各社の対応:最適提案と実演に力/大分県特集

(株)中九州クボタ(西山忠彦社長)第2営業部(大分県13拠点・80人)の24年度の実績は前年比増で推移した。これについて内田信二営業本部長は、実績が伸びた背景には複合的な要因があったと述べた。まず、省力化や効率化の製品としてスマート農機の認知度が向上し、普及が進んだこと。一方で農業従事者の高齢化により、扱いやすい小型製品にも需要があった。更に、米価上昇の影響で、乾燥機、色彩選別機、籾すり機など、米関連製品が伸長したことなどをあげた。
同年度の主要機の動向は、トラクタは30馬力クラスを中心に60馬力以上の需要も拡大。田植機はGS仕様の6条植えが堅調。コンバインは4条刈が伸長した。その他、草刈機は乗用型、自走型、ラジコンとも好調だった。
25年度は7月1日に価格改定を実施。これについて同部長は「製品を使ってもらうための実演を中心にした提案活動を強化する」と方針を述べた。顧客は担い手と個人農家の二極化が顕著だとし、各顧客に寄り添うような最適な提案をすることで、物価高騰の波を乗り切ると語り、今年度の売上げは前年比110%を目指すと前向きであった。今年度の推進機種は、GS仕様のトラクタ、コンバイン、田植機。自動操舵システムや乗用管理機「ナビライダーNR23」、ドローンなども提案を強化する。ドローンの発売から約10年が経過し、新機種提案の頃合いだと期待を寄せる。また、米関連製品の需要も続いているので高温障害やカメムシ対策として色彩選別機を推進。その他、中山間地域へのラジコン草刈機の導入も推進する。イベントの開催状況は、7~9月にかけて拠点やグループ展示会を予定。中古機展や実演会なども計画中だとした。
農機サービスに関しては、売上げと同じく前年比110%を目指すと同部長。入庫点検や重整備は、県内3カ所(阿蘇久住・宇佐・大分)の大型サービスセンターに集約。すぐに修理できるものは拠点スタッフが対応し、柔軟な対応で稼働率を上げ収益向上を狙う。また熱中症対策には、冷感タオルを導入している。
ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)南九州営業部(大分北部・中部ブロック)の24年度の実績は前年並みで推移した。同地区を担当する大岩成彰エリアマネージャーによれば、上期は製品や資材の価格改定や、野菜栽培における高温障害などマイナス要因が多かったが、下期になり米価上昇の影響で実績は持ち直したという。米関連製品の増加に加えて、カンショ、サトイモ、ネギなどの野菜関連機が伸長した。特にネギは県が支援策を打ち出していることもあり、顧客からの需要が増加した。同年度の主要機の動向は、トラクタは北部や南部などエリアによりばらつきがあるものの、30~57馬力が主流。コンバインは2条刈が苦戦したものの、3、4条が伸長した。田植機は4~6条植えが横ばい。作業機「ディスクティラーDTM」シリーズの問い合わせが増加。草刈機は、スライドモアなど作業機のほかに、自走式、ラジコンなど幅広く需要が増加した。また、野菜関連ではミニハーベスタが堅調だった。
25年度4月、製品の価格改定を実施した。これについて同マネージャーは「価格改定の対策というよりも、お客様の課題に向き合い、解決に取り組むような提案活動を今後も続けていく」と抱負を述べた。今年度も省力化や効率化をアピールするスマート農機を推進。直進アシストトラクタに作業機をセットし、実演活動を強化している。野菜関連では畝立て成形・マルチ、また、草刈り関連ではブームモアやスライドモアなどの作業機も推進する。イベントの動向は、昨年に引き続き、今年もグランメッセ熊本にて大分、熊本の合同展示会を7月18、19日に開催。秋には実演試乗会も予定している。
農機サービスの動向は、米価上昇に伴って点検整備の依頼は増加傾向にあるので、整備センターとの連携に力を入れている。また、これを追い風に顧客との信頼関係をより強固なものにするため、買い替え時期のアドバイスやその他の提案にも力を入れ、顧客に寄り添ったサービス提供を推進している。
(株)ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷清社長)中部営業部・大分事務所(8拠点・48人)の24年度の実績は前年比増で推移した。これについて佐藤国康副部長は、製品提案とアフターサービスの強化が奏功したと述べた。また同年度2月にグランメッセ熊本で開催した展示会「初春感謝市in九州」には6000人を超える来場者があり、見込み客の掘り起こしが売上げ拡大につながったと振り返った。主要機の動向はトラクタ「RTS5」23~25馬力を中心に、「BFREX」シリーズも堅調。田植機は4、5条植えが主流。コンバインは3条刈が伸長し、これまで主流だった2条は減少した。自動操舵システム「CHCNAV」はBFREXと共に実演を強化し、県北部などで拡販に成功した。その他、草刈機は作業機や自走式などを中心に伸長した。
25年度2月、昨年同様に展示会を開催。約70社のメーカーが参加し、盛況だったという。そして7月に製品の価格改定を実施。それに向けて5月から顧客向けの商談会を行い、駆け込み需要に対応した。同副部長は「売上げ前年比114%を目指す」と強気の姿勢だ。今年度の推進機種はトラクタ、コンバイン、田植機の各「All Japan」シリーズで、大型農機のシェア拡大を狙う。その他、ロボットトラクタや可変施肥田植機などスマート農機を中心に推進。また、好調なCHCNAVIに加え、レベリングシステム「CHCNAV IC100」の実演にも注力する。その他に飼料用米を対象に植物の生育を促進する「マイコス菌根菌」を使用した乾田直播技術の提案や、既に今年度分は完売となってしまった「アイガモロボ2」のプロモーションも平行して行っている。
農機サービスの動向は、同社の新車を対象に初回点検サービスを実施し、顧客の囲い込みに余念がない。適正価格による見積りや、短納期の「スピード修理」も行い、顧客満足度向上に取り組んでいる。
三菱農機販売(株)九州支社(松尾秀二支社長)大分支店の24年度の実績は横ばいとなった。米価上昇に伴って各製品の需要も伸長したという。主要機の動向は、トラクタは35馬力を中心に幅広く伸長。田植機は4~8条植えとこちらも幅広く動いた。特に6、8条田植機「X(クロス)PS」は実演を強化したことで売上げを伸ばした。コンバインは2~4条刈が主流だった。ディスクハロー「クサナギ」はトラクタにセットし実演回数を増加。短時間で作業が完了するパワフルさが好評だった。その他、草刈機は堅調で、自走式や作業機などを中心に動いた。
25年度になり、業務の効率化を図るため同支店と熊本支店は4月に合併し、中九州支店と改名した(8拠点・27人)。新体制下で初の価格改定を7月に実施。幸村義一支店長は、2県のスタッフ連携を強化するため各拠点に足しげく通った。各顧客に対し、価格改定の周知徹底を図り、6月は駆け込み需要に対応できたという。「お客様とスタッフの想いをくみ取れるような体制づくりを目指す」と今後の抱負を述べた。今年度の推進機種は、新製品のコンパクトトラクタ「X(クロス)S」シリーズ。加えてクサナギ、XPS、ラジコン草刈機など。また紙マルチ田植機も推進している。
農機サービスの動向は農機点検の呼びかけを強化。パッケージの「安心点検ダイヤパック」も推進。また工賃の見直しや搬送費、出張費などの徴収も実施し、確実な収益確保に取り組んでいる。









