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令和7年9月8日発行 第3566号 掲載

品目・品種・用途を拡大/植物工場研究会が勉強会開催

 特定非営利活動法人植物工場研究会(林絵理理事長)はこのほど、第166回勉強会「植物工場における多品目・多品種化、多用途化の可能性」をWeb開催した。岩田洋佳氏(東京大学教授)による「植物工場とデータ駆動型育種:工場に適応する育種と活用する育種」及び、鹿島光司氏((株)朝日工業社技術研究所)による「有用物質生産のプラットフォームとしての植物と植物工場での栽培」の2講演と、質疑応答が行われた。
 岩田氏は、近年活用され始めた技術としてデータ駆動型育種を紹介。これは、温室内環境や圃場試験、植物体などから自動収集・蓄積した大規模なデータを体系化し、システムとして最適化・効率化を行い、さらにゲノム情報を組み合わせて、よりよい植物を効率よく予測・選抜する技術。ゲノム情報と現在までの環境応答モデルを基に、将来の生長を高精度で予測でき、最適交配組み合わせの選択が可能になる。
 そして、これらのゲノム情報を活用したデータ駆動型育種に環境制御を組み合わせて、通常の2・5~5倍ほど早く花を咲かせるスピード育種を提示。ゲノム技術とスピード育種の組み合わせで育種の効率・精度・スピードが大幅に向上すると述べ、将来の食料需要に応える改良作物の開発が加速しているとした。
 一方、鹿島氏は有用物質のタンパク質に焦点を当て、植物工場を活用した組み換えタンパク質生産を商用で行っている国内外の事例を紹介。ホクサン(株)は産業技術総合研究所と共同でイヌ歯肉炎軽減剤「インターベリーα」を開発。密閉型植物工場で生産した、イヌインターフェロンαを蓄積する遺伝子組み換えイチゴ果実の凍結乾燥粉末が主成分で、2013年に農林水産省が承認、2014年から販売を開始した。朝日工業社も植物工場事業を行っており、昨今は有用物質生産植物栽培研究に取り組み、国の「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」を農研機構らとともに受託。コレラ毒素の抗原を米胚乳細胞に発現させた経口ワクチン「ムコライス」を開発した。これをベースに呼吸器感染症に汎用性のある経口ワクチンプラットフォームの構築を目指すなどとした。

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