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令和7年10月13日発行 第3571号 掲載

各社の動向:米関連製品の需要高/佐賀県特集

 (株)福岡九州クボタ(久保雄司社長/佐賀県下17拠点・102人)の24年度実績は、前年をわずかに下回った。佐賀県担当の成清等部長は「23年はトラクタ『SL33L』が牽引したが、24年は同機の終売に伴い売上げが減少した」と説明する。 24年度には「MIRAI農業サポートセンターSAGA(通称:みらさぽ)」が開設され、RTK基地局を設置。これを活用し、後付け自動操舵システムやRTKアンテナキットなどを実演した合同イベントを4月に実施した。7月の価格改定までは順調に推移したものの、その後は伸び悩んだ。
 主要機の動向としては、トラクタは50~60馬力が主力。田植機は品薄の影響で6条植えが減少し、4条植えが増加。コンバインは前年並みで、4条刈が好調だった一方、23年には伸びた2~3条や5条は減少した。米価上昇の影響で色彩選別機など米関連機器の需要が増加。草刈機関連は特に自走式の伸長が目立った。
 25年度も、7月の価格改定を見据え4月に合同展示会を開催。多数の顧客が来場し、GSトラクタや自動操舵システムの実演は高評価を得た。春先から価格改定の周知を徹底したことで駆け込み需要にも対応でき、6月まで売上げは堅調に推移。前年に見られた改定後の落ち込みも、今年は納品ベースで抑制できた。さらに8月には中古農機展を実施し、こちらも盛況となった。
 今後は、精度を高めた「GS3」搭載のトラクタを軸に実演活動を強化し、位置情報の正確さや安全性を訴求。廉価版自動操舵システムにも注力する。米価上昇を背景にライスセンター設立の引き合いも増えており、色彩選別機、穀物乾燥機、保冷庫など関連製品の提案を推進していく。次回のイベントは11月、福岡での合同展示会を予定している。
 今回の取材は「みらさぽ」で実施した。同施設は27基の整備ピットを備え、県内各地から点検や修理依頼が引っ切りなしに持ち込まれる。サービス売上げはすでに24年度比で2倍に拡大。スタッフの熱中症対策としてスポットクーラーやスマートウォッチ型体温計を導入し、営業とサービスの混成チームによる休日確保や人材育成にも取り組んでいる。成清部長は「ここから九州の働き方モデルを発信したい」と意気込みを語った。
 ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)北部九州営業部、佐賀ブロックの2024年度の実績は前年並みで推移した。小柳裕弘エリアマネージャーによれば、米の価格上昇などで顧客の購買意欲が高まりつつあった市場の雰囲気に乗じ、トラクタと作業機の実演回数を増加したことで売上げを維持できたという。同年度7月に佐賀・長崎合同の展示会を2日間開催した。4年ぶりとなった合同展示会には多くの来場者が訪れたといい、ムードの良さを感じ取れるイベントになったようだ。
 主要機の動向は、トラクタは25~45馬力が主流。平野地域では60馬力がよく動いた。田植機は中山間地域で4条植えが、平野地域では6、8条が伸長した。コンバインは4条刈が主流で、3条は減少。その他、ドライブハローやあぜ草刈りなどの作業機が伸長した。自走式草刈機が堅調だった。
 25年度については、価格改定を4月に実施したが、米価のさらなる上昇で、継続して市場のムードは良い。様子見だった顧客からの問い合わせも増え、大手担い手から助成金を活用しての相談なども増加したという。トラクタに加え、穀物乾燥機や色彩選別機、保冷庫など米関連製品の引き合いが多い。
 今年度、後半の推進機種はトラクタに加えて直進アシスト田植機。実演での販促をさらに強化する。また、シーズンが終わる草刈機もラストスパートをかける。乾田直播の提案で播種機も推進している。
 アフターサービスでは、シーズン前の農機点検や「安心パック」などパッケージ商材を積極的に販促している。また、農機をモニタリングできるスマートアシストを活用し、すぐに客先に駆けつけるべきか否かの判断をしている。限られた人材では、非常に有効なシステムだ。
