加工・業務用レタス現地検討会でデリカなど講演/野菜流通カット協議会

野菜流通カット協議会(木村幸雄会長)は9月30日、長野県において加工・業務用レタス現地検討会を開催した(既報)。レタス収穫機の普及や国産の加工・業務用レタスの生産・流通の拡大を図るため、国内で初めて実用化に成功した(株)デリカのレタス収穫機DX―121の実演及びセミナーを行った。
セミナーでは、5講演と総合討論が行われた。そのうち、(有)トップリバー代表取締役・嶋崎隼人氏は「加工・業務用レタスの機械化とデータ連携による次世代産地経営の実践と課題」を講演。
同社は長野県でレタスを中心に200ヘクタールの面積で高原野菜を栽培・販売しており、農業経営を軸に社内で生産・販売・組織マネジメントを徹底。独自の生産・販売管理システムを開発し、野菜サプライチェーンのDX化を行っている。レタス収穫機の導入は法人として日本初。レタスの手収穫は畑業務の約6割を占めることから、生産性向上には収穫の効率化が必須とし、デリカと共に収穫の機械化に取り組んだ。 収穫機の導入で切り業務を機械化し、人間が1玉当たり6秒で切るところを機械は8倍速で切れると述べ、労働力削減と業務分配による安定出荷につながるとした。取り組み目標として、現在は1時間当たり15ケースの収穫を30ケースにすることを掲げ、今後は▽削減経費や効率性を鑑み費用対効果を考察▽切り込みにより褐変箇所の拡大もみられ、褐変を防止する方法の模索▽コンベア導入による箱詰めまでの流れの円滑化▽現場収穫体制の構築▽出荷規定の決定―を進めていくなどと語った。
また、デリカの開発技術部課長・胡桃沢隆氏は「レタス収穫機への取り組みと現状の課題から今後の展望について」講演。長野県松本市を本拠地とする同社は国内6、海外1の拠点を構え、マニュアスプレッダなどを主力製品として、循環型有機農業に資する農業機械を供給し続けている。ラインアップをみると、良質堆肥づくりをサポートする堆肥切り返し機や籾殻粉砕機、土づくりを支援するマニュアスプレッダシリーズ、様々な野菜苗の移植機、肥料の少量散布が可能な肥料散布機、マルチ剥ぎ機、収穫作業ではベビーリーフ収穫機や高所作業台車など、農作業体系別に各機を提供しており幅広い。
今回実演を行ったレタス収穫機は片倉機器工業などが進めてきた開発を受け継ぎ、2019~2023年にスマート農業機械社会実装加速化支援事業で長野県とデリカで「同時2条刈、損失10%以下、1秒当たり1・5個を目標に刈り取りのみの機能を持つ」現状機のベースを構築したもの。2024年に市場投入し、開発に参画していたトップリバーが導入。24~25年はトップリバーとデリカで協議しつつ、実際の圃場で課題出しを行い、稼働フォローを進めているという。
胡桃沢氏は同機の課題として、▽収穫時間25%削減の目標達成(手作業の1人1時間当たり20ケース↓機械収穫で同40ケース)▽オペレータの育成(直進などオペレータの技術により収穫精度に差が発生)▽栽培方法の検討(畝の中心に植えるなど機械収穫に適した栽培)▽機械による収穫品の評価(機械収穫を許容・評価してもらい改善などのフィードバック)―などを提示。中でも、稼働を経て浮かび上がった収穫時の課題として(1)ガイド円板が畝にもぐってしまう(2)切断位置の安定化―をあげ、(1)についてはオペレートによる改善やガイド円板の形状・重量の見直し、畝形状の改良などを、(2)については刃の剛性や適正作業速度の見直し、畝形状や移植位置など栽培の安定を図ることなどで対策を進めているとした。
今後については、現状機の活用・普及を進めて機械化に向けた栽培方法の確立や安定供給に向けた課題へ取り組むとともに、他地域を含む稼働・検証も進めて意見を吸い上げ、さらに現場にマッチした機械へステップアップしていきたいなどと展望した。









