木材チップのエネルギー利用、10年間で5倍に/躍進2025林業機械(36)

「近年では、木質バイオマス発電所の増加等により、エネルギーとして利用される木質バイオマスの量が年々増加している」と令和6年度の森林・林業白書が指摘した木質バイオマスのエネルギー利用。燃料材の令和5年の国内生産量が1132万立方メートル(前年比10・6%増)、輸入量916万立方メートル(同28・5%増)とともに大きく伸長している。利用法としての木質バイオマスのエネルギー利用は着実な前進を見せている。最新の統計が現在地を明らかにしている。
既報の通り、木質のバイオマスのエネルギー利用に関しては、農林水産省大臣官房統計部が「令和6年木質バイオマスエネルギー利用動向調査」の結果を公表、林野庁から「令和6年における木質粒状燃料(木質ペレット)の生産量等について」の取りまとめが行われた。特に農林水産省公表の利用動向調査は、令和6年にエネルギーとして利用した木質バイオマスのうち、木材チップの量に焦点を当てて取りまとめたものだ。令和6年実績は、1235万8429絶乾トンで前年に比べ7・2%増えている。中でも間伐材・林地残材等に由来する木材チップのエネルギー利用量は、この10年間で約5倍に増加しており、木材チップのエネルギー利用が広く定着してきていることを表している。
木材チップの由来別利用量の全国ベースでの実績で注目すべきは、間伐材・林地残材等が545万8123絶乾トンで全区分の中で最も多い利用量となっていること、そして前年に比べて10・2%増と2ケタの伸びを示していることだ。
この結果、平成27年に116万7820絶乾トンだった間伐材・林地残材等の木材チップ利用量は、翌28年191万7839絶乾トン(対前年比164・2%)、同29年263万4592絶乾トン(同137・3%)、同30年274万4774絶乾トン(同104・2%)と順調に増加。
令和元年は302万9178絶乾トン(同110・4%)、同2年389万167絶乾トン(同128・4%)、同3年409万2419絶乾トン(同105・2%)、同450万1161絶乾トン(同110・0%)、同5年495万1655絶乾トン(同110・0%)と推移。そして6年実績で545万8123絶乾トンと初めて500万絶乾トンを突破、しかも対前年比10・2%となり3年連続して2ケタ増となった。
かなりのハイペースで伸び続けている。間伐材・林地残材等の利用法として木材のチップ化が定着していること、しかも他の利用区分を上回っていることなどが明らかになっている。
木材のバイオマス利用に関しては、最終段階で燃料として利用する「カスケード利用」や、従来であるならば林内に放置されていた未利用の木材を燃料とすることを基本とする進め方が求められていたが、木材チップ量の統計推移を見る限り、利用法として確立、定着しつつあるようだ。
それは、間伐材・林地残材等の木材チップの量が、全体の44・0%とかなりのウエートを占めるまでになっていることからもうかがえよう。
木材チップのうち間伐材・林地残材等由来の利用状況を都道府県別にみると、岐阜県の24万2685絶乾トンが群を抜いている。多くの道県が前年実績を上回っている。









