アスパラガス(同10位)なども全国有数の産地となっている。これは県の支援によって、園芸メガ団地の整備などが進んだ成果といえる。
秋田県の野菜生産は、エダマメ、ネギ、アスパラガス、トマト、キュウリ、スイカを重点6品目として振興を図り、単収の底上げや品質向上に向けて取り組んでいる。ネギはその中で主力品目で、全国の指導者研修会や、首都圏市場での品質査定会を開催し、規格や出荷資材の統一を進めてきた。山本地域を中心にネギ園芸メガ団地等の大規模園芸拠点の整備が促進され、機械化一貫体系の普及等により、全県域で栽培面積の拡大が進んでいる。エダマメについても、日本一を目指して生産者・関係機関が一体となり生産を振興。果樹もリンゴ(同6位)でオリジナル品種「秋田紅あかり」を導入するなど、オリジナル品種の育成や産地化が盛んだ。
米価の高止まりに伴い主食用米の増産に勢いづく秋田であるが、野菜・果樹などの生産も広がっており、豊かな農業を構築している。









