日本梨の新品種「蒼月」開発/農研機構

農研機構は5日、極早生でミルキーな甘い香気をもち、食味に優れたニホンナシの新品種「蒼月(そうげつ)」を育成したと公表した。
蒼月は、早生の主要品種である「幸水」より20日ほど早く成熟し、7月下旬から8月上旬に収穫可能。ニホンナシの需要は、7月下旬から8月中旬ごろに高まることから、生産者にとって大きなメリットがあると考えられる。蒼月は、幸水とほぼ同じ大きさで、極早生品種としては大果。幸水より果肉が軟らかく、糖度と酸味はほぼ同程度で、ミルキーな甘い香りと優れた食味を備えている。全国のニホンナシ栽培地帯で栽培でき、特に従来、露地栽培で幸水の盆前収穫が難しかった地域において、7月下旬以降から収穫が可能な極早生品種として、普及が期待されている。また、促成栽培が不要なため、資材費や被覆労力の軽減にもつながる。蒼月の主な特徴は次の通り。
▽早生の青ナシ「なつしずく」に極早生の赤ナシ「はつまる」を交雑して得られた実生から選抜▽幸水に比べ、樹勢はやや強く枝の発生密度はやや少ないため1年枝が太くなりやすい▽果実重は370グラム程度で極早生品種としては大果。果肉硬度は幸水より軟らかく、糖度と酸味は幸水と同程度で食味良好▽黒斑病に対して抵抗性がある。黒星病に対しては罹病性だが、慣行防除で対応可能▽牛乳から検出される香り成分であるγ―デカラクトンによる特徴的なミルキーな香気をもつ。
なお、農研機構では、蒼月をはじめとしたニホンナシに出現する、ほのかでミルキーな甘い香りのもととなる重要な成分を「γ―デカラクトン」と特定したことも、研究成果として同時に公表した。ニホンナシの特定の品種や交雑個体に出現するミルキーな香りに着目し、果樹育種、分析型官能評価、香気成分プロファイリングといった広範な専門分野で連携して研究を実施、香りの正体を突き止めた。これにより、香りや風味の優れたニホンナシの育種選抜への応用が可能となり、新品種育成につながることが期待されている。









