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令和7年9月15日発行 第3567号 掲載

エリートツリーの展開と実践/躍進2025林業機械(33)

 成長に優れたエリートツリーと早生樹は、短伐期による高収益化や保育経費の削減が見込まれることから、今後の造林技術に欠かせない重要テーマとなっている。一般社団法人日本森林技術協会(小島孝文理事長)は8月25日、東京都千代田区の富士ソフトアキバプラザ5階アキバホールで、シンポジウム「エリートツリー・早生樹の展開と実践~事例から見る造林から利用まで~」を開催した(既報)。同シンポジウムの講演内容から、エリートツリーと早生樹の最新動向をみる。
 シンポジウムでは、基調講演2本と5つの事例紹介が行われた。
 最初の基調講演は、森林総合研究所九州支所森林生態系研究グループ主任研究員の山川博美氏による「スギエリートツリー等を用いた施業モデル~苗木の成長と下刈り、その後の課題~」。山川氏は、エリートツリーを用い、適切な植栽密度と立地を選ぶことで下刈り作業を省略でき、初期保育コストの削減につながるとした一方で、「単純に植栽密度を下げればよいというわけではない」と強調。植栽密度を下げることで林冠閉鎖が遅くなり、周辺植生の衰退が遅れて植栽木と再度競合する可能性などにふれた。そして、これまでの研究で初期成長に関連するデータはかなり蓄積できたことから、今後は除伐から収穫までのデータ収集が課題になるとし、「生産目標の設定や各生産材に適した森林づくりを進める必要がある。適地適木をもう少し発展させて、品種、立地、植栽密度などを総合的に考えていかなければならない」と主張。エリートツリーを用いた施業モデルが、新たなフェーズに入ったと指摘した。
 続いて、森林総合研究所木材研究部門木材加工・特性研究領域チーム長の杉山真樹氏が登壇し、「国産早生樹材の用材としての利用について」をテーマに講演した。杉山氏は、早生樹には高い期待が寄せられているが、未成熟材の比率が高いことや材質のバラつきが大きいこと、生育場所の選定が重要であることなどをあげ、早生樹を植える際は、これらのデメリットも受け入れる覚悟が必要だと強調。また、用途を考えたうえで植えることを推奨し、「収入面での見通しがなければ持続しないし、量が揃わなければメーカーも使わない。利用者ニーズを把握し、他事業者と連携して生産する必要がある」と述べ、「早生樹が林業の救世主になる」とする考えには注意を促した。
 続く事例紹介では、「特定苗木の普及状況について」(徳島県立農林水産総合技術支援センター資源環境研究課・藤井栄氏)、「コウヨウザンの造林作業について」(三好産業(株)山林部・濱田秀一郎氏)、「センダン植栽の普及拡大と育林技術の確立を目指して」(栴檀の未来研究会代表・福田国弘氏)、「オフィスから未来へつなげるセンダン活用プロジェクト」(プラス(株)ファニチャーカンパニーホスピタリティ事業部製作部・伊藤大介氏他)、「荒廃農地の林地転用について」(鳥取県三朝町町長・松浦弘幸氏)の5講演が行われた。

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