第19回トップセミナーを開催/全森連と農林中金

全国森林組合連合会と農林中央金庫は7月31日、8月1日の2日間、第19回森林組合トップセミナー・森林再生基金事業発表会の模様をライブ配信した。これは、森林組合系統の経営層などを対象に、最新の林業情勢への理解と先進的な経営マインドの醸成を目的として、毎年開催しているもの。今回は、ネイチャーポジティブについての基調講演、部下の育成をテーマにした特別講演、そして第10回農中森力基金事業の成果報告が行われた。最初に、主催者を代表して中崎全森連会長と北林農林中金理事長が挨拶。中崎会長は、全国各地で発生した林野火災の被災者に向けてお見舞いを述べるとともに、1日も早い復興と森林再生に努めていきたいと述べた。また、2024年度から、基金による助成対象が従来の森林整備に加え、空間利用や生物多様性にも広がったことを受け、地域課題の解決に向け、さらなる応募の検討を呼び掛けた。基調講演では、東北大学グリーン未来創造機構/大学院生命科学科教授の藤田香氏が「ネイチャーポジティブの動向と森林の関わり」と題して講演。「自然を回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め反転させるための緊急の行動を取る」というネイチャーポジティブの世界的取り組みを説明。我が国でも2024年3月に「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」が策定され、企業のネイチャーポジティブ経営が進んでいることを示した。自然保全を重要課題と位置付け、自然への貢献を最大化する同経営は、株価向上などにつながりビジネス機会にもなることから、2030年には日本の市場規模が47兆円にまで拡大することが予測されている。今年4月には林野庁が「森林の有する多面的機能に関する企業の自然関連財務情報開示に向けた手引き」を発行。近年は森林由来カーボンクレジットの人気が高まっているとし、その理由として、森林には脱炭素だけでなく、水源涵養、生物多様性向上の機能もあり、国連が求めるネイチャーポジティブ経営を進められることなどをあげた。将来的には、水や生物多様性のクレジット化への広がりも想定され、ネイチャーポジティブにおいて、森林は多くの可能性を秘めているとした。その後2日間にわたり、農中森力基金事業発表会が行われ、▽ICTを活用した被災森林復興(苫小牧広域森林組合・北海道)▽松くい虫被害地の森林機能の再生(遠野地方森林組合・岩手県)▽鳴子温泉「雫の森」再生プロジェクト(大崎森林組合・宮城県)▽山林火災からの速やかな森林再生(西白河地方森林組合・福島県)―など、全国7事業の取り組み成果が報告された。