 (株)ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷清社長)北部支社・佐賀系統SSの24年度の実績は前年対比減で推移した。3月に価格改定を実施。駆け込み需要の対応策として2月、JAグループの合同展示会「さが農業まつり2024」に出展。続いて九州カンパニー全体の展示会「初春感謝市in九州」でも実績を維持したが、それ以降は調子を落とし、「例年にないほど厳しい年だった」と岡健太所長は振り返った。米価上昇の影響は少なく、様子見の顧客が多かったようだ。
 24年度の主要機動向は、トラクタは23~25馬力が主流だが、中山間地域の顧客の評価が良い「RTS5」シリーズが振るわず減。田植機は前年並みで5条植え低コスト機が主流。次いで4、6~8条。コンバインは4条刈が主流。その他、後付け自動操舵システム「CHCNAV」が伸長した。
 25年度は7月に価格改定を実施した。駆け込み需要の対応策として2月、JAグループの合同展示会「さが農業まつり2025」に出展したことを皮切りに、拠点別の展示会も開催。9月までの実績は、トラクタ、コンバインの売上げが非常に良く、昨年の不振を払拭できた。「価格改定の時期に合わせたプロモーションが奏功した」と同所長は分析した。
 また、米価上昇の影響から、20~30石の穀物乾燥機や保冷庫など米関連製品も伸長した。24年度は慎重だった顧客も、今年は購買意欲が戻ったようだ。この追い風に乗り、後半はコンバイン「HFR4050」や、新製品のコンバイン「フロンティアマスター」シリーズの実演に注力する。後者は、キャビンの広さや静穏性が顧客から好評だという。
 また、レベリングシステム「CHCNAV IC100」と、タカキタの簡易レベラー「マルチグレーダ」を連携した実演も強化。乾田直播の提案にも力を入れているが、播種機の品薄が続いている状況だ。
 三菱農機販売(株)九州支社(松尾秀二支社長)佐賀支店(長崎系統含む5拠点・16人)の24年度の実績は前年比減で推移した。これについて香田和磨支店長は、米価上昇の影響で米関連製品やトラクタの動きは良かったが、雨が多かったことなどが影響して二条大麦などの不作や、製品の品薄が続き、実績が落ち込んだとした。
 主要機の動向は、トラクタは18~25馬力「X(クロス)S」が、顧客の需要にマッチして伸長。田植機は4条、6条植えがよく動いた。コンバインは前年比増で、2~3条刈が主流。その他では、農業用倉庫「ガルックスガレージ」(旧・ダイヤハウス)が伸長した。
 今年4月から、業務効率化などを目的として組織改編を実施。佐賀(長崎系統含む)と福岡の拠点は「北九州支店」として統合された。これに伴って九州支社は、それまでの佐賀県鳥栖市から小城市に移動した。
 9月までの成果について聞くと、米価上昇の影響で、例年にないほど米関連製品の需要が高まっていると同支店長。特に保冷庫や精米機は引き合いが多いといい、この追い風に乗じて、来年の田植えシーズンに向けて田植機の推進を強化している。
 また、10月末~11月にかけて収穫後の圃場で、ディスクハロー「KUSANAGI MDH1820」と、60~105馬力トラクタに対応するディスクハローの新製品「KUSANAGI Plus MDH2022」、両製品の実演にも力を入れる予定だ。
 その他、紙マルチ田植機「LKE60AD」に関し改めて性能を確認した。1997年の発売以来、「みどりの投資促進税制認定機」として脚光を浴びた同製品を軸に、「今後は有機農業の提案にも力を入れていく」と前向きに語った。
 アフターサービスの取り組みは、佐賀の3拠点にサービス専門のスタッフを配置。また、熱中症対策としてスポットクーラーを導入した。セールスも含めてスタッフ全員が農機整備技能士の有資格者であることを活かし、顧客への点検呼びかけを徹底している。スタッフに対してはフレックス制を導入し、労働環境の整備にも取り組んでいる。

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