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令和7年9月29日発行 第3569号 掲載

生産者組合の農機活用状況/機械で拓くアフリカ農業(3)

 AFICATコートジボワール視察の連載3回目は、前回に引き続き、ヤムスクロの北にある灌漑地区450ヘクタールで米を生産しているCORISAK(サカス米生産者組合)を取り上げる。圃場で壊れて作業が中断しているクボタ及びヤンマー製コンバインの故障実態について聞き取りをした模様を紹介する。先にコートジボワールの灌漑水田における主な稲作体系についてみる。JICAや外務省によると、同国の南部は高温多湿な熱帯雨林気候、中部から北部はサバンナ気候となっており、稲作が盛んなのは中部から北部。雨期の時期や年間降雨量は地域により異なるが、稲作は年2回の雨期に合わせて行われ、概ね2期作が可能。降雨後に土が軟らかくなってから耕うんを行い、手作業による移植または直播をする。田植機は活用しない(CORISAKでは耕うんに45PS・75PSのトラクタと、ディスクハロー・ロータリを活用しているものの、田植えは面積の半分は手投げによる湛水直播、もう半分は手による移植で、人手確保が大きな課題になっているとのことだった)。耕うんや収穫、脱穀等の機械作業は、農家が機械作業が必要な時だけ機械所有者に作業を委託しており、裕福な農家が所有する機械を使ってサービスを提供する場合と、PMEA(中小農業企業)と呼ばれている民間業者の農業機械サービスプロバイダーが農作業の請負サービスを提供する場合がある。後者については、農業省傘下のコメセクター振興公社(ADERIZ)を通じてPMEAの機械入手を支援しており、PMEAを通した機械化を進めている。2021年にADERIZが実施した調査によると、国内には、PMEAならびに個人の機械オーナーを合わせて298のサービスプロバイダーが存在する。そして、それらの請負業者は、各地の圃場を巡る形で、機械作業を提供している。そうした稲作体系のため、同国の機械は、稼働時間が日本に比べて非常に長い。また、作業環境の面でも排水状態が悪いなど条件不良の圃場もあることから、従来以上の耐久性が要求される。それを踏まえて、CORISAK圃場で確認した故障機の実態をみる。なお、これらの故障したコンバインに近づくまでの道のりも、圃場内の長い細道を歩くしかなく、壊れた機体の搬出が難しいことがわかる。先に確認したのはクボタ製のコンバイン「DC―70 Plus」(69PS)。現地農業者に話を聞いたところ、導入したのは2024年で活用2年目。稼働時間は1735時間となっており、1年間に800時間ほど稼働した計算になる。故障した原因を聞くと、次の2つを示した。1つめは、過去にボディーフレームにある軸が折れてしまった際に、別の長いボルトのような軸で代替して固定したものの、今回またその軸が折れてしまったというもの。現在新しい軸を待っている状況で「なかなか部品が手に入らない」という。2つめは、クローラを駆動させる歯車が摩耗してしまい、新品に交換したものの、うまく動かないこと。これについては、昨年の時点でクローラが壊れてしまい、その修理に純正品ではないクローラを取り付けたため、歯車の穴のサイズが合わず、うまくかみ合わないのが原因ではないかと推察された。そのほか、消耗品であるファンベルトの切れといった問題点も見受けられた。同機の使い心地について聞いたところ、「非常に良い」と高く評価。選別の性能もとても良く、収穫した籾に異物が混ざることもないと語った。機械の調子が良ければ灌漑水田で1日当たり2~3ヘクタールは作業でき、陸稲の平らな圃場であれば4ヘクタールまで可能だと胸を張る。同機の所有者はPMEAだが、PMEAオペレータも、圃場の農家もこの機械に非常に満足しているという。現地の農家は(1)予定時間通り作業を終えられるか(2)収穫時のロスがないかを気にする傾向があるというが、それらの点も問題なく、満足しているようだった。次に近くの別圃場に移動し、故障して止まっているヤンマー製コンバイン「AW70V」(70PS)を確認した。農業者に故障の要因を聞いたところ、クローラを支えるホイール自体がずれてしまったという。「テンションホイールの軸の部分を支えて調整する部分が折れてしまったため、ホイールが抜けて、ずれてしまった。いったん外して溶接したうえで取り付けて、もう一度調整する予定だ」と語る。同機は3年前から活用しはじめ、稼働時間は1436時間。導入して2年目以降はこの手の問題がよく起きているという。同機はコロナ禍に国内の農作業が停滞してしまったことを受けて、コートジボワール政府が独自予算のプロジェクトを立ち上げ、ADERIZが購入した機械の1つ。ADERIZが直営にてサービスを提供しているとのことだった。農業者に同機の使い心地について聞くと、「非常に良い」と、こちらも好評。1日3ヘクタールは作業でき、選別の性能もとてもよいと賛辞を述べ、「機械で刈り取った籾にはどうしても稲わらが混ざるが、この機械で収穫した籾は比較的綺麗だ」と語った。

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