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令和7年8月11日発行 第3563号 掲載

担い手の更新が増加/岡山県特集・各社の対応

中四国クボタは、管内における農機需要が今年3月頃から高まり出した。拠点で開催した展示会では例年に比べて若い担い手の参加が目立ち、展示会での売上げも昨年に比べて大きく伸ばした。岡山営業部長の伊藤生希氏は「昨年の稲刈りが終わった時期に玄米低温貯蔵庫のキャンペーンを張ったところ、これが、すごく売れた」と話す。県の中・南部ではアグリロボ田植機「NW80SA(8条植え)」4台と、アグリロボトラクタ「MR1000H(100馬力)」1台が売れるなど、大型自動運転農機を導入する機運が高まっている。この背景には、昨年来の米価の上昇が少なからず影響している。飼料用米の生産から主食用米の生産に舵を切る農家もいるようだ。2025年1~5月の本機(トラ・コン・田)の荷動きは前年同時期に比べてトラクタは微増、田植機、コンバインは大きく伸ばした。トラクタは60馬力、田植機は6条植え、コンバインは4、5、6条刈といったクラスが管内の主流となっている。全体の売上げは前年比127%で推移した。KSASの入会状況は岡山県で210軒(6月27日時点)、中国地方では一番の入会状況となっている。RTK基地局は津山東部、蒜山、岡山、邑久の4営業所に設置。農家からは「特に田植機の自動操舵で効果がある」と好評を博している。状況をみながら、同社は基地局をあと1カ所増設することを検討している。イベントは10月の末頃にスーパーマーケット「PLANT-5鏡野店」の駐車場にて大展示会を開催する予定。同会では大規模担い手に向けてクボタ製品をアピールしていく。営業面では整備工賃が全体の売上げのなかでも大きなウエートを占めており「農閑期に農機の整備をいかに徹底していただくか、これが肝となる。昨今の若い担い手は休日を農作業以外で費やすことが多い。従って日頃からの整備を徹底しておけば、お客様も我々も安心できる」と力を込める。ヤンマーアグリジャパン中四国支社は管内の動きについて、昨年来の米価の高止まりの影響もあり、大規模担い手による農機更新が増えている。一方、1町歩未満の小規模、3町歩未満の中規農家については引き続き厳しい状況にあり、農機の更新が後回しになる傾向である。2024年度(24年4月~25年3月)の主要3機種の荷動きは、前年度に比べてトラクタは前年並み、田植機は微減、コンバインは微増であった。県内の総農家数の約45%が自給的農家という構成で、田植機の売上げを少なからず牽引してきたこの層の離農が続くなか、田植機はやや苦戦した。トラクタは県北で25馬力、県南では40~50馬力、田植機は6、8条植え、コンバインは4条刈といったクラスがボリュームゾーンとなっている。岡山事務所の田上靖浩エリアマネージャーは「管内の自給的農家は農機の更新ができなくなると離農して田んぼを売るという事例が非常に多くなったと感じる。しかし売った田んぼは維持するのが難しく、その結果、耕作放棄地が点在する。この状況下では離農を踏みとどまる当該農家層と大規模農家のお客様をしっかりと維持せねばならない」と話す。実演は新製品のトラクタ「YT225Aリミテッド仕様(25馬力)」に注力、各種作業機を付けて展開している。現在はこの新製品のほか、セル仕様の管理機、草刈機を軸に提案を行っている。セル仕様となったラジコン草刈機「YW500RC」はその操作性の良さで管理機とともに好評を博しており、その他の草刈り関連製品を含め、堅調な荷動きをみせている。田上マネージャーは「今後もヤンマー製品およびスマート農機による省力・省エネの実現を目指したい。お客様の資金計画に沿ったファイナンスプランなども用意しているので、営農全般、お気軽にご相談いただきたい。また、時期前後の修理・整備の体制を充実させ、農繁期にお客様の手を止めず、今後も選ばれる会社であるよう心掛けたい」と力を込めた。ISEKI Japan中四国カンパニーのこれまでの動きについては、2025年3月以降から主要3機種の荷動きが例年以上に活発化した。特に田植機とコンバインは昨年の倍ほどの荷動きとなった。岡山営業部の小林純一次長は「2月頃まで苦戦したが、1~6月をみると、全機種ともに前年同時期と比べて台数・金額ベースで飛躍的に伸びた」と力を込める。同社の岡山営業部では毎年3月中旬の3日間、「スプリングフェア」を同営業部の敷地内で開催していた。しかし今年は県下に点在する顧客を考慮し、拠点ごとにイベントを開催。地の利を活かしたこれらの催しが地域の農家を動かし、農機更新の機運を高めた。小林次長は「7月の製品価格改定を睨み、前述のイベントを含め、5月以降の値上げに係る『告知チラシ』を全顧客に配る動きに注力した。これらの地道な取り組みも大幅な売上げをみせた要因かと思う。一方、7~8月は踏ん張りどころになると予測する。