農研機構など、土壌団粒のゲノム解析成功/土づくり特集

農研機構は12日、微生物の住処である「土壌団粒」の1粒単位でのゲノム情報を、シングルセルゲノム解析により世界で初めて明らかにしたと発表した。東北大学、愛媛大学、bitBiome(株)との共同研究によるもの。同研究では、超音波処理が土壌からの微生物細胞の抽出効率を高めることを示しており、本成果により土壌構造と微生物生態の解明を通して、GHG(温室効果ガス)無害化対策につながることが期待される。詳細をみると、同研究グループは、土壌微生物の働きを活用して、GHGの1つであるN2Oを無害化する研究開発に取り組んでおり、その過程で、土壌団粒の内部から微生物を壊さずに抽出する方法を検討し、細胞レベルで遺伝情報を詳しく調べる技術「シングルセルゲノム解析」を、土壌団粒単位で行うことに世界で初めて成功。「耐水性マクロ団粒」と呼ばれる団粒を対象に抽出方法を検討した結果、超音波処理を行うことで、より多くかつ多様な微生物を取り出せることが判明した。同技術では単離・培養を必要とせずに微生物のゲノム情報を取得できるため、従来の解析法と比較して、特定の遺伝子がどの微生物に由来するものなのかを高い精度で特定できる利点があるという。特に、超音波処理によって、温室効果ガスN2Oを無害な窒素ガスに変える細菌が多く見つかったうえ、複数の団粒を個別解析した結果、いずれの粒も類似した細菌群集の多様性(種数や種間の均等度合い)を持ち、窒素循環を可能にするほぼ全ての機能遺伝子を持つことを突き止めた。農研機構では今回の成果は微生物の機能を個別に解明するための大きな一歩であり、今後、様々な種類の土壌にもこの手法を広げることで、土壌構造と微生物生態の解明が進むと期待している。









