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令和7年8月4日発行 第3562号 掲載

小坂新長官の会見③木を使う機会増やす/躍進2025林業機械28

 先週に引き続き、この7月1日付の人事異動で林野庁長官に就任した小坂善太郎氏が林政記者クラブと行った記者会見の内容について取り上げる。今週は、林野庁が新たに進めようとしている「森の国・木の街プロジェクト」の概要をはじめとして、それに関連してクローズアップされる木材を使用する意義やもたらされる波及効果を語る。長官は、CO2を貯蔵する木材の役割をあげて、プロジェクトが、とりわけ高まる環境意識との関連から、利用を広げる機会になればと意欲を示す。
 ―林野庁が来年度から進めようとしている「森の国・木の街プロジェクト」について、来年度予算に向けて大きな目玉として注目されています。 小坂 7月1日の小泉大臣の会見の時に大臣指示ということでお話があったわけです。就任前に大臣がお話しする機会を設けてくれて、いろいろ森林・林業・木材産業行政のことで、指示を含めてディスカッションすることができました。
 その時幅広に話した中で、特に大臣はこれだけ森に恵まれたこの国で、これだけ資源があるのに、まだまだ街の中に木が使われているのが少ないのではないか、最近東京などでは都市木造が出てきているけれど、もっともっと木を使えるようにすれば、地方も元気になるし日本も良くなるのではないかというお話がありました。何か手立てはないのか、新しいことをやるべきだとのお話がある中、実はいま環境省と一緒になってSHK制度(温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度)を来年の4月から導入すべきだとやっています。
 そうしますと木材を利用した貯蔵効果を各企業さんが自分の排出量から差し引くことができて、要は木を使う大きなインセンティブになるようなものを今議論しているという話を大臣にしましたところ、それはいい話だ、大々的に進めるべきだということもあって、大臣の言葉で、森の国だから「森の国・木の街のプロジェクト」をやってくれとなったわけです。
 ―どのような波及効果を期待されますか。
 小坂 1つは木材を使うことが地球環境問題に貢献する、特に森林が吸収したCO2を貯めた木を使うことは長期間貯蔵するということになるわけです。今度SHK制度ができると各企業の皆様、全国で1万3000事業体の方々がSHKで算定し、報告されますと、それを広げていけば木を使うインセンティブに働くと思っています。そういうことを大臣の指示を踏まえて大々的に展開していきたい。
 それともう1つ。大臣にもお話したんですけど今国交省で建築物のライフサイクルカーボンの削減に向けた検討を精力的にやっていただいています。それも建築物に木を使う貯蔵効果を評価しましょう。さらにはライフサイクルカーボンなんで製造過程におけるCO2の量は、木は鉄やアルミ、コンクリートに比べて少ないですから、そういうものを評価していこうという動きがあります。国交省と一緒になったライフサイクルカーボンの削減の取り組みを併せてやっていけば、木を使うことが具体的に地球環境にこれだけいいんだ、そんなものができればよいと思って取り組んでいきたい。
 ―プロジェクトの建築ではどの辺がターゲットとなりますか。
 小坂 中層ですとか低層、いってみれば非住宅の分野で例えばSHK制度というのは企業の皆さんが報告しているわけですから、これからいろんな企業さんとお話していくわけですが、例えばコンビニの店舗の形なんかも、木造店舗にすればその分の貯蔵量を自分の経済活動の排出量から差し引くことができるということなので、企業にとってもいいことになると進めていきたい。
 そういう意味では、今度東京駅の前に東京海上さんが100メートルの20階建ての木造のビルを造りますけれど、そういうのも大きな貯蔵量になる。それだけではなく小さな建物を含め、非住宅系の木材利用の大きな推進力になるんじゃないか、との思いでやっていきたい。(終わり)

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