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令和7年7月28日発行 第3561号 掲載

今後10年の農業見通し発表/FAO、OECD

 FAO駐日連絡事務所(日比絵里子所長)は18日、Webで「OECD―FAO農業見通し(アウトルック)2025―2034」発表イベントを開催した。OECD(経済協力開発機構)及びFAO(国連食糧農業機関)が毎年共同執筆・発表している同見通し報告書の日本向け発表イベントを開いたもの。同報告書は農水産物市場の今後10年間の見通しに関する詳細な分析を提供しており、両機関の報告書執筆者が概要を解説した。開会挨拶したOECD東京センター所長・上田奈生子氏は、今回の報告書では今後10年間で世界の多くの人々が環境持続性を犠牲にすることなく、栄養価の高い食事にアクセスできるようになると予測されており、前向きな傾向だと評した。また、2034年までに農業からのCO2排出量を7%削減しつつ食料安全保障向上が可能と示され、これを達成するには持続可能な技術を活用して農業の生産性を少なくとも15%以上向上する必要があると述べた。この目標に向けて、報告書では(1)食料市場の開放(2)農家への適切かつ的を絞った支援提供(3)排出量と廃棄物削減のための新たな技術革新の活用―などを提言しており、今後も目標達成に向けた支援をしていくなどとした。その後、OECD貿易農業局農業政策アナリスト・エディット・ラジェ氏ならびにFAO市場・貿易部シニア・エコノミスト・ホルガー・マテイ氏が同報告書の概要を紹介した。それによると、世界の農産物生産は主に中所得国における生産性改善によって今後10年間で14%増加すると予想。これは飼育家畜頭数と耕作地拡大に起因するため、農業からの直接的なGHG(温室効果ガス)排出量も6%増加する見込み。一方で、排出削減技術の広範な導入によって十分な生産水準を確保し、食料生産10%増・農業生産性15%増を実現できれば世界的な栄養不足をなくし、農業由来GHG排出量を2034年までに現状水準比7%減が可能。農産物の実質価格は生産性向上に伴って中期的に低下すると予測。生産性の低い小規模農家は自らの生産性を向上させ続けることが求められ、生計を維持するためには革新的な技術の導入や投入資材、効率性の改善などが不可欠となる。農産物の総消費量は実質価格換算で現在水準比で13%増える見込み。増加分のほぼ全てが低・中所得国で発生。中所得国では消費増大の半分は1人当たり食料需要量増加によるものであり、所得の増加によって動物性食品による1人1日当たりカロリー摂取量が今後10年で6%増える見込み。対して低所得国では消費増大の4分の3が人口増加によるもの。また、今後10年間で全カロリーの22%は国境を越える見通し。

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