各社の取り組み:大型機の販売堅調/三重県特集

(株)東海近畿クボタ(森藤雅隆社長)の三重県管内は、本機(トラ・コン・田)および作業機などの需要が供給を上回る状況の中、2025年1~7月における販売実績は、前年同期に比べてトラクタおよび田植機が減、コンバインは増だった(台数ベース)。兼業農家の買い控えもあるなか、大規模担い手による農機の更新は堅調で、金額ベースでは昨年に比べて横ばいで推移した。
トラクタは30馬力(大規模担い手は50~100馬力)、田植機は5条植え(大規模担い手は6条植え)、コンバインは4条刈以上といったクラスが管内でボリュームゾーンとなっている。
東海事業部長の神野栄治氏は「トラクタはSLが台数を伸ばしており、大規模担い手でみるとSL(54、60馬力)、MR(70~100馬力)の導入が目立ち、これらを作業によって使い分けている。田植機はNW(6、8条植え)、コンバインはDR(5、6条刈)が大規模担い手に、兼業農家はKR(3、4条刈)が人気だ」と話す。
中山間地域では農作業の委託を受けた個人の担い手が、比較的廉価なコンバイン「ER448N Limited」(4条刈・48馬力)を購入する事例もあるという。同機は全農の共同購入コンバインと並び、その性能と価格帯から注目を集めている。
本機以外では乾燥機、籾すり機、防除機、稲作関連機の荷動きが活発化した。特に籾すり機は前年比150%という売れ行きで、今後も稲作関連機は堅調な荷動きがありそうだ。また、畑作関連のインプルメントや成形機の売上げも伸びている。
今後について神野部長は「営業活動においては修理・点検などのアフターフォローが肝となる。農機を販売できても、売りっぱなしではダメだ。大規模担い手には作業機を絡めた実演を行い、MRを軸に、トラクタの販売に注力したい」とし、「現在、モノが入り難い状況のため、各営業マンには先行受注を心がけて、早め早めの提案を行い活動するよう指示している」と力を込める。
ヤンマーアグリジャパン(株)中部近畿支社(菱谷竜一支社長)の三重事務所管内では、米価高止まりの影響もあり、大規模担い手はもとより、小中規模農家も農機更新の意欲が高まっている。「例年に比べて農家の方が元気な印象だ」と森崇エリアマネージャーはこれまでを振り返る。
2025年4~7月における本機(トラ・コン・田)の販売状況は、台数ベースで前年並み、トラクタは三重県下で25馬力前後がボリュームゾーンのところ、57馬力(「YT3Rシリーズ」)の荷動きが特に活発だった。
コンバインは4条刈(YH448A)および6条刈(YH6101、YH6115)が好調。森マネージャーは「YH448Aは好評につき売れている」と販売の手応えを話す。
田植機は4条植え(YR4J)と5条植え(YR5M、5DA)がよく売れ、田植え後にも受注があったようだ。6、8条植えクラスでは、密苗仕様の田植機の比率が高くなってきているという。
森マネージャーは「密苗仕様の田植機は大規模担い手に的を絞り提案している。一方、最近は乾田直播に興味を示す大規模担い手が増えつつある。これに伴い、レーザーレベラーや播種機といった作業機の荷動きもある」と話す。乾田直播は水稲全体をそれにするのではなく、作業を分ける時期をずらすといった目的で導入する傾向にある。
今年度の業績の見通しについては、昨年度に比べて上向くとみる。森マネージャーは、「大規模担い手を除いた生産者による購買が、今後増えると予測する。今年は刈取り時期に各営業所を回り、生産者と話す機会が多かった。その際、皆さんの購買意欲が例年以上に高まっていると感じた」と話す。
今後は他社に先駆けて早めに動き、より早く受注を取る動きをする。トラクタ+作業機の実演に注力し、ベストマッチな提案をしていく構えだ。
