秋の農作業安全へ、トラ・コンの点検など解説/クボタがWEBセミナー

(株)クボタ(北尾裕一社長)は8月5日、「秋の農作業、安全と効率の良い関係 コンバイン・トラクタ編」と題したWEBセミナーを開催した。
同社の担当者が農作業安全のポイントやコンバインとトラクタの正しい使い方、掃除・点検方法などについて解説した。セミナー要旨は次の通り。
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安全な農作業を実現するためには、まず作業前の準備が大事だ。作業によって適切な服装が異なるので、作業に合わせた服装を心がけよう。
例えば、長靴を履いて斜面で刈払い作業をしていたところ、滑ってしまい、スパイク付きの安全靴に履き替えたという事例や、作業機の使用前点検中に、服が回転箇所に巻き込まれたという事例がある。標準的な服装として▽ヘルメット着用▽首にタオルをかけない▽袖口を締める▽裾をしぼったズボンをはく▽滑りにくい靴を履く―などを心がけよう。草刈り作業時は、▽耳栓▽保護メガネまたはフェイスシールド▽長袖長ズボン▽すねあて▽安全靴―などを身に着けるのが効果的だ。
農機から離れるときは動き出さないようにするために▽エンジンを停止▽駐車ブレーキをかける▽キーを抜く―といった対策を忘れずに。事故事例として、トレーラーを牽引したトラクタを傾斜のある果樹園に停めて、収穫した果物を積め込んでいたところ、駐車ブレーキが外れてトラクタが動き、後輪にひかれたというケースがある。必ず平坦地に駐車するように心がけよう。点検時も平坦地で行い、複数人で作業するときは合図を忘れないように。地盤の崩れそうな場所や段差、水路など、圃場の危険箇所を記したマップを作成し、危険箇所にはポールを立てておくのも効果的だ。
コンバインの安全ポイントについて解説する。乗車前には機械の周囲を確認。始動・作業時は運転者以外は圃場に入らないようにする。始動時や操作切り替え時は、ホーンを鳴らして周囲に合図する。あぜ道を走行するときの注意点は、▽移動前に籾を排出▽急旋回を避ける▽路肩を草刈りして危険箇所にポールを立てる▽路肩から十分な距離をとって走行―など。
圃場の出入り時は前後と横の傾きに注意。10センチ以上の段差には高さに対して4倍以上の長さのあゆみ板を使用する。後進時は後方に人や障害物、段差がないかどうかをチェック。バックミラーや目視で後方確認し、低速で後進。補助者がいる場合は補助者に見てもらうのがベストだ。
コンバインは運転席からの死角が大きく、後ろが見えにくいという特性がある。左バックミラーや、運転席からの左前方・左横の視界などに注意し、路肩が見える距離を保って運転しよう。手こぎ作業は、チェーンに巻き込まれにくい服装で行う。袖口をきっちり止めて、手袋や首タオル、ネックストラップは外す。手や腕が常にチェーンの外側になるようにして、作物を少しずつ流すのがコツ。万が一、巻き込まれた場合は片方の手や体で緊急停止ボタンを押してエンジンを止める。機械が動いている状態で手を近づける必要があるので、この手順をしっかり守ろう。
コンバインの掃除・点検のポイントについて。掃除することで機体の発火を防ぎ、順調稼働につながる。わら詰まりを予防すれば作業能率も向上する。まずはカバー内のわらくずを除去。回転する部位付近のわら溜まりは発火の原因となる可能性があり、掃除を徹底する。重点掃除箇所は▽ベルトカバー内部▽脱穀前カバー内部▽カッタカバー内部▽グレンタンクオープン内部―など。次にエンジン周り、燃料・オイル系、電装系の点検について。エンジン、マフラーのごみ、わら、泥の堆積、断熱材のはがれ、バッテリー配線など高電流箇所の損傷に注意。燃料・オイルの漏れがないかも確認しよう。
トラクタの安全ポイントについて。トラクタは汎用性の高さから年間の使用期間が長く、農作業安全の啓発テーマとして取り上げられることが多い農業機械だ。農林水産省の「農作業死亡事故の概要」によると、機種別では乗用型トラクタによる事故が最も多く、機械の転落・転倒が原因となることが多い。転倒・転落を防止するには安全キャブまたは安全フレーム付きのトラクタを使用する。シートベルトとヘルメットを必ず装着し、安全フレームは立てて確実にロックしよう。路肩から十分な距離をとって走行することを心がけ、事前に路肩の草刈りをすることも有効だ。圃場以外はブレーキ連結。急傾斜は低速で、あぜに対して直角に後進する。前輪が浮かないように作業機はできるだけ下げ、高低差の大きい場合は高さに対して4倍以上の長さのあゆみ板を使用。
公道走行のポイントは交通量の少ない道を選ぶこと。灯火器、バックミラーなどの視認性を確保しよう。作業機付きトラクタの公道走行には制限事項の法令がある。例えば、作業機の高さ20センチで灯火器の視認性確保など。作業機装着後の寸法によっては、大型特殊免許証が必要なので注意。
安全と効率の良い関係をアシストするスマート農業について。スマート農業技術を活用することで作業の大幅な効率化が実現でき、作業時に時間的・身体的な余裕ができる。自動運転やアシスト機能で、初心者でも焦らずに安定した作業が可能に。作業内容を登録することで、次回以降は経験を活かした効率的な作業ができるようになる。
傾斜地などの厳しい条件下でも、遠隔操作による無人作業で安全を確保。豊富なフェールセーフ機能を装備しており、万が一の時も事故につながりにくい。
クボタもスマート農業の取り組みを強化している。自動・無人作業を可能にするアグリロボや直進アシストGS仕様の農業機械、高速・高精度な防除や追肥を実現する農業用ドローン、ラジコン草刈機、水田の給水・排水を遠隔制御するWATARAS、営農支援システムKSASなど様々なラインアップがある。
クボタでは農作業安全の合言葉「そとのはたけ」を呼びかけている。作業時に特に注意すべき転倒、転落、巻き込まれ、熱中症などへの対策を次のように頭文字で分かりやすく表現。
「そ」は装着!シートベルトとヘルメット。「と」は止めて!エンジン。「の」は飲んでね、お水。「は」は背後を確認。「た」はタオルは首にかけない。「け」は傾斜と路肩に注意。
農業機械の特徴をきちんと理解し、安全で効率のよい農作業を実現させよう。









