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令和7年9月29日発行 第3569号 掲載

市場の動向:主伐用にプロ向け需要堅調/チェンソー特集

 昭和29年に北海道を襲った洞爺丸台風による風倒木を処理するため本格導入が始まったとされるチェンソー。以来、70有余年。人間でいえば古希超えの歴史を刻んでいることとなるが、この国の機械化林業の構築、前進に大きく貢献、林業現場に欠かせぬ機械として普及、浸透、定着してきたことは、林業関係者の多くが認め、評価するところだろう。
 70年の歴史を持つ機械として、普及拡大という昭和の時代、需要が安定した平成の時代、そして環境問題などにも深くコミットしていくこととなる令和の時代と幾多の変遷を経て、現在に至っている。昭和の時代には、振動障害による白ろう病の発生など、難しい問題に直面する場面もあったが、伐採や枝払い、玉切り作業を効率化。省力化を実現、提供する機械として大活躍している。林業現場にとって必需品となっている。
 特に急峻な地形が多く、山岳林業の占めるウエートの高い我が国にあってチェンソーは、小型で持ち運びが便利な上、いろいろな作業に適応できる機動性と、高い鋸断性能を有する作業性とがあいまって現場に適応している。作業体系を形成していく上でのメーン機種の1つとなっている。
 研究者の中には、小型・コンパクトな機体ながら高い作業性を発揮するチェンソーを「まさしく高性能な林業機械といっていい」と高く評価する人も少なくない。
 日本の林業を支えてきたチェンソーだが、市場の動向をみると、林業情勢が反映されている。現在のチェンソーは、林業を核としつつも、建設・土木、造園・緑化、植木生産の業務用ユースから、果樹園での剪定、椎茸栽培での原木伐採などに代表される農業用、さらにはカービングなどで使われるホビーユースに一般カジュアル向けと裾野が以前に比べて格段に広がり、多様化している。街場のホームセンターでの取り扱いが進んでいることが多様性の一端を表している。最近ではネットでの扱いも増えているようだ。
 このため、街場の街路樹剪定などに使われるトップハンドル仕様のコンパクトタイプから、JLC(日本伐木チャンピオンシップ)に出場する選手らが駆使するプロ向けまで様々な需要を産んでいるが、林業に焦点を当てれば、本格的な伐採期を迎えて、主伐・再造林が主流となっている今、プロの使用に応えられる高性能タイプへの要請が高まってきている。
 日本のチェンソー市場といえば、40立方センチクラスを1つの目安として、それ以上をプロフェッショナル向け、40立方センチ未満をミニソーとに分ける時代が長く続いた。森林施業の主体が「間伐」であったことも手伝って、これまで排気量40立方センチ未満、なかでも30~35立方センチが大きなウエートを占めていた。40立方センチ以上が1、同未満が9の割合といわれてきた。
 大まかな構成比率は今もそう大きくは変わらないものの、30立方センチクラスでは40立方センチに近い排気量が増え、35立方センチ以下の割合が減るなど少しずつ変化している。現場の作業主体によって刻々変わってきているわけだが、その中で山の現場では、大径化している主伐に十分対応できるハイスペックな高性能機の需要が堅調な推移をみている。
 手堅く需要を獲得している今のチェンソーは、現在の市場の要請である、高い伐採能力を発揮し、軽快に作業するというニーズに応えている。より軽く、高い操作性をという林業者の声を採り入れながら、現場にマッチした機械が投入されている。特に今年はシーズン本番に向けて新製品の発表が相次いだ。いずれも本格プロ向け、期待が高まってくる。

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