有機農業の拡大へ/土づくり推進フォーラム

土づくり推進フォーラム(松本聰会長、事務局:一般財団法人日本土壌協会)は7日、都内千代田区の日比谷図書文化館大ホールならびにWebにて、土づくり推進フォーラム講演会を開催した。今回のテーマは「有機農業推進のための土づくりの現状と将来展望」で、これには全国から会場・Web合計で260名以上が参加した。
開会の挨拶をした松本会長は、国が進めるみどりの食料システム戦略で「耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%(100万ヘクタール)に拡大」を目標に掲げているものの、実際の面積は1%未満となっており、有機農業がなぜ定着しないのかが難しい課題となっていると指摘。今回はその点について技術的な講演をしてもらうので、積極的な意見交換をしてほしいと呼びかけた。
講演会では(1)有機農業推進のための土づくり(島根大学生物資源科学部客員教授・金子信博氏)(2)秋まき小麦の有機栽培における安定生産技術(北海道立総合研究機構中央農業試験場主査・小谷野茂和氏)(3)土壌診断に基づいた土壌生物を活かす土づくり(安芸の山里農園はなあふ代表・森昭暢氏(土壌医))(4)ラズベリーの有機栽培に向けた土づくり(秋田県東京事務所あきた売込み課・加藤はなゑ氏(土壌医))―の4講演ならびに総合討論が行われた。
そのうち金子氏は、有機農業推進のため、耕うんによる管理から不耕起による管理を提案。不耕起により植物根を保全し、土壌生物多様性を向上させるもので、FAOも(1)物理的な土壌攪乱を最小限に(2)カバークロップ活用し地表面を有機物で保護(3)輪作・混作など栽培システムの多様化―を原則とする「保全農法」を提唱しているとした。世界ではローラークリンパーでカバークロップを押し倒し、そのまま不耕起播種機で播種する不耕起有機栽培の技術革新が進んでおり、米国農業では同栽培の普及により燃料消費がこの40年で4割減少したという。有機農産物は健康に良い効果があるとした調査結果なども示し、不耕起・省耕起の有機農業及び有機農産物の重要性を訴えた。









