米の白未熟粒4割/農林水産省・令和6年地球温暖化影響調査レポート

農林水産省は9月26日、「令和6年地球温暖化影響調査レポート」を公表した。
概要をみると、令和6年の気象は年平均気温が全国的にかなり高く、特に東日本、西日本、沖縄・奄美で記録的な高温となった。北日本はかなりの多照、東日本、沖縄・奄美はかなりの多雨となった。
それを踏まえ、6年における発生報告の多い農畜産物における影響と適応策の実施状況をみると、水稲では出穂期以降の高温による白未熟粒が発生し、全国では3~4割の割合で影響がみられた。地域別では、北日本では1~2割、東日本では3~4割、西日本では5~6割の地域に影響がみられた。また、夏季の高温によるカメムシ等の虫害も発生し、全国では1~2割、北日本では1~2割、東日本では2~3割、西日本では1~2割の地域に影響がみられた。
発生抑制の適応策としては、白未熟粒の発生抑制のために「高温耐性品種の導入」が拡大したほか、水管理の徹底、穂肥施用等の施肥管理の徹底や、適期防除の実施などが行われている。水稲高温耐性品種の作付面積は、前年より2・5万ヘクタール増加して20・6万ヘクタール、主食用米に占める高温耐性品種の割合も1・8ポイント上昇して16・4%となっている。
一方、果樹については、リンゴでは、花芽形成期~開花期の高温による着果不良が発生し、全国では4~5割、北日本では6~7割の地域で影響がみられた。ブドウでは、果実肥大期以降の高温により「着色不良・着色遅延」の発生による影響が全国、北日本、東日本で2~3割、西日本で4~5割程度みられた。ウンシュウミカンでは、果実肥大期以降の高温による日焼け果の発生による影響が全国3~4割、東日本1~2割、西日本4~5割程度でみられた。
適応策としては、リンゴ・ブドウの着色不良・着色遅延対策として、着色の優れた品種や着色を気にしなくてよい品種の導入など(ブドウでは黄緑系品種の導入など)、日焼け果対策として、リンゴでは遮光資材の活用、ウンシュウミカンではカルシウム剤の散布、樹冠表層の摘果、遮光資材の活用などが行われている。
野菜においては、トマトでは、高温・少雨により着花・着果不良が発生し、全国で4~5割、北日本で2~3割、東日本及び西日本で4~5割の地域で影響がみられた。イチゴでは、花芽分化期の高温により、花芽分化の遅れが発生し、全国4~5割程度、北日本で3~4割、東日本で4~5割、西日本では5~6割の地域で影響がみられた。
適応策としては、トマトの着花・着果不良対策として、遮光資材や遮熱剤の活用、細霧冷房・循環扇の導入、新品種の導入など。イチゴの花芽分化安定・促進対策としては、遮光資材や遮熱剤の利用、新品種の導入、クラウンの冷却などが行われている。
畜産については、乳用牛では高温による乳量・乳成分の低下が発生し、全国では1~2割、北日本で1割未満、東日本で3~4割、西日本で2~3割の地域で影響がみられた。また、採卵鶏では高温による産卵率・卵重の低下が発生し、全国では1~2割、北日本及び西日本で1割未満、東日本で2~3割の地域で影響みられた。乳用牛の乳量・乳成分の低下対策として牛舎の送風・換気など、採卵鶏の採卵率・卵重の低下対策として鶏舎の送風・換気などが行われている。
また、温暖化による新たな品目への取り組みとして、サツマイモ(北海道、秋田)、レモン(長野・鳥取・広島)、レモン以外の柑橘としてスダチ(山形)、ウンシュウミカン・ユズ(鳥取)、その他でモモ(青森)、ハボタン(山形)、オクラ(京都)などが行われている。
なお、同レポートは都道府県の協力を得て、地球温暖化の影響と考えられる農業生産現場における高温障害等の影響、その適応策等について報告のあった内容を取りまとめたもの。調査対象期間は令和6年1月~12月。水稲をはじめ、果樹、野菜、花き、家畜等における主な影響、各都道府県の温暖化への適応策の取り組み状況等を取りまとめており、同省ではレポートに示されている影響、適応策等を参考としつつ、今後とも、適応計画に基づく取り組みが各都道府県で推進されることを期待するとしている。









