各社の対応:展示、実演でPR/宮崎県特集

(株)南九州沖縄クボタ(冨田泰史社長/宮崎県下20拠点・104人)の2024年度の実績は前年比微減となった。鳥越浩二営業本部長によれば、主食用米よりも、飼料用米を生産する顧客が多いため、米価の上昇に伴う売上げの増加はさほどなかったという。また、子牛の価格下落は落ち着きをみせたが、慎重ムードが続き、市場の活性化には直結しなかったようだ。「実演活動を地道にやるしかない」と鳥越本部長は前を向いた。
24年度の主要機の動向は、トラクタは「SL350」をはじめ、35馬力前後が販売台数の4割を占めた。また、大型機では「WORLD」シリーズなども伸長した。田植機は4条植えが主流。6、8条は売上げの6割をGS仕様が占めた。コンバインは2、3条刈が主流となったが、4条以上に関しても積極的に実演を展開した。作業機は、スライドモアなどの草刈機関連、そしてショートディスクハローが堅調だった。
25年度は、1~3月で拠点別の展示会や実演会を開催。4月からは担い手農家などに対してGS仕様のトラクタ実演を強化。エリアごとに最適なトラクタの実演も展開し、8月までは計画通りに推移しているという。 今後はコンバインの実演や、自走式やラジコンなどの草刈機を推進する。イベントの動向は、宮崎県と鹿児島県の合同実演会を都城市で11月に開催予定で、ダイコン、ニンジン、カンショの一貫体系の実演や、乾田直播技術の提案などを中心に展示。担い手農家を中心に多くの来場者を見込んでいると期待を寄せた。
農機サービスの動向は、顧客にDMなどを送付し、入庫点検を推進。点検のパッケージ商品も検討している。スタッフの熱中症対策は、整備工場屋根に遮熱塗装を施し、1人1台のスポットクーラー導入に加え、年間休日を10日増やし、労働環境と共に働きやすさの整備も進めている。
ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)南九州営業部、宮崎県下の24年度の実績は前年並みで推移した。霧島ブロックを担当する児玉良太エリアマネージャーによれば、米価上昇の影響で、コンバインや穀物乾燥機など、稲作関連機の需要が増加した。後付け自動操舵システムやドローン、ラジコン・ロボット草刈機なども引き合いが多かった。スマート農機の関心の高さに加えて、価格が手頃になったことも要因だと分析した。一方で畜産関連は子牛価格が安定したものの、23年に引き続き農機の動きは芳しくない。
24年度の主要機の動向は、トラクタは横ばいで、50~60馬力帯が増加。田植機も横ばいで、直進アシスト仕様の6、8条植えが主流となった。コンバインは2、3条刈が平年並み。米価上昇の影響と実演の強化などで4~6条刈が伸びた。草刈機は作業機、自走式、ラジコン、ロボットなど全般的に伸長した。
25年度、価格改定を4月に実施。そして7月に小林地区と都城地区で、それぞれ合同実演会を開催した。今年度の推進機種を中心に実演し、多くの顧客が訪れたといい、価格改定の影響は少なかったようだ。推進機種は、後付け自動操舵システムで、主に畜産農家を対象に播種機などに装着し実演を強化する。また、ラジコンやロボット草刈機なども推進する。
その他に、スマート農機に関して、畜産や畑作など専門のセールススタッフの育成も課題だ。需要が増加する中、製品は細分化し複雑である。専門スタッフが対応することで顧客との信頼関係を補強し、新たな提案につなげると意欲的だ。
農機サービスの動向は、顧客の手を止めないサービスを強化すべく、シーズン前後の農機点検を推進している。受注を分散することで、サービススタッフ不足の対策にもなるという。スタッフの増員も急務だ。熱中症対策として、屋根や外壁に遮熱塗装を施した。また空調服とスポットクーラーも導入し、労働環境の整備に余念がない。
(株)ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷清社長)南部営業部・宮崎事務所(10拠点・48人)の24年度の実績は、前年比微増で推移した。これについて三島靖部長によれば、続く物価高騰などのマイナス要因はあったが、米価上昇の影響から管理機やコンバイン、穀物乾燥機などが売上げを伸ばしたといい、市場の雰囲気は悪くないとした。24年度の主要機の動向は、トラクタは17~98馬力まで全体的に動いたが、45~60馬力帯が主流となった。田植機は4~6条植えが主流で、7条も動いた。コンバインは2~4条刈が主流だった。その他、自動操舵システム「CHCNAV」が堅調。新型が発売されたカンショ移植機が伸長した。また、同年度分は完売した「アイガモロボ2」は25年度分の予約を開始した。
25年度1~7月は前年比、計画比共に増加したと同部長は述べた。7月に価格改定を実施し、それに先駆けて展示会「初春感謝市in九州」を2月、グランメッセ熊本で開催した。展示会などで7月の価格改定を顧客に周知徹底し、駆け込み需要に対応できたという。
今年度の推進は、トラクタ「BFREX」にCHCNAVを装着し、ディスクハロー「ID2000」などを使用した効率的な作業提案。レベリングシステム「CHCNAV IC100」の実演にも注力する。また、(株)ISEKIアグリから今年5月に発売されたバッテリー製品「EGO」シリーズの販促も実施。ラインアップの中でも、乗用草刈機やチェンソーなど、草刈り関連製品を推進。今後のイベントとして、11月にブロック展示会を予定。
農機サービスの動向は、点検の受注増加に取り組んでいる。顧客に向けて声かけを強化しているが、一方でスタッフの技術力向上のために本社での研修受講にも力を入れている。また、スタッフの熱中症対策として、工場にはスポットクーラーを導入し、水分補給用の水も常備している。
三菱農機販売(株)九州支社(松尾秀二支社長)宮崎支店の24年度は、前年対比微減で推移した。これについて高崎伸二支店長は「畜産関連で子牛価格は上昇傾向にあるものの、農業資機材の価格高騰の影響などが相まって、顧客は慎重ムードにならざるを得ない」と説明した。24年度の主要機の動向は、トラクタは前年比減と伸び悩んだが、20~25馬力「X(クロス)S」が伸長した。田植機は前年比横ばい。5~6条植えが主流で、6、8条「XPS」も伸長した。コンバインは前年比減で、3~4条刈が主流となった。その他、ディスクハロー「KUSANAGI MDH1820」は販売台数を維持し前年比横ばいとなった。
25年度4月から、業務の効率化を目的とし、南九州支店(宮崎県・鹿児島県・沖縄県)として組織改正を実施した。今年度の推進機種は、60~105馬力トラクタに対応する新製品のディスクハロー「KUSANAGI Plus MDH2022」の販路拡大だ。加えて、新製品の28、35馬力トラクタ「GJE」、3、4条刈コンバイン「XC」などもアピールしていく。また、草刈機関連は提携メーカーと協力しながら実演を強化。農業用倉庫「ガルックスガレージ」(旧・ダイヤハウス)は、オーダーメードを強みに販促する。その他、紙マルチ田植機「LKE60AD」は、24年度の実演が好評だったことを受け、今年も継続して推進し、行政機関などに有機農業の提案を展開する。
農機サービスの動向は「安心点検ダイヤパック・ミニパック」を浸透させ、計画的な点検作業を推進する。また積極的なサービススタッフの育成に取り組み、各個人のレベルに合った階層別研修を実施している。









