JA全農:肥料事業を推進/土づくり特集

JA全農はホームページで、良質な肥料を安定供給するための肥料事業を紹介している。
肥料の主要成分は窒素・リン酸・加里で、そのもととなる原料のほとんどを海外からの輸入に頼っている。全農は、自ら肥料原料を海外や国内から調達し、JAグループのBB肥料工場または肥料メーカーに供給。BB肥料工場および肥料メーカーで製造された肥料を、経済連・JAを通じて生産者に安定供給している。また、農業生産者が減少する中、安全・安心、美味しい農作物の生産には農作業の省力化、低コスト資材の供給、健康な土づくりが欠かせないとし、新技術・資材の開発普及と土壌診断に基づく健康的で効率的な施肥を進めている。全農の紹介概要は次の通り。
〈BB肥料〉
化成肥料は肥料原料を混合し、熱を加えるなどして反応させて粒にしたもので、1粒の中に窒素、リン酸、加里などの肥料成分が含まれています。BB肥料は粒状の原料を単純に混ぜたものです。そのため、様々な成分の肥料を簡単につくることができます。BB肥料の特性を踏まえ、全農では土壌や作物、地域性、省力化などの担い手のニーズに応じた、オーダーメード型のBB肥料の普及拡大を進めています。
〈有機質肥料〉
全農では、キャノーラ油を搾った粕であるなたね油粕や、魚粕などの有機質肥料を原料とした肥料を取り扱っています。有機質肥料は土壌中の微生物に有機物が分解された後、肥料成分が作物に供給されます。そのため化成肥料に比べて肥料の効き方が緩やかという特長があります。さらに、微生物に分解される過程で土壌の微生物の種類と量を増やし、土壌の環境改善も期待できます。有機質肥料は副産物が使われる場合が多く、穀物・飼料などの価格相場の影響を受け、価格が変化しやすい傾向があります。そこで全農では、穀物・飼料の価格相場の影響を受けづらい有機質肥料として「ひまし油粕」を海外から調達しています。
〈国内肥料資源を活用した肥料〉
肥料原料は、国際市況の影響を受け、価格の大幅な変動や資源争奪となるリスクが高い状況にあります。そこで、全農では日本国内の鶏糞燃焼灰や堆肥などの肥料資源を原料とした肥料を販売しています。国内の肥料資源を活用しているため、海外原料への依存度を下げることができます。また、これらの原料には石灰や微量要素が含まれているほか、堆肥には有機物が豊富であるため、土づくりの効果も期待できます。
全農では朝日アグリアと共同開発した混合堆肥複合肥料(商品名:エコレット、エコペレット)をはじめ、各地域において肥料メーカーと連携して、堆肥入り肥料の開発・普及をすすめています。また地方自治体と連携し、下水処理過程から取り出したリンなどの肥料原料活用も進めています。
〈省力施肥肥料〉
緩効性肥料(被覆肥料や化学合成緩効性肥料)を配合し、追肥に係る労力を削減できる肥料です。
一般的に肥料の散布は、栽培前に元肥を散布し、その後生育に応じて追肥を行います。水稲では追肥は夏の暑い中、重たい肥料を2~3回散布するため農家にとって大きな負担となっています。緩効性肥料による基肥全量施肥(一発施肥)によって、肥料の散布労力軽減、肥料の効率的な利用が可能となります。
一方で、被覆肥料は原料としてプラスチック(樹脂)が使用されており、被膜殻が水田外に流出する可能性が示唆されています。本会では肥料業界団体とともに被膜殻の流出抑制を呼びかけるとともに、流出防止ネットの設置や浅水代掻きの実施、流出しにくい被覆肥料の活用などを進めています。
中長期的には、代替となる省力・施肥法の普及にも取り組んでいます。具体的には化学合成によって肥効を調節した緩効性肥料やペースト肥料による全量基肥施肥、水口から施肥をする流し込みの肥料の普及を進めています。また、プラスチック使用量を削減した被覆肥料や生分解性樹脂など環境に優しい素材を使用した被覆肥料の開発・普及も目指しています。









