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令和7年10月13日発行 第3571号 掲載

食の意識・環境などを国際分析/農林政策研が成果報告会

 農林水産政策研究所は7日、オンラインにて研究成果報告会「食環境と持続可能な食料消費に関する国際分析」を開催し、これには全国から約120名が参加した。
 今回は健康的な食とエシカル消費に着目し、世界8カ国(セネガル、ケニア、中国、インド、アメリカ、アルゼンチン、フランス、ドイツ)の都市住民の食意識と食環境に関する多国間分析の結果を報告した。
 会では、(1)食環境と社会・経済的環境が持続可能な食料消費に及ぼす影響評価―8カ国比較による考察―(丸山優樹氏・農林水産政策研究所食料領域研究員)(2)持続的食料システムの構築に関する国際比較研究―アルゼンチン編―(田澤裕之氏・全国農村振興技術連盟企画部長)(3)ドイツにおける健康的な食品摂取と食意識(飯田恭子氏・農林水産政策研究所国際領域上席主任研究官)(4)ケニアにおける農業開発・食料消費の現状と課題(伊藤紀子氏・拓殖大学政経学部准教授)―などの6件の報告とまとめ、質疑応答が行われた。
 そのうち(1)では、総論として研究全体の背景や目的、調査概要と結果、分析結果などを説明。
 持続可能な食料システムの構築には先進国と途上国の両者において「食料増産」「環境配慮」「健康増進」の3要素を同時に成立する必要があり、生産者、加工業者、流通業者、消費者の全主体の取り組みが必要であることから、今回の研究では消費者の意識や行動の変容を促す第一歩として、8カ国の都市部に住む消費者にアンケートを行い、消費者の食品摂取に至る食意識や食環境などについてデータを集め、どのような食料摂取がなされているのかを把握した。
 各国の調査結果を総合したところ、先進国や途上国に関係なく、食意識については「安全性・栄養重視」に属する消費者が多いという。この消費者は有機食品の消費を求めるが経済的・物理的アクセス環境に障壁があるため、各国共通の持続可能な食料消費に向けた取り組みとしては、所得の向上及び該当する食料品店舗の拡充によって消費行動の更なる向上が見込めるとした。
 また、「価格と食味を重視」する消費者グループについては、すぐに食べられるように加工された油脂や糖分を多く含む「ウルトラ・プロセスド・フード(UPF)」を好み、生活習慣病のリスクも高いことから、食育教育の実施や、関連する食品ラベルの表示による行動変容の必要性が示された。
 「原産地と伝統性を重視」する消費者グループについては、物理的なアクセス環境の改善によって、さらに当該食品の消費が伸びる可能性があるなどと示唆された。

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