人工光合成の社会実装ロードマップを策定/環境省

環境省は9月5日、「人工光合成の社会実装ロードマップ」を公表した。人工光合成の早期社会実装に向けて、研究開発から社会実装までの道筋を体系的に示したもので、これに合わせて、人工光合成の技術動向をまとめた資料集も公表した。同省は同ロードマップを踏まえ、産官学が緊密に協力しながら、社会実装に向けた取り組みを着実に進めていくとしている。
同ロードマップは、環境省において5月から検討会を設置し技術動向や課題の整理をしたうえで検討を重ね、策定を行ったもの。
公表されたロードマップをみると、背景として、人工光合成はCO2を資源として捉え、新たな価値ある資源へ転換するCCU技術の1つであり、この分野で我が国は世界トップクラスの技術力を有しており、この優位性を活かし中長期的視野で社会実装を進めることでエネルギー安全保障や産業競争力の強化にもつなげることが可能としている。
人工光合成の定義について、「太陽光・水・CO2から燃料や化学品等を生成する技術」とし、ロードマップでは、(1)太陽光をエネルギーとして利用(2)水やCO2を原料(3)水素や炭素化合物等の物質を生成―の3つの要素を満たし、早期の社会実装を目指すものを対象とした。人工光合成のアプローチでは、主に光触媒技術(光触媒・光電極)、電解技術、微生物系技術―の3つがある。生成物としては、水素のほか、炭素1つを含む物質(一酸化炭素、ギ酸、メタノール等)、炭素2つ以上を含む物質(エチレン、エタノール等)を示した。
最終製品には燃料・化成品・医薬品・素材・食品・農業などがあるが、食品・農業分野では、炭素2つ以上を含むエチレン、エタノールなどの活用が見込まれる。同分野の最終製品までの道筋例として、人工光合成を経た水素と一酸化炭素等から微生物培養を行い、酵母・生育基質等を経て肥料・菌類などを生成するルートが示された。
全体ロードマップでは、(1)~2030年まで=人工光合成技術の開発(2)2030~40年=開発した技術の社会実装及び既存技術と組み合わせた製品化(3)2040年~=人工光合成技術を基盤とした基礎原料の量産化と高付加価値物質の製造―が提示され、産官学が緊密に協力しながら、取り組みを着実に進めるとした。









