林野庁が林野火災の消防防災対策/躍進2025林業機械(34)

林野庁が8月、消防庁と共同で開催してきた「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」のとりまとめとして公表した報告書。林野火災の発生を未然に防ぐための対策や災害復旧・2次災害の防止など幅広い内容となっている。今後の消防防災対策について、予防・警報のあり方として、林野火災注意報(仮称)の創設とともに、林野火災警報の発令など新たな対応方法を示すとともに、今後の消防防災技術対策も具体的に提示している。ポイントをみる。
今年の2月26日に発生した岩手県大船渡市での林野火災。延焼範囲は、昭和39年以降最大の約3370ヘクタールに及び、住家90棟、住家以外135棟と被害が広がったのは記憶に新しい。3月9日に鎮圧、鎮火4月7日まで一月以上かかっている。
ここまで被害が広がった要因は、2月の月降雨量が観測史上最少と林野内の可燃物が乾燥していたこと、火災初期の風速が最大瞬間風速18・1メートル/秒と強風であったことなどが重なり、樹冠火を伴う激しい燃焼と飛び火が発生した。その後、リアス式海岸の複雑な地形と局地的な風の影響を受けて、多方面に拡大したという。
このため消防庁及び林野庁を事務局とした「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」が設置され、協議を重ねてきた。このほどまとまったのは検討会としての報告書となる。
報告書は、林野火災における予防・警報のあり方を示した「今後の消防防災対策」と、(1)大規模林野火災に対応できる消防体制のあり方(2)大規模林野火災に備えた多様な技術の活用・開発(3)災害復旧及び2次災害の防止活動から成る「今後の消防防災対策」でまとめられており、特に技術面は「今後の消防防災対策」で言及して、新技術、新装備のあり方などを示している。
大規模な林野火災に対応できる消防対策、中でも緊急消防援助隊を含めた常備消防の体制強化として、的確な情報把握のため、夜間の監視に対応できるドローン等の整備をはじめ、消火水利の確保のため、自然水を利用できるスーパーポンパーや、大型水槽付き放水車などの整備や消防防災ヘリの増強を要望。
また、山中での部隊投入のため、悪路走行性の高い林野火災対応ユニット車を整備するよう求めている。同ユニット車に積載される資機材として、背負式消火水のうをはじめ、大型仮設水槽、熱画像直視装置、スキッドユニット(ポンプとホースが一体型となった軽量なユニット)などをあげている。
一方、新技術・新装備の研究開発の推進として、ドローンによる空中消火や遠隔操作消火ロボットによる延焼阻止活動等の技術・装備とともに、林野、市街地にまたがる火災に対応できる延焼シミュレーション技術の研究・開発をテーマにあげている。さらに消火薬剤の効果的な活用の検討を指摘している。
ちなみに予防・警報のあり方として、「林野火災注意報の創設」(仮称)とともに、林野火災警報の的確な発令という、これまでにない新たに方法を提示。
林野火災注意報は、前3日間の合計降水量が1ミリ以下、または乾燥注意報が発表された場合に、発令。これに加えて強風注意報が発表された場合に出されるのが「林野火災警報」となる。









