バイオスティミュラント普及拡大へ/関東農政局がみどり戦略勉強会

関東農政局は20日、みどりの食料システム戦略勉強会(第34回)をオンラインで開催した。これは、同農政局が同戦略に関係するテーマについて毎月開催しているもので、前回から2回にわたり「バイオスティミュラントの可能性を探る」をテーマに取り上げている。今回は「バイオスティミュラントの現状と課題」と題し、日本バイオスティミュラント協議会・理事企画広報委員長の鈴木基史氏が講演を行った。
バイオスティミュラント(以下、BS)は、農作物の高温や乾燥などのストレスに対する耐性を高めたり、栄養分の吸収・利用を改善させることにより、品質や収量を向上させる効果が期待されている。
鈴木氏は、同協議会におけるBSの位置付けとして、農薬・肥料・土壌改良資材とは異なる概念であるとし、▽農薬が害虫や雑草などの生物的ストレスを緩和するのに対し、BSは高温や乾燥、湿害などの非生物的ストレスを緩和▽肥料が植物に栄養を与えるのに対し、BSは栄養素の取り込み向上に寄与▽土壌改良資材が土壌の性質変化をもたらすのに対し、BSは植物をより良い生理状態にする―などの違いを示した。
同協議会が2024年に行った、会員企業へのBS出荷統計調査をもとにした現在の国内出荷額推計は約100億円。世界市場は2030年に1兆円になるともいわれ、さらなる普及拡大が見込まれている。それに伴い同協議会では、BS製品流通における仕組み作りを議論しているとした。
続いて、今年5月に農林水産省が策定した「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」の中で「根拠情報の確認」を求めていることを踏まえ、BS製品の分類ごとに根拠情報の事例を提示。例えば、腐植(フルボ酸、フミン酸)については、植物の栄養の取り込みを高め、土壌の物理性・化学性・生物性の全てを改善する効果が期待できるとし、その根拠情報としてレタスの高温障害対策やコマツナの乾燥障害対策の実証実験を紹介。微生物については、窒素やリン酸を効率よく植物に供給する効果が期待できるとし、その根拠情報として窒素固定菌の施用区において収量が64%増加した実験成果を例示した。鈴木氏は「どのような実験をしたらどのような効果があったのかを、使用者に伝えることが大切」とし、「品質のバラツキなくBS製品を作ることが事業者の責任だ」などと述べた。
そして、BS製品のさらなる普及拡大に向けて、▽事業者はBS製品の使用方法や特徴を使用者にきちんと伝えること▽使用者は植物の状態や受けているストレスに合わせてBS製品を的確に用いること―が重要であると強調。「生産者が安心して使用でき、事業者が責任を持つという仕組みをしっかり作っていきたい」と述べ、講演を締めくくった。









