色彩選別機にKSAS連携し、米の高品質化を実現/クボタWEBセミナー

(株)クボタ(北尾裕一社長)は7月23日、「お米の高品質化に挑戦!栽培のポイントと色選のメリット」と題したWEBセミナーを開催した。同社の担当者がクボタ色彩選別機の仕組みや特徴を説明したほか、営農支援システムKSASとの連携について紹介した。セミナー要旨は次の通り。
近年、温暖化が進んで猛暑日が増加する中で、異常高温は米の品質低下の大きな要因となっている。例えば乳心白粒は出穂後10~13日の高温や籾数過剰など、背白・基部未熟粒は出穂後5~24日の高温、胴割粒は出穂後1~10日間の高温や収穫直前のフェーン・刈り遅れなどが要因となって発生するといわれる。高温登熟で玄米が白濁化する要因としては、▽茎葉からの糖の輸送能力が低下するなど籾への供給が間に合わない▽高温によって糖からでんぷんへの合成が抑制される一方で、でんぷん分解が促進される―ことがあげられる。
高温の影響に対する適応策について。農林水産省の「令和5年夏の記録的高温に係る影響と効果のあった温暖化適応策等の状況レポート」によると、水稲作において効果があった取り組みとして最も多かった各県からの回答は「高温耐性品種等の導入」だった。続いて▽水管理の徹底▽施肥管理の徹底▽適期植え付けの徹底▽害虫防除の徹底―となっている。
異常気象への対策としては、▽直播栽培の導入など作期分散によるリスク低減▽緩衝力を高める土づくり▽作土深の確保▽ケイ酸資材を活用した高温障害に強い米づくり▽適期中干し・溝切りによる登熟力の高い米づくり▽地力に応じた効率的な施肥や後期栄養の確保―などが求められる。
水稲うるち玄米の2等以下格付けの主な理由は、形質、整粒不足、着色粒。着色粒は斑点米カメムシ類による被害が全体の9割となっており、対策が必要だ。
カメムシが発生しやすい条件は、▽畦畔や農道にイネ科の雑草が多い▽前年に斑点米被害が多発生▽夏期の高温―などがあげられる。対策には畦畔・農道の除草、薬剤防除、そして色彩選別機の活用が有効だ。
色彩選別機とは、カメムシ被害米、ヤケ、青米などの着色した被害粒や、籾、ガラス、プラスチックなどの異物を選別・除去する農業機械。食の安心安全を求める消費者に安定した品質の玄米や白米を供給するために選別は不可欠だ。
色彩選別機を導入すれば、玄米・白米中に混入した異物・不良米を排除でき、規格等級のアップが期待できる。品質を向上させることで消費者からの信頼が得られ、結果的にクレームの抑制や販路拡大につながる。
ここでクボタ色彩選別機「選別王」を紹介したい。選別性能を左右するのは「流す、見る、撃つ」の3つの工程。米をきれいに流し、カメラで見て、不良品を正確に吹き飛ばすことが求められる。
選別王は溝シュートのみを採用しており、米粒同士が重ならず1粒ずつ流れるため、少量からでもきれいに選別することができる(オール溝シュート)。
2次選別のシュートを設けておらず、一般的な選別機の1次・2次選別機構における2次選別からの戻りがなく処理能力が安定する(オール1次選別)。
不良混入率10%まで処理能力を落とすことなく、高精度な選別が可能。昇降機の数が減ることで、機体が軽量になり、掃除する場所が少なくなるのでメンテナンス時間やコストを削減できる。
高精度デジタルラインセンサカメラを搭載している。3台のモノクロカメラで高精度選別を実現。2台のカメラで反射光を捉え、カメムシ・ヤケなどの斑点・着色要因を検出する。残る1台のカメラで透過光を捉え、反射光だけでは検知できない乳白(シラタ)などの未熟米を同時に検出する。
切れ味の良い高速エアイジェクタを採用。不良品を確実に排除しつつ、良品の共連れを可能な限り減らすことができるようになった。
新機能「中心検出」で歩留まりを向上。不良箇所の検知と同時に不良米の輪郭を検出し、不良米の中心をねらって排除することで、前後の巻き込みを抑え、不良品のみを確実に排除する。
フルカラー7インチ大型タッチパネルで簡単操作。カメムシ被害などの感度も分かりやすく調整することができる。
側面にある点検口は従来よりも2・6倍大きくなり、メンテナンスしやすくなった。昇降機側面にも開口部を設けてあり、昇降機内部の清掃も楽々。工具レスで、長く安心して使用できる。
営農支援システムKSASとの連携も可能だ。選別王は、オプションでKSAS乾燥調製システムに接続できる。これは刈り取りから乾燥調製の工程を管理するシステム。KSAS連携により、1分ごとに選別結果(各被害の選別レベル)を記録する。コンバインで収穫した圃場の位置情報、圃場ごとの収量を連携し、選別結果と収量を地図上で確認できる(色選マップ機能)。被害の多かった圃場を俯瞰的に把握し、翌年以降の対策に活用できる。
選別結果からカメムシの多い圃場に対してドローンで防除をしたところ、カメムシの被害が減少し、収量が42%アップした事例もある。同時にくず米、中米も減少したという。遠隔管理で乾燥機の管理も簡単に。スマホで現在の水分値(進捗状況)や乾燥終了予定時刻を確認、異常発生時はメールで通知してくれる機能もうれしい。
コンバイン担当者は乾燥機の空き状況を、乾燥機担当者はコンバインの作業進捗をそれぞれ共有でき、作業効率化に寄与する。乾燥調製の把握、管理の徹底で信頼性向上につながる。作業記録はKSASクラウドに保存して、いつでも出荷先に工程履歴を提示できるようになる。
色彩選別機とKSASを活用して高品質・高収量を実現させよう。









