森林総研の公開講演会で、2050年の森を再検討/躍進2025林業機械(38)

国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所(浅野透所長)は15日、茨城県つくば市のノバホールで2025年度公開講演会を開いた。これには約190人が参加し、「2050年の森―人口減少社会において森林の果たす役割とは」をテーマに森林総研の5人の研究員がそれぞれの取り組みについて発表した。今回の講演会は、2008年に示した「2050年の日本の森のあるべき姿」を踏まえ、改めて日本における2050年の森林の姿を検討しようというものだ。
今回の2025年度森林総合研究所公開講演会「2050年の森 人口減少社会において森林の果たす役割とは」では、まず研究リスク管理監の石塚成宏氏が「2050年の社会・環境」と題して講演した。
森林総研では、森林の多面的機能を十分に発揮し、社会の要請に応えるための研究開発の方向性と達成目標を示したロードマップを2008年に作成。2050年の日本の森のあるべき姿を描き、公表した。
しかし森林を取り巻く情勢は急速に変わりつつあることから、これから求められる森林機能や森林総研が目指す研究について再び検討したのが今回の公開講演会となる。 石塚氏は、林業従事者の減少や高齢化といった課題を解決するために欠かせないのがスマート林業技術だと指摘。これからさらに、▽機械化や自動化による安全性・採算性の確保▽ドローンによるセンシングやデジタルツインによる高度な森林管理―などが必要であり、「森林総研もDX・GXなどの社会変革をサポートしていく」と述べ、今後の方向性、取り組んでいくテーマなどを示した。
また、「森林と林業」について発表した森林管理研究領域主任研究員の田中真哉氏は、省力化や自動化に向けた林業機械の開発について紹介した。現在、(株)諸岡と共同で実施している自動走行フォワーダの取り組みや、AIロボットが変える未来の林業のイメージなどについてスライドを用いて説明した。
同研究所が参画している国の開発事業は、「フォワーダ集材作業の労働時間を解決する自律走行マルチオペレーション技術の開発」。諸岡を代表事業者として、同研究所、パナソニックアドバンストテクノロジー(株)、(株)国際電気通信基礎技術研究所、東京農工大学が共同事業者として開発を進めている。
これまで進められた安定した自動走行、安定かつ低遅延のWiFi、障害物・路網形状の認識アルゴリズムの開発を受けて、複数台のフォワーダを自動走行させるマルチオペレーションのシステム構築の段階に進んでいる。
この他、野生動物研究領域主任研究員の大橋春香氏が「気候変動と生物多様性」、木材加工・特性研究領域木材機械加工研究室長の松村ゆかり氏が「木材産業と木材利用」、林木育種センター関西育種場育種課育種研究室長の岩泉正和氏が「林木育種」についてそれぞれスライドを示しながら講演した。