来る11月には岡山営業部に集約した『農家とヰセキの秋祭り』を開催するので、ここでしっかりと拡販したい」と話す。トラクタは25~30馬力、田植機は4条植え、コンバインは4条刈といったクラスが主流となっている。そして管内におけるこれまでの農機更新は台数を大幅に伸ばしているのが特筆だ。小泉道也部長はこれまでを振り返り、「私としては各営業所の所長自身が自発的に企画・立案・実行できる環境づくりに専念した。これに呼応する形で各所長は緻密な企画を立ち上げ、獅子奮迅の働きをした。上期の瞠目に値する販売実績はこの流れによるものと考える」とし、「近年まれにみるほど個人農家による農機更新が際立ち、とても印象深い」と総括した。作業機および草刈り関連機も、メーカー各社との同行推進や実演会を着々と行い、その結果、これら商品も堅調な売れ行きをみせる。7月11日には自動操舵装置、作業機、草刈機のメーカーを岡山営業部に招聘し勉強会を実施。特に若手社員を中心に、今後の実演会で農家への提案がスムーズにできるよう見聞を広めた。三菱農機販売西日本支社は、昨年来の米価の高止まりが続くなか、管内における生産者の高齢化と後継者不足、離農といった課題が常態化している。7月は三菱マヒンドラ農機製品の価格改定を行ったものの、いわゆる「駆け込み需要」のような動きは過去に比べて少なかった。農機製品はもとより物価高が続くなか、管内では中古農機の需要が非常に高まっている。しかし供給が追いつかない状況だ。岡山支店の正金宗一郎支店長は「特に中古トラクタ(20~30馬力帯)の引き合いが多い。希望されるトラクタがない場合は、それに類似の実演機や新品を一度試乗していただくことを心掛けている。もっとも購入の動機が中古価格のため、なかなか難しい」と話す。同社の主要3機種における2024年度(24年4月~25年3月)の販売実績は、前年度に比べてトラクタおよびコンバインは減、田植機は伸長した。モデルチェンジ前のトラクタ「GSシリーズ(18~25馬力)」の拡販に注力した結果、23年度は大きな売上げをみせた。この反動からモデルチェンジした「XSシリーズ(18~25馬力)」の販売に苦戦した。田植機は業界最速の植え付けスピードを誇る「XPSシリーズ(6、8条植え)が好調な売れ行きをみせ、紙マルチ田植機「LKE60AD(6条植え)」、ペースト施肥田植機「LE50~80AD」も売上げを牽引した。ペースト施肥田植機について三菱マヒンドラ農機は、2023年から全国規模で地道に実証試験を重ねており、導入した生産者からは「雨天でも田植えができ、一発施肥で生育と食味が良くなる」と好評を博している。今後について正金支店長は「農家の高齢化が進むなか、広大な水田での作業は負担が大きい。この課題解決のため、加えて時短作業を実現するために、三菱の中~大型トラクタ、これに付けるKUSANAGI(ディスクハロー)、高性能コンバイン、そして高速田植機のXPSシリーズが開発された。これら農機を軸に、三菱製品の拡販に取り組みたい」と力を込める。倉敷河上農機は今年2月14日に創業100周年を迎えた。同日の午後から倉敷市内のホテルにて関係各社を招待し、記念式典を執り行った。年度開始月の2月から6月における主要3機種の販売実績は、2024年の同時期と比べて3機種ともに100%を超え、伸長した。特に田植機は台数ベースで2桁増の売れ行きをみせ、好調に推移した。同社は2月から5月にかけて「100周年記念特別セール」と銘打った紙面展示会をDMで打ち出し、紙面でラインアップした農機の販売状況を同社HPと連動させるなど工夫を凝らした。これが功を奏し、特に実演機や在庫品(今後に旧型となるトラクタなど)の荷動きが活発化、売上げを伸ばした。管内ではトラクタは30馬力前後(大規模担い手は60馬力以上)、田植機は4条植え、コンバインは3条刈といったクラスが主流となっている。山部社長は「コンバインは2条刈が大分減った。田植機は主に若手農家が直進キープ機能付きのものを求める傾向にある。笠岡市内の干拓地にある畑地で後付けの自動操舵装置の活用が増えている」と話す。7月25~26日の両日はコンベックス岡山の中展示会場にて「クボタ農業応援!2025大商談会」を開催。農機販売のほか、農機の補助事業の講習会、コンバインのメンテナンス研修会を行った。また、昨年に続き、トラクタが転倒する角度を体感できるコーナーを設けて、シートベルト着用による安全運転を啓発し、来場者の耳目を集めた。山部社長は今期の見通しについて「現時点では米価が高止まりしているため、農機市場は良い状況かと思う。これに乗じて農機の更新をしっかり加速させたい」とし、「おかげさまで弊社は創業100周年を迎えることができた。これもひとえに担当地域の農家の皆様、各農機メーカー様のお力添えによるもの。引き続き、農業者の良きパートナーとして、安全な農機とこれに関連するサービスを提供し、地域農業の発展に貢献したい」と思いを新たにしている。

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