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令和7年9月22日発行 第3568号 掲載

ナイジェリアの農業事情/JICA・AFICAT事業で情報交換会

 JICA(独立行政法人国際協力機構)は3日、オンラインでAFICAT(日・アフリカ農業イノベーションセンター)第7回情報交換会「ナイジェリア編」を開催した。
 AFICATは、JICAが推進し、アフリカ諸国における先進農業技術の導入促進を官民連携で実施する事業。日本の農業資機材メーカーのアフリカ進出を支援しており、2022年2月からタンザニア・コートジボワール・ナイジェリア・ガーナ・ケニアの重点対象5カ国にて順次稼働し、昨年2月より新フェーズとして引き続き活動している。本会はこの事業の一環として行われたもので、今回は重点対象国のナイジェリアについて、豊富な経験を持つ3人の日本人関係者が講演を行った。
 会ではAFICAT調査チームよりナイジェリアにおけるAFICATの活動内容が紹介された後、JICAナイジェリア農業開発アドバイザー・相川明子氏による「ナイジェリア農業セクターの概要」、ササカワ・アフリカ財団顧問・北中真人氏による「ナイジェリアにおける農業機械化:課題と機会」、Hidemi Consulting Ltd.最高経営責任者・オビオラ秀美氏による「ナイジェリアにおける多文化的ビジネス環境」―の3講演及び質疑応答が行われた。
 相川氏はナイジェリアの経済について人口規模は約2・1億人でアフリカ1位、名目GDPは同4位でアフリカ有数の経済大国であるとし、農業セクターについては名目GDPの約25%、労働人口の約3分の1を賄っているとした。また、国土の約77%が耕作適地であるものの、実際の耕作地はその半分未満で、キャッサバやソルガム、米、メイズ、ヤムイモ、ササゲなどを生産しているという。
 相川氏は同国内の穀物生産・流通について、穀物の国内需要が着実に増加しており、輸入代替の余地が大きく、畜産用飼料や加工用作物の国産化・高付加価値化のチャンスがある一方で、課題として、西アフリカ近隣諸国と比べて低い生産性(有用な農業資機材・農法・金融サービスが行き渡らない、灌漑設備の不足)や深刻な収穫後ロスなどを提示。また、不安定な治安により耕作地の放棄やセキュリティコストの増大、物流の分断などの課題もあるとし、農業ポテンシャルを活かせていないなどと指摘し、この対策として長期的な投資や支出最適化などが求められると語った。
 一方、北中氏は、ササカワ・アフリカ財団(SAA)の取り組みとして、1986年設立以来、35年以上にわたりアフリカの農業普及員や小規模農家に対して農業技術の普及を行ってきたと紹介。環境再生型農業や栄養に配慮した農業、市場志向型農業、能力強化、デジタル化などに重点を置いたアプローチで、ナイジェリアの多くの農家を支援してきたという。
 同国の農業機械化については、農業機械化率が世界で最も低い水準にあるとし、エンジン駆動技術を用いた農作業は推定3%に留まっており、手農具の使用率が90%、また、動物牽引技術が7%を占めているという。国内で稼働可能なトラクタは3万台と推定され、同国の農業システムは家族単位の自給自足型となっている。
 そのうえで北中氏は、ナイジェリアにおいて機械化を進めることにより、農作業における生産性向上や軽労化、生活水準の向上、収穫後ロスの削減、農産物加工・調製の実現、品質と価値の向上、雇用と持続可能な農村生計の提供などに役立つと説明。ナイジェリア政府は農業改革を進めているものの、日本製機械はその市場に参入しておらず、中国製品が市場を席捲しているのが現状になっている、などと語った。

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