(株)ISEKI Japan関西中部カンパニー(南孝明社長)は、2025年の4月頃までは管内における市場の動きが鈍かった。一方、JAの組合員については最終精算金を受領した5~6月以降に農機購入の動きをみせ、この時期から管内の市場が沸きだした。
同社の三重営業部部長・牛場伸吾氏は「5月以降からここまでは、良いムードで進んでいる」と話す。7月に実施した井関製品の価格改定については「改定前の駆け込み需要と歩調を合わせて進めた大規模担い手層への大型コンバインの提案営業が功を奏し、本格4条刈コンバインの荷動きが良かった」と話す。
2025年1~7月の販売状況は、前年同期に比べてトラクタおよび田植機は横ばい、コンバインは増だった(台数ベース)。トラクタは25馬力(BFシリーズは60馬力)、田植機は6条植えまたは8条植え、コンバインは4条刈(2条刈はほぼ動きなし)といったクラスが管内のボリュームゾーンとなっている。4条刈以上のコンバインはキャビン付きのものが好まれている。
牛場部長は「今年1月から三重も含めた東海地方が一体となり、例えば大規模担い手層が多い愛知県の営業部からHJシリーズのような大型コンバインを実演機としてスムーズに借りれるようになった。小中型コンバインについては、逆もまた然り。各県が一体となったスケールメリットを活かし、刈取りの早い三重で大型コンバインの販売に一層注力したい」と意欲をみせる。
7月17~18日には三重・愛知・岐阜・滋賀の営業部が集まり、桑名市内の圃場にて大規模担い手向けの実演会を開催。初日は記録的豪雨に見舞われたが、結果的に約630軒の大規模担い手が参加。大型農機拡販の手応えをつかんだ。
牛場部長は「10月17~18日には、三重営業部の敷地内で展示会を開催する。これを今期の山場と捉え、売上げを伸ばしたい。また、営業面では現在の生産調整を受け、早めの提案・受注を心掛ける」と力を込める。
三菱農機販売(株)中部支社(庄司聖志支社長)の三重管内では、2025年4月頃までは例年通りの農機市場だった。4月以降、8月に米の収穫が始まると、一部の大規模農家には米価上昇に係る購買意欲が高まる雰囲気もあったが、全体的には需要の高まりはみられなかった。
同社の営業支援グループ直販担当の所直貴部長は「最近は、異常な暑さで離農を決断するケースを聞くようになった」と8月の一番暑い時期に刈取りのピークを迎える三重県の実情を話す。
このような状況のもと、2025年4~8月の販売状況は、トラクタおよび田植機が前年並み、コンバインは微減だった(台数ベース)。トラクタは25馬力前後、田植機は4、5条植え、コンバインは3条刈といったクラスが管内のボリュームゾーンである。
田植機は、ペースト施肥仕様の人気が三重県で定着しつつあり、「LE50AD」(5条植え)といった型式に人気が集まる。所部長は「粒状タイプに戻るケースも一時はあった。しかし、ペースト仕様は実証実験の結果や地道な実演、弊社HPの宣伝などにより、根強く定着しつつある」と手応えを話す。
コンバインはVシリーズの2~3条刈で荷動きがあり、特に「V324」(3条刈・23・5馬力)といった型式の需要が高い。トラ・コン・田以外では自走式草刈機やフレールモアなど、草刈り関連製品が堅調な荷動きをみせる。
また、ディスクハロー「KUSANAGI」も堅調な売れ行きをみせる。所部長は「同機は稲孫(ひつじ)が伸びる前に刈取る役目もある。この役目のみを好まれる農家もいる」と話す。
今期のトラ・コン・田の見通しについては前年並み、米価がさらに上向けば小物商材、籾すり機や精米機など米関連製品が秋以降に動き、やや上向きになると予測する。
年末に向けては「新製品の『KUSANAGI Plus』および作業機とトラクタを抱き合わせ、トラクタの拡販に注力していきたい」と所部長は力を込める。









