各社の対応:幅広く製品を提案/高知県特集

(株)中四国クボタ(江草徹社長)高知営業部(藤六恵執行役員・高知営業部長)の昨年の実績は、計画を達成した。「今年に入っても毎月計画を達成している。米価の高騰により担い手農家の購買意欲が高まっている。しかし一般農家は変わらない」と、藤六部長は語った。
「米価よりむしろショウガの価格が高かった影響の方が大きい」と、ショウガ農家の動向が実績に大きく関わっている。実際、ショウガの出荷を調整するための倉庫の建設の受注があった。「関連商品が1つの突破口となる。セールスが顧客のニーズを聞いて対応することが重要。そうすれば仕事が広がってくる」と藤六部長。実際、バッテリーメーカーと協力し、刈払機などの同行推進を実施。小物製品を切り口にコミュニケーション強化を図り、他の製品の提案に広げている。「いろいろなものを取り扱うことが需要。仕事が広がっていく」と、顧客のニーズを捉え、課題解決に努める。
秋に向けては、乾燥機や籾すり機の点検整備を強化していくとした。「乾燥機などの点検は、高所に登って行わなくてはならないため非常に危険だ。スタッフがペアで作業し、1日4~5軒を回る。米価の高騰により依頼も増えてきた」と、体制を強化し対応していく考えだ。
現在、同営業部では、新人社員を中心とした人材育成をテーマに掲げている。「いかに成功体験を得られるかが重要となる。新規顧客を担当するだけでなく、会社として重要な顧客も担当させ、サポートしながら育てていく」と、自分の力で販売することを体験させることにより、モチベーションを上げていく。
今後に向けては、「これまで順調に計画を達成している。このまま毎月の積み重ねで年間の計画達成を目指す。そのために実演や提案など、我々から施策を仕掛けることが需要になってくる。来年に向けて直播などの技術的な提案を含めて、担い手農家を中心に仕掛けていきたい」とした。
藤六部長は高知営業部の部長となり1年が経った。「各所長とのコミュニケーションが取れ、気心を知ることができた。トップダウンではなく、お互いの信頼関係の下、地域市場、顧客のニーズを把握しながら一緒に施策を考えていきたい」と、計画達成を目指すとともに地域農業を盛り上げていく。
ヤンマーアグリジャパン(株)中四国支社(上原茂樹支社長)四国営業部高知ブロックの昨年度の実績は前年並みとなった。 「主流となる25馬力クラスのトラクタが顕著な動きを見せ、実績を牽引した」と、松下勉高知ブロックエリアマネージャーは振り返った。昨年の米価の高騰は、田植機、コンバインの動きには大きな影響は見られず、ほぼ前年並みの動きだった。
今年の4~6月の第1四半期の実績も前年並みで推移している。同社が4月から価格改定を行ったため、昨年度末となる3月には駆け込み需要が見られた。「価格改定についてはしっかりと顧客に伝えてきた。駆け込み需要があった分、今年に入りやや反動が見られている」と、昨年の価格改定時では駆け込みで購入する人は少なかったが、今年は若干増えたという。米価高騰が少なからず影響しているとみられる。
修理・整備事業は、順調に実績を伸ばしている。「少しでも農機を長く使おうという人や、更新の代わりに修理に出すという人が増えている。機械の更新サイクルは延びている」と米価の高騰による農家の購買意欲の向上はまだ見られない。今回は農機の更新をするまでには至らないが、これまでよりしっかりとメンテナンスをしようとする農家が担い手を中心に増えている。農家は米価の高騰に一喜一憂せず、まだまだ慎重に情勢を見極めている。
同社が取り扱うディスクロータリー『YDPシリーズ』には問い合わせも多い。「水分を含んだ土壌でもしっかりと返すことができるため、土壌条件を選ばず、雨が降った後など、どのタイミングでもしっかりと作業ができる。作業時間短縮、労力軽減、コスト削減に貢献する機種として新規顧客からの実演依頼なども多い」と、今後も実演を通して顧客の圃場に合うかを見極めながら提案を進めていく。
今後の動きとしては、基本的な個別の訪問を中心に秋に向けての製品を提案していくとした。最近は受注生産などが多く、欲しいときにすぐに買えることが少ない。そのため「お客様の課題や今後やりたいことなどを把握し、提案、受注を計画的に行っていく」と顧客とのコミュニケーションをとりながら積極的に活動していく。
