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令和7年10月6日発行 第3570号 掲載

クボタがスマ農の未来展望を講演/農業WEEK

 1~3の3日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「第15回農業WEEK(通称J―AGRI TOKYO)」では、連日様々な特別講演が開催された。ここでは、(株)クボタエグゼクティブオフィサー研究開発本部副本部長次世代技術研究ユニット長・荒木浩之氏による講演「クボタの見据えるスマート農業の未来」の概要をみる。
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 荒木氏はクボタについて会社概要を紹介したのち、人類における農業の歴史と社会構造の変化などを振り返り、社会課題解決のためにクボタが進めている農業機械化における取り組みと、将来展望として「プラネタリーコンシャスな農業の実現」を紹介した。
 1890年に創業した同社は食料・水・環境に関わる地球規模の課題解決に取り組んできており、農業機械やエンジン、水道管、建設機械など幅広い製品を世界120カ国以上にグローバル展開している。連結グループ会社は214、連結従業員数は5万2094名、連結売上高は3兆円以上。海外売上比率は79%を占めている。
 荒木氏は続いて人類史における農業の位置づけを振り返り、農業は人類に大きな変革をもたらし、現在も人間社会の基盤を支え続けており、技術革新を取り込んで今も進化を続けていると説明。
 産業革命以降の人口爆発を受け、2070年には100億人を突破する見込みである人類を養うには農業がさらに進化する必要があると指摘。
そこで、クボタが開発・普及を進めてきた第2世代・第3世代の農業(1980年代~)ならびに第4世代の農業(2010年代~)の技術を紹介した。
 日本農業は1950年代のトラクタ普及から機械化が始まり、その後様々な農作業の機械化を通じて動力化・乗用化・省力化が進み、生産性が向上。第3世代農業では主要作物の機械化一貫体系が確立し大規模化と省力化の両立が図られた。クボタは第2・第3世代農業の技術として、トラクタ・コンバイン・田植機などの高性能農機を開発。モンローマチック(自動水平制御)や倍速ターン、パワクロ、自動耕深などの様々な新しい技術を打ち出した。
 続く第4世代では、スマート農業の時代となる。クボタは急激な農業人口の減少を受け、データ活用による精密農業と、自動運転農業機械による超省力化・無人化を軸として、これらを統合したスマート農業ソリューションを開発し、儲かる農業を実現することが課題解決策になり得ると位置づけ、小規模多数圃場の日本農業に適した製品技術を優先的に開発・提供することとした。
 そこで同社が注力しているのがKSASと自動農機である。KSASはクボタの営農・機械サービス支援システムで、食味収量コンバインやドローン、衛星等から取り込んだデータと連携することで、PDCAサイクルを回し、翌年の可変施肥に活かせるなど、作付け計画の改善を図れるという。例えばドローンによるリモートセンシングでは、専用ツールにて簡単に生育マップを作成でき、NDVIのバラつき等をKSASで簡単にみられるとした。
 また、KSASは収量コンバイン・ドローン・衛星・各種農業情報を圃場マップ上に層として重ねたレイヤーマップを作ることができ、レイヤーマップの活用によりバラつき改善や収量増、肥料コスト低減などが図れるとした。
 一方、自動農機については、クボタは自動化レベル1の自動操舵、レベル2の有人監視下の自動走行まで商品化。レベル1はGSシリーズとして好評を博し、直進キープ機能付き田植機のNWシリーズは販売累計1・5万台を達成している(2024年末)。レベル2のアグリロボシリーズは、トラ・コン・田のラインアップをそろえ、例えば無人運転汎用コンバインのDRH1200Aは無人運転領域が拡大し、ミリ波レーダーやAIカメラを活用して障害物を検知する等の新機能をもつとし、進化するアグリロボ技術を紹介した。
 荒木氏は最後に、将来を展望。クボタが現在抱える4つの課題として(1)スマート農業一貫体系の拡大と技術進化(2)KSASのさらなる進化(3)持続可能な環境型農業システムの構築(4)新たな農業支援サービスの創出―をあげ、そのうち(1)では、畑や野菜、果樹へスマート農業一貫体系を拡大するべく、作業機メーカーと連携して多様な作業機を提案していくとしたほか、高い走破性と拡張性を誇る新型の小型プラットフォームロボット「KATR」を紹介し、中山間農業の省力化・効率化を進めるなどとした。
 そして、さらに4つの課題のその先へ向かうための新たな知能ソリューションの実現を示唆。状況変化に対して、過去の知見やリアルタイムのデータから、自動で最適な行動を行う自律性をもった営農システム・機械を目指し、▽農業生産における完全無人化▽高度なデータ連携によるフードシステムの構築▽資源循環・環境にプラスになる優しい農業―を叶える「プラネタリーコンシャスな農業(地球にも人にも優しい農業)」を目標に掲げた。

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