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令和7年9月15日発行 第3567号 掲載

令和5年度スマート農業実証PJから:ロボットトラクタで省力化/トラクタ・作業機特集

 農林水産省農林水産技術会議はスマート農業実証プロジェクトの成果について取りまとめてホームページに掲載している。ここでは、その中から令和5年度のスマート農業実証プロジェクトにおける採択実証課題の成果報告から、トラクタ・作業機を活用したスマート農業事例をみる。
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 【令和5年度スマート農業実証プロジェクト初年度実証成果】
 露地野菜〈(株)みらい共創ファーム秋田ほか(秋田県大潟村、男鹿市、由利本荘市)〉
 ▽実証課題名=秋田県産タマネギの生産性改善による自給率向上モデル実証
 ▽経営概要=34・3ヘクタール(秋まきタマネギ32・7ヘクタール、春まきタマネギ1・6ヘクタール)うち実証面積:34・3ヘクタール
 ▽導入技術=(1)遠隔技術指導システム(2)ロボットトラクタ(3)AI自動選果機
 ▽目標=収量4トン/10アール以上かつ20%以上の増収▽畝立て・定植作業時間を25%削減▽選果作業時間の50%削減▽経営収支の10%向上
 ▽目標に対する達成状況=現在、遠隔技術指導実証を継続中。今年度の収量結果を元に評価する予定。ロボットトラクタの導入により、畝立て・定植作業に要する時間が41~46%削減となり目標達成。AI自動選果機の導入により、選果作業に要する人員が50%削減となり目標達成。スマート技術の導入効果(経営収支)については、今後データを集計し評価する予定。
 ▽導入技術の効果
 遠隔技術指導システム=遠隔技術指導システムを開発し、現在、実証中。リアルタイムでの技術指導が可能となった。
 技術指導AI・営農管理システム=技術指導AI及び営農管理システムを開発し、実証及びファインチューニングを実施中。精度向上が今後の課題。
 ロボットトラクタ=従来では畝立てと定植作業は別々に行われていたが、畝立てと定植作業を同時に行うことにより、畝立て・定植作業時間を41~46%削減。
 AI自動選果機=AI自動選果機の導入により作業人員を50%削減(通常選果時の精度および時間を維持した状態で6名から3名に削減)
 ▽事業終了後の普及のための取り組み
 遠隔技術指導システム:遠隔技術指導実証が終了後、2026年3月にNTTアグリテクノロジーよりサービス化を予定▽ロボットトラクタ:定植作業以外での活用場面を模索(減価償却費の削減)するとともに、実演会等を実施していく予定▽AI自動選果機:AI判別システムの精度向上に取り組むとともに、サービス化を模索する予定。
 露地野菜〈中村農園、石井農園、須藤農園(群馬県長野原町、埼玉県美里町、茨城県結城市)〉
 ▽実証課題名=需要家起点の農業支援サービスによる、加工業務用野菜のフード・バリューチェーン横断型の持続的生産体系の実証
 ▽経営概要=35・5ヘクタール(キャベツ16・3ヘクタール、その他19・2ヘクタール)うち実証面積キャベツ5・2ヘクタール
 ▽導入技術=(1)衛星画像地力マップ+GPSナビキャスタ(可変施肥システム)(2)衛星画像による生育把握(3)キャベツ収穫機(4)農業支援サービス(シェアリング)
 ▽目標=衛星画像地力マップ+GPSナビキャスタの導入により化学肥料使用量10%削減▽キャベツ収穫機の導入により10アール当たり収穫作業時間20%削減▽10アール当たりのキャベツ利益:16%増加(総コスト:4%削減)▽農業支援サービスモデルの確立
 ▽目標に対する達成状況=衛星画像地力マップ+GPSナビキャスタによる可変施肥で、化学肥料投入量を12%削減。収量・売上・品質ともに、圃場によるばらつきは大きいものの、ほぼ慣行と同水準を維持。手作業慣行区(28人時/10アール)に対し機械収穫機実証区(22人時/10アール)で、21%削減。実証区の10アール当たりキャベツ利益:7%増加、総コスト:3%削減。農業支援サービス成立のための定量要件を整理。
 ▽導入技術の効果
 可変施肥による施肥低減=10アール当たり肥料投入量を慣行比で12%削減。
 収穫コスト低減=10アール当たり収穫作業時間を慣行手作業比で21%削減。
 衛星画像による生育把握=63%の圃場で衛星画像により結球開始時期を把握できた(誤差10日以内)。
 農業支援サービス=サービス提供側(需要家)/キャベツ収穫機の新車シェア想定。月30万円×9カ月/年程度の利用料売上げが必要▽サービス利用側(生産者)=生産性向上効果20%想定。月に2・5ヘクタール程度稼働が必要(30万円/月の費用対効果)※現状の手収穫作業の能率による↓2・5ヘクタール/月の産地・生産者が9カ月分集まれば、新車のキャベツ収穫機シェア成立。
 ▽事業終了後の普及のための取り組み
 農業支援サービス展開要件を踏まえて、契約生産者のシェアチーム組成など、サービス展開に向けて継続的に検討する。キャベツ収穫機以外にも、レタス収穫機やドローン、草刈機など、その他ラインアップのサービスニーズ、サービス展開についても検討する。需要家と生産者の連携モデルを構築し、需要家起点での農業支援サービスのシステム的な確立を目指し、取り組む。

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