「暑い日が続く中、お客様、社員の体調に気を配っていきたい。安全・健康第一に活動しながら、皆で計画達成を目指す」と、松下マネージャーは意欲を示した。
(株)ISEKI Japan中四国カンパニー(曽我部智社長)高知営業部(武林之夫部長)は、本年1月1日に体制を変更し新たなスタートを切った。高知営業部は引き続き武林部長がまとめ、指揮を執る。
同営業部の今年度これまでの実績は前年並みで推移している。
「今年の始まりは機械の動きが鈍かった。7月からの価格改定に向けて、4月から告知を開始し提案をしてきたが、農家の反応はあまりなかった」と、武林部長は語った。
そんな中、4月後半から5月にかけて田植機の動きが良かった。「タイミングもあると思うが、時期中に調子が悪くなり更新する人がいた。価格改定も控えているため、これを機に更新する人が多かった」という。6月には各営業所で展示会を開催し、価格改定前の最後の提案をしてきた。
「これまで以上に展示会での販売が好調で実績につなげることができた」と、価格改定に向けた各員の早めの提案が実を結んだ形だ。田植機に加え、トラクタの販売も伸び、両機が実績を牽引した。
また今回の価格改定では、駆け込み需要が見られた。その分、7月からの反動を警戒している。「どれだけ反動があるか、心配だ。しかし県内で早いところは7月中旬から稲刈りが始まる。コンバインが動き出せば秋製品の需要も出てくるだろう」と、いかに反動を最小限にするかが、今後の計画達成のカギとなる。
BFトラクタについては、約10年前にトラクタを購入した農家を中心に、更新の提案を強化してきた。特に無段変速ミッションの評判が良い。「これまで変速時のショックを気にする人が多かった。BFトラクタは高速になってもショックがないため、スムーズに乗れると高い評価を得ている。一度乗ればその良さがわかる」と、今後も実演を積極的に行っていく考えだ。
秋商戦に向けては、顧客とのコミュニケーションを重視する。「とにかく足で稼ぐしかない。行動量が不足してきたら情報収集もできなくなる」と、武林部長は年間計画達成に向け、新たな提案で顧客をサポートしていくいく。
三菱農機販売(株)(吉田康二社長)西日本支社(長島史治支社長)の四国支店および高知県特約販売店の4~6月の実績は、前年と同様であった。「GSシリーズの後継機であるXS(クロスエス)シリーズの動きが活発で、実績を牽引した」と、窪川営業所の西森司所長は語った。
これまでは高知県ではGA・GMシリーズ(30~50馬力)が主流だったが、今年に入ってからは、ハウス内で使用する人、兼業農家や定年を迎えて小さいながらも田畑があるため必要な人などが、XSシリーズを購入しているという。「徳島県でも販売台数が増えている。四国の圃場の大きさに合っていることに加え、フルモデルチェンジしたことにより関心が高まっている」と、さらなる拡販を目指す。
ショートディスクハロー「KUSANAGI MDH1820」は、同社のホームページからの問い合わせが増えている。「新規顧客から、あの製品がほしいと問い合わせが来ることはこれまでなかったこと。注目度の高い独自の製品であり、社員も自信を持って提案することができ、モチベーションの向上にもつながっている」と、営業活動に良い影響を及ぼしている。
「個別を中心に実演をしているが、実演すれば性能に納得し、購入が決まる」と、実演が鍵となる。今後は稲刈り後に実演を進めていく予定だ。
昨年の米価の高騰に対する農機の動きへの影響は小さい。「農家の方々はとても慎重。今後の事を考え、稼いだ時には貯めておきたいという人が多い」というように、まだまだ機械の更新ではなく、少しでも長く使おうと修理・整備に出す人が多い。そのため修理・整備事業の実績は毎年上がり続けている。
同営業所には修理依頼や資材の購入など、気軽に店舗に立ち寄る人が多い。これまで地域密着のサービスに力を入れてきた結果であり、同社の強みである。
西森所長は「窪川営業所の周りの農家は、小さいところも皆元気。機械が好きな人が多いため、情報を入手しに来たり、自分の機械を持ち込んだりする方が多く、頼りにしてくれていると感じる。今年も米価が高ければ、農機の購買意欲も高まってくるだろう」と期待する。
今後も地域農業の頼れる存在として、農家をサポートしていく。









