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令和7年9月15日発行 第3567号 掲載

乾田直播栽培技術マニュアルから:各種作業機を汎用利用/トラクタ・作業機特集

 米の増産に向けた省力化技術として「乾田直播」が改めて注目されている。乾田直播は、畑状態の水田に直接、種籾を播種する方法で、育苗や苗運び、代かきなどを省力化できる。麦、大豆などで使用するグレンドリル播種機を使えば、転作を行っている経営では機械を汎用利用できるメリットもある。一方、乾田直播の圃場は、播種時には排水機能が必要だが、出芽後の入水以降には慣行水田と同様に湛水機能が必要という、相反する機能をうまく切り替えることが乾田直播成功への重要なポイントとされ、ハードルが高いのも事実。ここでは、乾田直播栽培技術の概要をみる。
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 農研機構東北農業研究センターが発行している「乾田直播栽培技術マニュアルVer.3」によると、乾田直播技術の特徴として、▽大規模畑作で麦用に使われている播種機「グレンドリル」や、耕起に「スタブルカルチ
(チゼルプラウ)」などを用いる高速作業体系▽「ケンブリッジローラー」などによる鎮圧作業を、播種床造成や播種後に行うことで、安定した苗立ちが得られ、漏水対策になる▽プラウ耕と鎮圧を行う本乾田直播体系では、移植体系で不可欠な耕盤層が不要で、排水性が改善されるため、麦・大豆などとの輪作に適する「輪作稲作」―だとしている。
 まず、圃場準備として、レーザー均平機による均平作業が大区画圃場では必須の作業。田面高低差が10センチ以内になるように仕上げる。クローラトラクタで作業すると、砕土・鎮圧の効果も期待できる。圃場の均平化は、苗立ち、水管理、雑草対策にとって重要で、乾田直播では最も時間を要する作業。近年開発されたGPS均平機は、均平機の高さ制御にレーザーの代わりに高精度GPSを利用した作業機。
 代かきをしないため、一般に畦畔漏水が増加する。そのため、頑丈な畔を作る必要があり、畔塗り作業が必須。隣接する上側の圃場が移植圃場の場合は、水が浸入してくるため上側圃場との畦畔際に明渠を掘ることが必須。
 グレンドリルを用いた播種体系のポイントは、寒冷地における播種適期は4月下旬から5月上旬だが、トラクタが圃場に入れるようになれば早期に播種することができる。4月の早い時期に播種する場合には、種子に「チウラム」を塗沫。チウラムは殺菌効果とともに鳥害防止に一定の効果がある。チウラム塗抹後に、いもち病や紋枯病防除の有効成分や、イネミズゾウムシやツトムシの殺虫成分を含有する種子処理剤を塗抹することで、本田での防除作業を減らすことが可能。
 播種深さは、東北地域北部で15ミリ、東北地域南部では25ミリ程度。播種床は、硬く造成することがポイントで、深さ25ミリ程度に播種するには播種床の硬さを、片足のかかとに全体重をかけて踏み込んだ時の沈下量(足跡深さ)で50ミリ程度にする。播種床造成は、通常はパワーハローを用いる。足跡深さ50ミリ程度の硬さに仕上げるには、パワーハロー後部の鎮圧ローラーの作用強度を大きくして調整する。
 播種後の鎮圧に用いるケンブリッジローラーは、ヘラ状のタイン(クラッカーボード)を装着することで播種床造成にも利用できる。クラッカーボードを土壌に作用させることで、荒起こしされた土壌表面の凹凸を均す機能があり、ケンブリッジローラーで鎮圧・砕土して高能率な播種床造成ができる。

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