農家ルポ:㈱グラノフ(鶴岡市)/山形農機展特集

鶴岡市で稲作をしている(株)グラノフは代々続く米農家で、今年法人化し新たなスタートを切った。今回は同社の佐藤雄紀さん(36歳)に話を伺った。佐藤家は鶴岡市西目で代々農業を営んできた。佐藤さんの祖父の代から農地を借り受けるようになり、経営規模を拡大してきた。
佐藤さんは地元の企業で働いていたが、30歳の時に就農した。「幼少期から手伝っていて、もともと就農する考えだった。祖父が高齢になり体力的に作業がきつくなってきていた。想像よりも早いペースで規模が拡大し、父一人では手が回らなくなってきたため就農を決めた」という。
いざ就農してまず戸惑ったのは、これまで外から見ていた農業のイメージとのギャップだった。 「一番驚いたのは、体力が必要なこと。農業は体力が必要なことは理解していたが、想像以上だった。溝切、草刈り作業など、圃場管理作業の多さに驚いた。最初の一年は作業の大変さを思い知らされた」と笑った。
佐藤さんが就農した6年前の栽培面積は20ヘクタールだったが、現在は30ヘクタールとなっている。
品種とそれぞれの面積は、はえぬきが18ヘクタール、雪若丸とつや姫がそれぞれ12ヘクタールで、佐藤さんと父母の3人で作業をしている。
同社の社長である父親の冨士雄さん(64歳)は、会社員として25年間勤務し、45歳の時に就農した。
同社の米へのこだわりは粒の大きさだ。「大粒は通常1・9ミリの選別網を使用するが、うちでは2・0ミリのものを使用している。米粒のバラつきがなくなり、炊飯時に均等に火が通り美味しく炊ける」と、特に米粒の大きさにこだわっている。その分収量が減ることになるが大粒の米で収量を増やすことを目指す。そのために佐藤さんは、土壌医検定2級、そしてご飯マイスターの資格を取得し、日々美味しい米作りを追求している。その甲斐あって、つや姫はほぼ毎年JA鶴岡青年部の最優秀賞を受賞している。
佐藤さんのこだわりの米作りを支えているのが、ヤンマーの農機だ。佐藤さんが所有する農機は、トラクタが3台(YT488・YT470・EG453)、コンバインが1台(AG572)、8条植えの田植機が1台だ。ヤンマーと佐藤さんの付き合いは祖父の代から。現在の担当者はヤンマーアグリジャパン(株)鶴岡支店の田宮知博支店長で、担当して1年半ほど。佐藤さんは「バリバリ動いてくれて、対応が早くて助かっている。正直田宮さんが担当になる前は農機を他に任せることもあったが、現在は田宮さんにお任せしている。細かいところに気が付いてくれ、農機に関しては間違いない」と、絶大な信頼を寄せている。
田宮支店長は1年半前に鶴岡支店に転勤してきた。「転勤してきて、この地域は他社の機械が多いことを知った。そんな中、まずはヤンマーの農機を使ってくださっているお客様を第一に考えなくてはと思った」と、これまでの知識と経験を活かし、佐藤さんを全力でサポートした結果、短期間で信頼を得たのだろう。
同社は今年法人化したが、それは地域農業を支えていくために体制を整える必要があったからだ。社名「グラノフ」の名前の由来は、穀物の英訳「グラ」と、農夫と農業の未来(Future)の2つの意味「ノフ」を合わせたものだ。
「地域の農家の現状を見ると、60ヘクタールまで増やしていかなくてはならない。しかしそのためには乾燥施設など、全ての体制を整えなくてはならない。地域に何軒の農家が残り、どれだけの面積をこなしていかなくてはいけないかを意識しながら拡大する必要がある。近隣の農家と協力しながら地域を支えていく」とした。
現在は地域のドローン防除作業を請け負っており、ドローン2台、メンバー6名で300ヘクタールを防除している。
「地域の今後を考えると、私の代でもう一段階経営規模を大きくしていかなくては対応できない。そのためには今後、機械力が重要だと思っている。どれだけ機械に投資できて、かつ効率的に活用できるかが私の中でのテーマだ。機械でいかに効率よく仕事の質を上げられるか、その機械に投資することによりどれだけ利益を出せるかがカギとなる。機械化も効率化も進めていくためには、ヤンマーさんの協力が必要だ」と、佐藤さんは力を込めた。
佐藤さんの祖父は地域でレベラーを使用した先駆者で、早くから合筆・均平作業を行い、効率化を図りながら経営面積を広げ、地域を支えてきた。佐藤さんもその志を受け継ぎ、ヤンマーの農機と共に地域農業の発展に貢献していく。









