新溶接工場が稼働開始/タカキタ

(株)タカキタ(藤澤龍也社長・三重県名張市夏見2828)が、昨年7月に着工し建設を進めてきた新溶接工場が今年1月に竣工、この4月から本格的に稼働を開始した。同社では「社内溶接の能力を30%以上引き上げることを目指す」(取締役常務執行役員品質保証室担当兼経営企画室長・梨原弘勝氏)とし、治具管理の効率化、生産現場のデジタル化をさらに推進する。投資額は約5億円。
新工場は、製品の大型化に伴い組立ラインが手狭になってきたため、従来の組立ラインから溶接工程を分離し、専用の工場棟を建設した。また、製品が多品種少量生産かつ大型化する傾向にあり、それに伴い溶接に必要な治具(じぐ)の数が増大し、その保管や管理が大きな課題となっていた。とくに治具は「製品の製造終了後9年間保管するという社内ルール」があり、以前は屋外で保管する治具もあり、サビや変形が生じることもあった。また、治具を探すのに多大な時間を要していたという。これらの課題を解決し、生産能力を向上させるため、新溶接工場を建設した。
〈新工場の目的・特徴〉 (1)溶接生産能力の強化=社内溶接の能力を30%以上引き上げることを目指す。とくに新品の溶接に関しては、これまで半分程度を外注していたものを、ほぼ全て社内で溶接できるようになった。今後は、外注依存度を下げ、自社での一貫体系を強化する。
(2)治具管理の効率化=治具専用の倉庫を設け、約1000枚のパレットに載せられた治具を整理整頓し、どこにあるかをすぐに特定できるシステムを導入した。これにより治具を探す時間が大幅に削減され、溶接作業に充てられる時間が増加した。
(3)デジタル化(DX)の推進=従来の紙の図面をすべてPDF化し、現場の作業員がタブレットで閲覧できるようにした。図面には治具の写真やセットの仕方が添付されており、治具の保管場所も明記されている。これにより、図面や治具を探す無駄な時間が削減され、作業効率が飛躍的に向上した。過去数十年にわたる手書きの図面も含む膨大な量のデータ化には約1年を要した。
〈主な導入設備〉
▽溶接機=新規6台を含む合計20台▽ロボット溶接機=3台▽クレーン=ホイストクレーン3機、フリークレーン15機▽スペースアーム=新規10台を含む合計14台(溶接ワイヤーの取り回しを容易にするためのアーム)▽リーチリフト=1台
〈空調設備〉
溶接エリアへの空調導入は初めて。溶接は風に弱い特性があるため、これまで空調導入は難しいとされてきたが、新工場では断熱性の高い設計により作業環境を快適に保ちつつ、風の影響を受けにくい工夫がされている。冬は暖かく、夏は涼しい作業環境が実現し、作業者のストレス軽減にもつながる。
【溶接工場の概要(新設設備)】
▽着工=2024年7月▽竣工=2025年1月▽稼働=2025年4月▽構造=鉄骨造・平屋建て▽床面積=2613平方メートル(うち工場1552平方メートル、治具倉庫1061平方メートル)▽従来の一貫工場から溶接工程のみ分離・独立化









